江川達也(55)である。なにかコトが起こると頼まれもしないのにノソノソと這い出してきて、しかしコトの輪には加われず、そのうちまたどこかへスゴスゴ帰っていく、あの男である。あのひげヅラの漫画家である。ちなみに代表作は『東京大学物語』、『まじかる☆タルるートくん』とされている。
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宮崎駿や手塚治虫への批判でも知られる江川達也だけれども、その発言には独特の歪みと味わいがある。「クセがキッツいのお」(by千鳥ノブ、36)である。オリンピックエンブレム問題では、しきりに渦中のデザイナー、佐野研二郎の事務所のインテリアについて文句をいっていた。
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いわく、「好みから言えば、この事務所のデザインはセンスがないと感じる」、「才能のない人の仕事場だと感じる。無能な空気が漂う。自分なら金があってもこんな事務所なんか作らない」、「デザインを作ってる空気を感じない。こういう部屋では、ものづくりがしにくい」。
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佐野研二郎を総叩きの状況で、坊主憎けりゃのたぐいである。それにしても程度というものがあるのである。デザインは果たしてオリジナルなのか、審査委員が身内で固められているのではないか、オリンピック委員会の責任はどうなのか、と侃々諤々のところに、「この事務所は〜」という発言を見つけたときの脱力感は忘れられない。
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そんな江川達也が、また久しぶりにやってくれたのである。トシのせいか以前と較べるとやや大味になっている。しかしそれでも暇潰しには十分なクォリティを保っているのである。以下、6月8日に投稿された、そのTweetの抜粋をご紹介しよう。(「トピックニュース」2016年6月8日)
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『謝ることなど何もない。オレは加藤と柴田と妻たちを褒めてやりたい。最近は人として、あたり前のことを不倫と言う知能の低い人が増えてしまった。そんな人はちょっと前の本すらまともに読む知能がないのだろう。
本当に知能の低い人が大半を占める世の中は住みづらい。だから私は教育家を小学生の頃から目指した。知能の低い人を高くすることばかり考えてきた。源氏物語を訳し原文も載せた漫画を描いたのも、知能の低い人を高くしたいという願いからである。だが、知能の低い人はどんどん増えてしまっている。自分の力不足を感じる。
いろんな人を愛せない行為が不倫なのに、間逆に使ってる低脳集団には、ほとほと呆れ返るが、そういう人にこそあなたは低脳だ。ということを伝えるのが教育家の使命なのだろう。』(原文ママ)
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大丈夫であろうか? アタマがクラクラしたりしていないだろうか? 少しでも衝撃を弱めるために、全体を三段にわけておいたのだが。この文章の本筋は前後の段に分けて書かれていて、真ん中の段はオレ話である。
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まあ、達也どうしたの? という感じである。達也のアタマのなかがわからない。ほぼ毎日、こうしてくっだらなーい文章を書いている私の乏しい経験では、どのようにしてこの文章が生れたかを想像することはできない。
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なにしろ、自分の妻の妊娠中に知り合いの妻と性交渉をもつことが「人として、あたり前のこと」だったり、「いろんな人を愛せない行為が不倫」だったりするのである。
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どうしたって「倫」は「人の道」、「人の守るべき筋道」なのだから、「不倫」は人の道から外れたことを意味している。まあ、たとえばすべての人を愛することが「人の道」だとしても、それはすべての人と性交渉をもつという意味ではない。わかりきっていることだが。
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現代日本では婚姻関係を脅かすようなカタチでの性交渉、セックス、ギッタンバッコンを「不倫」というのである。またお下劣ですまぬ。達也、いったいなにをいっておるのか。あ、いまのところファンキー加藤は相手の女がアンタッチャブル柴田英嗣の妻だとは知らなかった、といっているらしいが、怪しいものだと私は思う。
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達也がこうした倒錯に走るのは、オレもひとこといってやりたい、そしていうからには、ほかにはない斬新な切り口でやっぱり達也だ、と一目置かれたい、と目論んだからだろう。たしかにやっぱり達也だが。
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それともホリプロとタレント契約をしているからかなー、あるいは小林よしのり(62)になんか負けたくないとか思っているからかなー。いずれにしても、とても利己的な欲求からなのは、真ん中にどうでもいいオレ話を挟んでいることからもわかるのである。
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忘れないうちに書いておく。達也の文章の三段目の一行目、「間逆に使ってる低脳集団には」の「間逆」は、正しくは「真逆」である。「間逆」の「間」は「間男」の「間」である。注意するように。とくに人さまをののしるときには。それから言葉は「使う」ものではなく「遣う」ものである。
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どうしてこんな江川達也みたいな人物が出てくるのかといえば、やはりネットやSNSの普及で、世の中に流通する言説が爆発的に増えたことが背景にある。なんとかしてニュースサイトに取り上げられたり、炎上するなりして注目されたい、と願う心が事故のもと、である。極論、詭弁、椿説の洪水である。
