バッカ野郎、思い出しちまったじゃねーかよ、アイツのことをよ。揉めごとになるといっつも誰にもいわずに1人でノコノコ出かけていってはズタボッコにされて帰ってくる。おかげでおさまりそうだった揉めごともおさまらなくなったりしてそりゃ迷惑なこともあったけど、みんなアイツのことはいつも大好きだったんだよ。
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そんなアイツを思い出させてくれたのは茂木健一郎(54)である。ただいまボコられ中である。どんな具合にボコられているかというと、下の抜粋をお読みいただきたい。『日刊スポーツ』(2017年3月23日)からの抜粋である。
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【立川志らくが茂木健一郎氏“袋だたき”状態に異論】
《茂木氏はツイッターで「日本のお笑い芸人たちは、上下関係や空気を読んだ笑いに終止し、権力者に批評の目を向けた笑いは皆無。後者が支配する地上波テレビはオワコン」と発言したことから、芸人たちの間で賛否を呼んだ。
爆笑問題の太田光と田中裕二は、茂木氏の意見にラジオ番組で猛反論、海外コメディアンらの社会風刺より日本のお笑いの方がレベルが高いことを主張し「『オワコン』とか言ってんじゃねえ」とぶちまけた。
また、ダウンタウンの松本人志は19日放送のフジテレビ系「ワイドナショー」で、「茂木さんが全然面白くない。笑いのセンスが全然ないから、この人に言われても『刺さらなねぇぜー』って感じ」と切っていた。
—〈略〉—
茂木氏は22日放送のフジテレビ系「バイキング」にVTR出演。一連の発言について真意を説明し「どういうふうに芸人さんが受け止めてくれるか楽しみだった。結果としておきて破りだったかもしれませんけど、それくらいお笑い界を応援したい」との思いを語った。権力者に批評の目を向けない日本のお笑いを批判したが、「特定の芸人さんとかを批判してるわけじゃない」と茂木氏。「現場でいろんな制約がある中で頑張ってらっしゃる方々に対しては応援する気持ちしかないです」とした。
しかしスタジオでは、出演者たちが不満顔。坂上忍は“オワコン”発言を逆手に取り「この人の方がオワタレになる」と痛烈にやり返し、梅沢富美男は「こいつ、本当に脳科学者なの?」と皮肉たっぷり。おぎやはぎの矢作兼は「テレビで通用しなかったから悪口言うんでしょうね」とチクリと刺した。
しかしこうした“サンドバッグ状態”に、志らくは23日にツイッターで「茂木健一郎氏が今のお笑いオワコン発言で謝罪。それをタレントが袋だたき。別に謝罪することは無い。私もカチンとはきたがそれは茂木氏の考えであって別に問題はない」と茂木氏を擁護。「(ダウンタウン)松本さんみたいに皮肉のギャグで返すのが本筋。袋だたきにするのはおかしい。何も発言出来なくなる。その考えは違うと主張するのは良い」と、タレントコメンテーターたちが一斉にバッシングする風潮にくぎを刺した。》(原文ママ)
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なんだろう、茂木健一郎に対するこの激しい憎悪は。親のカタキ扱い。反論などてんでアタマにないようすで、ただただ感情的に罵倒と嘲笑を浴びせている。まず爆笑問題の
「海外コメディアンらの社会風刺より日本のお笑いの方がレベルが高い」
といういいぶん。おやおや「社会風刺」と「お笑い」を同列に並べて忖度しようというわけ? 風刺とお笑いの評価のモノサシは違う。これじゃ身長と体重とを並べてどっちが速い? なんていっているようなものじゃん。勘弁してくれ。もう人間として情けないわ。
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次の松本人志のいい分
「笑いのセンスが全然ないから、この人に言われても『刺さらなねぇぜー』って感じ」(原文ママ)
というのもなあ。立川志らくはこの松本人志の発言を指して「皮肉のギャグ」と受け取っているらしいけれども、それはつまり笑いのわからないヤツがなにいってんの? ということであろう。
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これでは、じゃあお前は政治のセンスがないから政治に口出しするな、ってことになるじゃん。素人からの批判を素人だからという理由だけで撥ね除けるなんて、お笑いも権威になったもんだわ。ご立派ご立派。だけど政治のセンスがなくても1票はもってるわけよ。お笑いにもな。傲慢こいてるとそのうち泣くことになるお。
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で、いうまでもない。松本人志には自分に刺さる刺さらないではなくて、茂木健一郎がツイッターで語った内容が妥当と思うのかそうでないかという疑問に、素人にもわかるようにきちんと応えてもらいたいのである。
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あとの坂上忍、梅沢富美男、矢作兼についてはもうなにをかいわんや悪人をや(by親鸞“悪人正機説”)、である。その他大勢、英語でいえば「and」で片付けるしかない。
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「日本のお笑い芸人たちは、上下関係や空気を読んだ笑いに終止し、権力者に批評の目を向けた笑いは皆無。後者が支配する地上波テレビはオワコン」
