今日ただいまはじめて書くけれども、実は私はなぜナチスが遺したもの、たとえば鉤十字、右上を斜め上に突き出すナチス式敬礼みたいなものまでが激しく忌み嫌われるのか、その理由がわからなかったのである。
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あのホロコーストを筆頭とする忌まわしい残虐行為の数々を思い出させるから、そしてそれは人々をたいへん不快にさせるから、というのはもちろんわかる。実際に犠牲になられた方々やそのご家族、ご遺族、お知り合いなどにはそれらナチスの遺物を目にすることさえ堪え難い苦痛であろうことも想像がつく。
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これから先、たいへん申しわけないいい方、そして生来軽薄な人間ゆえ軽々しいいいかたになるかもしれない。あらかじめご容赦をお願いしておく。
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鉤十字やナチス式敬礼を世界から遠ざけても、民族浄化といわれるほどの大規模な虐殺や集団レイプはなくなっていない。いまこのときにもミャンマーのロヒンギャたちは国軍による組織的殺害や暴行に直面している。難民としてバングラディシュに逃れたロヒンギャはすでに50万人を超えているともいわれている。
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第2次世界大戦以降、ソビエト、セルビア、中国、パレスチナ、ベトナム、カンボジア、スペイン、ユーゴスラビアなどなど、一つひとつ上げていけばキリがないほどの地域で大量虐殺が行われてきた。ホロコーストは残念ながら人類の教訓になっているとはいえない。
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そうした状況で鉤十字はいかん、ナチス式敬礼はけしからん、といわれても、それは正しいことではあるけれども、そしてもっと頑張って追放していかなければならないものかもしれないけれども、私には違和感がある。
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そう、くどいようだけれども、もうこれ以上悲劇を拡大しないために必要な努力なのだといわれればそれはそうだろうと思う。しかし同時に坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、の類にも見えてしまうのである。
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で、つまりわからないのは鉤十字はいかん、ナチス式敬礼はけしからんと全世界的に目を光らせるそのはっきりした論理的根拠はどこにあるか? である。ナチスが非道であったことはわかるしあんなことは二度と繰り返してはいけないのはあたりまえのことであるけれども。
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いったんタガをゆるめると記憶が風化してしまうと怖れているのであろうか? それも確かにあろうとは思うが答えとして核心ではない。またまた恐縮であるけれども、それはめぐりめぐって、つまり風が吹けば桶屋が儲かる、の類のお話ではないのか?
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ユダヤのプロバガンダでもなんでもいい。鉤十字はいかん、ナチス式敬礼はけしからん、を支える明快な理屈を私は知りたいのである。
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そしてこのたび、意外なところから私なりのその理屈を見つけ出したのである。ぜひご紹介したい。『J-CASTニュース』2017年12月21日配信分、【 欅坂46「ナチス風」衣装問題で「色使いが面白くて好き、というわけにはいかない」 ユダヤ系人権団体幹部が会見】という記事のなかにそれはあった。
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いまどきYouは何しに日本へ?(テレビ東京)な感じがするけれども、「サイモン・ウィーゼンタール・センター」はこうして日ごろから世界中に監視・監督の眼を光らせているのであろう。
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記事は以下に引用しておく。このなかのエイブラハム・クーパー副所長の言葉、「アジアの皆さんには、一度でもナチスのイデオロギーを読んでしまうと、誰であろうと逃れられなくなってしまうことを覚えておいてほしい」が目に刺さったのだ。
《 ユダヤ系人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター(SWC)」のエイブラハム・クーパー副所長が2017年12月20日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で記者会見した。
SWCは、アイドルグループ「欅坂46」がナチスドイツを想起させる衣装を着たとして非難声明を出していた。クーパー氏は、欅坂46を運営するソニーミュージック側が同氏を招いて研修会を開いたり、SWC主催の展示会に幹部が訪問したりしていることに言及し、「この事実は我々の誇りとするところ」「ソニーは適切に対応した」などと高く評価し、「不幸な事案を学びの機会にすることが我々の関心事」と話した。
■ ソニーの対応には評価
欅坂46をめぐっては、16年10月のイベントで着た衣装がナチスドイツを想起させるとして波紋が広がり、SWCも
「10代の若者がナチス風の衣装を着てステージや観客席で踊っているのを見ることは、ナチス大量虐殺の犠牲者に多大な苦痛を引き起こす」
とする非難声明を発表。声明発表から24時間足らずで欅坂46の運営会社や総合プロデューサーの秋元康氏が謝罪することになった。
ソニーミュージック系列に所属する歌手としては、氣志團が11年にナチス親衛隊(SS)の制服に似た衣装を着てテレビに出演して問題化したという経緯がある。クーパー氏によると、氣志團の件でSWC側の懸念を伝えソニー側も謝罪したが、新たに事案が起こったため「さらに強く反応」したという。