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で、最近ふと思うのであるけれども、こうしたネット上のノイズは、結局のところ、すべての周波数で同じ強度をもつホワイトノイズに似たものになるのではないのか。大勢がワーワーギャーギャー喚き立てた挙げ句、それらがミックスされて無音になってしまうというイメージ。実際のホワイトノイズは「シャー」なのらしいけれども。
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もう一度達也の投稿に戻ろう。全体を見通すと、こういう構造の文章なり演説なりは、あまりめずらしくもないものである。たとえば、公園で女装したオジサンが拡声器を使って松田聖子かなんかの歌をアカペラでうたい、「私は宇宙からの愛の使者であーる。地上のすべてが愛し合う世の中をつくることが使命であーる。しかしいまだ任務を完了できずたいへん申し仕分けないのであーる」とかなんとか演説をぶってまたうたうという光景に出くわしたこともあるのである。
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達也が聖子オジサンよりもいささかマシな点は、「本当に知能の低い人が大半を占める世の中は住みづらい。だから私は教育家を小学生の頃から目指した」という言葉のとおり、わずか約5ヵ月ではあるが、中学校の数学教師の職に就いていたことである。
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私としては、達也も聖子オジサンも、自己顕示、誇大妄想のあまり自分に鞭打つ、という感じがして、すこぶる香ばしく、微笑ましいのである。しかしそれもすぐにホワイトノイズのなかに埋もれてしまうのである。
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実際、もうすでにして私のなかの不倫よいこと江川達也は、砂で描いた絵のごとくシャーシャーとどこかへと吹き飛ばされつつあるのである。シャー。
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最後に、江川達也のこのTweetは『日刊スポーツ』のファンキー加藤記者会見の記事を引き合いにして書かれているので、その全文をご紹介しておく。誠意を感じるとかベッキーとは大違いとか、おおかたの反応は好評だったらしい記者会見である。
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だけれども、である。話が逸れるが、しでかしてしまってから誠意を見せられても、いわせていただければそれはなんの意味もないのである。もちろんエラくなどないのである。その誠意がホンモノ、人格に根付いているものなら、そもそもこんな醜悪な事態は招かなかったはずなのだ。キツいのう。
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ともあれ、ファンキー加藤の告白による今回のW不倫騒動の全体がコンパクトにまとめられた記事である。そんな話は先刻承知、または読むのはメンドくさいとおっしゃる方とは、今日はここでお別れである。(了)
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[附記:日刊スポーツ2016年6月8日 記事から]
『不倫ファンキー加藤、妻離婚切り出すも「一生償う」
元ファンキーモンキーベイビーズのファンキー加藤(37)が7日、アンタッチャブル柴田英嗣(40)の元妻Aさんとのダブル不倫が発覚した件で、都内で会見した。この日発売の「週刊女性」が報じた不倫や、離婚後にAさんが加藤の子供を妊娠し、今月出産予定ということを認め、柴田やその子供、自分の妻子、ファンに謝罪した。
加藤の会見はレコーディングを行った都内のスタジオ駐車場で行われた。加藤の「直接説明したい」という希望で開かれた。ステージなどで見せる持ち前の明るさと笑顔はなく、約100人の報道陣を前に神妙な表情で切り出した。「記事に書かれていることは全て事実です」と認めた上で「こんな自分をそれでも支えてくれている妻と家族、そして柴田さん。本当につらい思いをさせてしまいました」と頭を下げた。ファンにも謝罪を繰り返した。
後輩が主催した飲み会でAさんと知り合ったのは14年末。連絡先を交換し、ほどなく付き合いが始まった。「女性として魅力を感じたのは事実。本当に軽率な行動だったと反省しております」と唇をかみしめた。
一方で当時、Aさんが既婚者だったこと、付き合う中でAさんが離婚していたことは「存じませんでした」という。だが「僕のほうから声を掛けさせていただいたので、責任の多くは僕にある」と強調した。昨年5月に柴田とAさんは離婚し、9月にAさんが妊娠した。今月出産予定だが、既に認知しており、養育費の話し合いも進めている。
柴田とは何度か酒を酌み交わした友人だった。Aさんとの話し合いの場に柴田も同席し、そこで初めて柴田とAさんの間に生まれた子供が2人いることなどを知った。当時の心境を聞かれると数秒間、沈黙した。「だんなさまと子供に本当に申し訳ないことをしたと反省しました」。
柴田とも話し合いを重ねており「誠心誠意、謝罪をさせていただきました」。
妻にAさんの妊娠を告げたのは昨年11月。「最初はショックを受けて困惑していました」。加藤はAさんと将来的な結婚の約束をしていたわけではなく、妻と離婚するつもりもなかった。
この日夜、公式サイトにも「正直、離婚を切り出されたこともありました。都合のよい話だと分かっていても自分は離婚をしたくなかったです」とつづった。何度も話し合った結果、加藤と妻は今後も支え合い、夫婦として生活していくことを決めたようだ。会見を開いたこの日も妻に「(会見で)しっかり謝って」と送り出された。加藤は「一生をかけて償っていこうと思っています」と話した。』 (以上)
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