という引用の冒頭の茂木健一郎の発言で、ちょっと違うと思うのは「地上波テレビはオワコン」という部分だけである。
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「権力者に批評の目を向けた笑い」ができないのはそこにスポンサータブーがあり、「電波停止」をカサにきて睨みをきかす政治があるからだ。「地上波テレビはオワコン」といわれればなにか最近ダメになったような気がするけれども、そういう意味では地上波テレビはむかしむかしから、誕生のときからオワっていたのである。
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で、茂木健一郎に対する激しい憎悪は、オレたちは厳しい制約のなかでやってんだよ!! お前だって知らないわけではないはずなのになにをシレッと自分だけいい子になってんだよ!! という気持があるからだと思うのだ。いまさらオワコンだなんだいいやがって。
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しかし、それをいう資格もいまのお笑い芸人やタレントにはないだろう。みなさんすべからく結果として現状を追認するばかりではないか。本来お笑いがもっているはずの批評精神を自らまったく放棄してしまっているではないか。いやいやそれはライブで、板の上でやっている? なにをいっているのか。「刺さらなねぇぜー」(原文ママ)。ぜんぜん伝わってこない。
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まずライブを見てから批評してくれとおっしゃるのであれば、もっとライブに精力的に取り組んでこちらに届くようにしていただきたい。テレビでご尊顔を拝見したときに、ああコイツはこのあいだ原発問題に辛辣なことをいっていてた、とかなんとかすぐに思い浮かぶくらいまで。そういう諒解があったうえでならテレビのなかの毒のない笑いもイヤにはならない。
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だからまずライブに来てくれ? そこを自分のチカラで振り向かせるのが芸能者であり知恵の絞りどころではないか。口を開けて待っていれば客が入ってくるとでも思っているのか。甘えないでいただきたい。少しは路上パフォーマーをみならえ。そんな月何回かのカタチだけのライブを免罪符に、そしてタブーを口実に、いつまでも権力に追従するだけのお笑いならつまらんつまらん!! まーったくつまらん(by大滝秀治)。
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とはいえ茂木健一郎もあっけないほどすぐ腰が引けとる。「特定の芸人さんとかを批判してるわけじゃない」とか「現場でいろんな制約がある中で頑張ってらっしゃる方々に対しては応援する気持ちしかないです」とか。なんとか慰撫して損ねた機嫌をとりなそうという下心が丸見え。そんなみっともないことをするから叩かれやすいんだし、そんなことならもう少し考えるか腹をくくるかしてからつっかかれ、とも思う。
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しかも茂木健一郎、実はこれが2度目なのである。1度目は今年2月、つい1ヵ月ほど前、清水富美加(a.k.a.千眼美子・22)の女優引退・出家宣言について「芸能界の悪習からようやく逃げた人を、“芸能村の人たち”がテレビであれこれと非難するのは本当に見苦しい」と批判したのである。私もそう思う。いまでもそう思っている。
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このときも「じゃあ、茂木さんって何村の人なの?」と「この人の方がオワタレになる」とのたまった今回同様のいいいがかりをつけた坂上忍を筆頭に箸にも棒にもかからぬくだらなーい反駁が相次いだ。
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で、茂木健一郎もまた今回同様、ソッコー慰撫にかかっていたのである。「現場でがんばっていらっしゃる方を揶揄する意図はありません」、「坂上さんのお仕事ぶりは、“バイキング”でご一緒させていただいた時から尊敬しています」だもんなあ。簡単に折れて引き下がり、さらに揉み手をして膝を折り、頭を垂れてやがる。まったくヘッポコ腰抜け野郎である。知る限り藤田嗣治(享年81)以来のひょうきんいじめられっこキャラである。
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しかしこういうヤツはいるのだ。確かにいる。なんの勝算も戦略もなくノコノコ出ていってはボコボコにされ、それでも懲りずにまたノコノコ。弱いんだかほんとうは強いんだかよくわからなくて、しかも傍から見ているとなんだかその毎度の敗戦が楽しそうにも見えるヤツ。
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だから茂木健一郎も必ずまたやると私は思う。2度あることは3度あるであろう健一郎にも。またやって合計3ボコリンになったら、私はきっと茂木健一郎を好きになる。いまでも好きになりかけている。頑張れケン坊!! お前のやり方はわかった。その調子でええ。ようやく3回目からはな。(了)
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