ここ最近、芸能・エンターテイメント系のニュースがないのでつまらない。いやニュースがないわけではないのだけれども、どれもこれも同工異曲である。あとは連続シリーズ物とか。これでは既視感にとらわれるばかりだ。えっといまは平成何年だっけ? である。今年のカレンダーは元号表記が極端に少ないし。ともあれそろそろなにか新機軸がほしい。無責任ですまんだ久子(59)はマネージャーとの熱い夜。
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新機軸がないのはタレントのほうも同じで、たとえばブルゾンちえみ(26)は何番煎じといえばいいのであろうか? というよりも、にしおかすみこ(42)、いとうあさこ(46)、渡辺直美(29)、平野ノラ(38)あたりをいっしょくたにフードプロセッサーにかけ、福田彩乃(28)の救い難い鈍さの粉末をパラはパラとかけてゼラチンででも固めればホラでき上がり、な感じである。オリジナリティがカケラも感じられない。
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そう、私はブルゾンちえみが大嫌いである。
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「ブルゾンちえみ」というキャラクターというかアピアランス自体にも元ネタがあって、それがドラァグクイーンであることはメイクからも一目瞭然、みなさん先刻お気づきであろう。そもそも「ブルゾンちえみ」という名前自体、エッセイストであるドラァグクイーン「ブルボンヌ(Bourbonne)」から流用しているのも間違いないはずである。
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《芸名の名付け親は、同じ事務所の先輩・はなしょーの杵渕はな。自分の芸名で悩んでいた時に初めて杵渕に会い、「ブルゾンちえみっぽい!」という簡単なノリで3秒で決まったという。》などとWikipediaにはあるけれども申しわけない。鼻白むばかりだ。
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ついでにいわせていただけばブルゾンちえみのスタッフ、こうしてWikipediaにムキになって書き込むのもいいけれども、エピソードづくりがあまりにも露骨で辟易としてしまう。世間をナメないでいただきたい。
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ドラァグクイーン(drag queen)をきちんと説明しようとすると長くなるので「男性が女性の姿で行うパフォーマンスの一種。」というWikipedia冒頭の解説でなにとぞご容赦お願い申し上げ奉る。Wikipedia、あまり鵜呑みにしなければ役に立つ。
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世界的に有名なドラァグクイーンといえばやはり映画『ピンク・フラミンゴ』(ジョン・ウォーターズ監督・1972年)の主役、100㎏を超える巨体のディヴァイン(Divine、享年42歳)であろう。日本ではマツコ・デラックス(44)、ナジャ・グランディーバ(43)、ダイアナ・エクストラバガンザ(41)あたりが体型もよく似ている。
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まあ、そんなごった混ぜ二番煎じキャラクターのブルゾンちえみにもたったひとつだけ目新しさはある。それはすべて事務所によってつくられている、というところである。史上初のプロダクションメイドのお笑い芸人。いやいやゴリ押しといって足りるレベルではない。そしてご本人には申しわけないけれども、芸はまだまだプリプロダクションレベルである。
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たとえば“with B”の「ブリリアン」である。同じ事務所の後輩とはいえ駆け出しのお笑い芸人の安いギャラでエキストラ2人分の日当を払えるはずなどないのである。これは事務所の仕込み。しかしそんな予算があるのならその前にもう少しちゃんとした作家をつけてやれ、である。これ以上人さまのものをパクって恥をかかないように。女がターゲットだからといって女ばかりピックアップしたのかなあ。別に差別するつもりはないけれども。
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もとい、しかもブルゾンちえみはいまやお笑いのキャラクターのままでテレビドラマ『人は見た目が100パーセント』(フジテレビ)にも出演してしまうほどの大出世なのであるから畏れ入る。
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これはドラマのなかでとはいえ架空の人物が現実に降臨するわけで、かつてのクレージーキャッツ、コント55号クラス、全国民に名前が知れ渡る存在になってはじめて通用する仕掛けである。製作側もたとえコメディとはいえマジメにドラマをつくる気があるのか、と首を傾げたくなる。 ドラマがめきめきダメになるのもよくわかる。
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おおっと、発見、発見。『日刊サイゾー』(2017年4月29日配信)がこんな記事を書いていた。
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【フジがブレーク前のブルゾンちえみにドラマオファー? 急激ブレークに「ナベプロのシナリオ通り説」が浮上】
《2017年上半期最大のブレーク芸人といえば、やはりブルゾンちえみ(26)だろう。バラエティ番組だけでなく、ドラマ『人は見た目が100パーセント』(フジテレビ系)にはメインキャストの1人として出演し、独特な存在感を発揮している。
しかし、ブルゾンの同ドラマへの起用について、違和感を抱いている関係者も少なくないようだ。テレビ誌記者はこう話す。
「ドラマのスタッフが、昨年12月の時点で、ブルゾンにオファーをしていたというんです。ちょっとオファーのタイミングがおかしいのではないかと、業界関係者は首をかしげていますよ」
ブルゾンのブレークのきっかけとなったのは、今年1月1日に放送された『ぐるナイ!おもしろ荘 若手にチャンスを頂戴今年も誰か売れてSP』(日本テレビ系)。つまり、昨年12月の時点では、まったくの無名だったのだ。そんなタイミングで、主要キャストでのドラマ出演オファーがくるというのは、普通ならあり得ない話だ。
「フジテレビがブルゾンのブレークを予見していたということではなく、12月の時点でブルゾンのブレークが確定的だったのでは? というのが、業界内での見方です。つまり、ナベプロはブルゾンをゴリゴリに押すことを、昨年のうち決めていたということでしょう。その後のブレークもドラマの出演も、いわばナベプロのシナリオ通りなんじゃないですかね」(同)
—〈略〉— 》
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しかも衝撃的なのは、これがあの老舗ワタナベエンターテインメントのしわざなのである。時代は変わったのう。ワタナベエンターテインメントとしては、そうだ!! アイドルや新人女優の売り出しと同じやりかたでお笑い芸人も売り出せばよいのだ!! どうしていままでこんなことに気がつかなかったのだろう? と思っているのかもしれないけれども、もしもほんとうにそんなことを思っているのだとしたらそうとうなバカである。
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お笑い芸人はまったくの無名から自分のチカラで這い上がっていくところが最初の魅力なのである。そのリアルガチ(by出川哲朗)な闘いがあるからこそ、果てしなく貧乏で底抜けのクズでもモテたりするわけである。ワタナベエンターテインメントがブルゾンちえみで試みた手法はその、お笑い芸人の純粋な輝きの部分をまったく無視してしまっている。これでは共感は得られない。
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ブルゾンちえみ、アドリブトークはまったく苦手のようだし、本人にすべての責任があるとはいわないけれども、ほかのお笑い芸人と本格的に絡むようになったときが試金石であろうのう。楽屋でも浮くだろうなあ。このあたりの風当たりの強さをしっかり心得ていなければ、きっとすぐに潰されてしまう。ワタナベエンターテインメントは妙に面倒見がいいからその後のことまで気になってくる。
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どこをどう見てもムリばかりが目立つ、安直なつくりものの「ブルゾンちえみ」。悲惨なことになる前に渡辺プロダクション時代からの大先輩にあたる中尾ミエ(70)さまあたりにキツ〜い一発で公開処刑、泣かせてもらっておいたほうがいいかもしれない。これから先、いくら面倒見がいいとはいえ事務所がしてあげられることはそれくらいしかないんじゃないの〜。キツくてキツくて、キッツキツですまんのう。(了)
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