その後のソニー側の対応に、クーパー氏は総じて理解を示している。都内で開幕したSWC主催の「3500年の歴史を持つユダヤの歴史展」にソニーミュージックの幹部が2人来たとして、クーパー氏は「この事実は非常に誇りとするところだ」と述べた。数か月前にはソニー側から招待を受け、130~140人を前にプレゼンテーションしたことも明らかにした。
■「我々の本当の関心事は、不幸な事案を学びの機会にすること」
その上で、
「ソニーは適切に対応した。すぐに人を(SWCの本部がある)ロサンゼルスに派遣し、私は東京に来た。こういったことも踏まえて、その数か月後にまた東京に来た。我々の本当の関心事は、不幸な事案を学びの機会にすることだからだ。好む好まざるにかかわらず、『文化の通訳』なのは若者だ」
と述べた。
■「ナチスのイデオロギーを読んでしまうと、逃れられなくなってしまう」
クーパー氏は、
「SWCは日本に敵がいるとは思ってないことは強調しておきたい。理解や知識が足らない、というのはよくあることだと理解している。だが、ソニーのような国際ブランドだと、単に『10代前半の若い女の子だし、(衣装の)色使いが面白くて好き』というわけにはいかない」
「アジアの皆さんには、一度でもナチスのイデオロギーを読んでしまうと、誰であろうと逃れられなくなってしまうことを覚えておいてほしい」
などと話し、若者を介してナチスを容認するような考え方が広まることへの警戒感を示した。
SWCは、ホロコースト否定論やユダヤ陰謀論を唱えるメディアに対して、広告主を巻き込みながら強硬な抗議活動を展開することで知られている。1995年1月に文芸春秋社の月刊誌「マルコポーロ」が掲載した「ナチ『ガス室』はなかった」と題する記事をめぐっては、SWCやイスラエル大使館が猛烈に抗議。文芸春秋社のスポンサーに広告出稿を取りやめるように働きかけるなどの運動を展開した。その結果、文芸春秋社は雑誌の回収と廃刊、編集長の解任を決め、全面謝罪。社長も引責辞任に追い込まれた。
SWCは2017年11月、高須クリニックの高須克弥院長が、所属する米国美容外科学会(AACS)から「追放」されたとする声明を発表。高須氏は事実関係を強く否定した。今回の会見では高須氏の件に関する言及はなかった。》
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そうか、「一度でもナチスのイデオロギーを読んでしまうと、誰であろうと逃れられなくなってしまう」のか!! それがもし事実ならばナチス関連のあらゆる遺物は厳重に取り締まり鍵をかけ、二度と一般の人々の目に触れないようにしなければならない。ナチスのちっぽけなデザインですらイデオロギーを雄弁に物語っているから。でもって、ローゼンベルクの『20世紀の神話』やヒトラーの『我が闘争』は1冊残らず探し出し燃やし尽くしてしまわなければならない。
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また、それがもし事実なら、一度でもナチスのイデオロギーを読んでしまった人間は決してそこから回復せぬまま仲間を増やしていくゾンビみたいなものであるからすべからく隔離するか、少なくとも一定の行動の制限を課さなくてはならなくなる。
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『20世紀の神話』や『我が闘争』を読んだことのある私もとうぜんどこかへ送られることになる。『我が闘争』よりも『資本論』のほうがずっとヤバいんだよ〜、『20世紀の神話』や『我が闘争』に目隠しをすることよりもそれを読んでなにが間違っているのか考えることが大切だろーよー!! みたいなことを叫んでももう聞いてはいただけないであろう。
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コレでは、民はよらしむべし、しらしむべからず、という封建時代の政治原理と変わらないことになってしまう。そして我々民草はついぞ知らぬまま、いつかたどった地獄への道へ、また同じ轍を駆り立てられかねないのである。
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ほんとうにコレが私が求めていた理屈、理由なのであろうか? これが世界中で人々の行動に制限をかけている理由なのであろうか? 「サイモン・ウィーゼンタール・センター」のやり方がたいへん高圧的で有無をいわせぬ印象があるだけに、たいへん驚く。
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私の立場は、人は誰でも人を殺める可能性を抱えていると考える、まあ性悪説である。状況によっては嬉々として引き金を引くかもしれない。また状況によっては命を投げだしても何かを守るかもしれない。そしてナチスの戦犯と私は同じ人間だということを受け容れている。
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だからこそ注意して、暗い世界に落ち込まないようにしなければならないのではないのか? 大義名分がでしゃばってきたらそこにこそウソがないか突つき回さないといけないのではないのか?
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私にいわせていただければ、われわれはナチではない、ナチのやったことは人間にできることではない、と自信満々で微笑んでいるヤツがいちばん危ない。人間でないヤツらなんてみんな殺っちまえ!! まではあとほんの一歩だ。
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「一度でもナチスのイデオロギーを読んでしまうと、誰であろうと逃れられなくなってしまう」。これがほんとうに「サイモン・ウィーゼンタール・センター」の主張のなかにあるとしたら、大きなマイナスだと私は思う。
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一方において秋元康や欅坂46がかいま見せた、共感性のバッサリ欠如もとてつもなく恐ろしい。もう、ホントに止めてよ。こわいから!! (了)
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