2017年3月30日木曜日

小林麻央「KOKORO」にコミュニケーションを学ぶ



仕事で出会う人たちとはたまさかの通りすがりみたいなものだし、積極的に仲間をつくるというタイプでもない。家族や親族も多くない。見回すと私はとても限られた人間関係のなかで暮らしている。それがラクなのだからいいのだけれども、 それにしても試しに数えて両手で足りるというのは少なすぎるのではないか? ちなみに反社会的組織に属していたことはない。



なかでもとくに気になっているのは人との打ち解け方が少しばかり特殊なのかもしれないということだ。なにかしらその人物の破綻したところ、破綻した瞬間を見つけないと仲よくなれない。知られたくないところにつけ込むイヤなヤツなのである。ただし破綻といっても人格とかいう話ではなくて、ただ道を歩いていてつまずいたくらいのことでもいい。



その人物が完璧な、なんつーんですか、セルフプロデュースの範囲、狙い通りコントロールされて動いているかぎり、私にとってそれは遠ざけられていることに近い。ああ、取りつく島がないといえばいいのか。なーんだ。セルフプロデュースで出てくるものなど、どうせしょーもないカッコつけばかりだし。よくも悪くも地方出身者っぽい。



つまり私は「社交」ができないのである。お互い何万語も費やして語り合うより1発の屁のほうにチカラを感じるのである。犬みたいに。手練手管で計算されたものいい、もの腰よりも思わず出てしまった屁の1発がなんと魅力的であることか。巧言令色鮮なし仁。参ったタヌキは屁でわかる。



そういえば以前、交差点で信号待ちをしてるときにたぶん音は出ないからいいか、と漏らしてしまったことがあった。その直後、なんとなく殺意のようなものを感じて振り向くとベビーカーがすぐ後ろに迫っていて、そこに寝ている赤ん坊に鬼のような形相で睨み上げられていたのである。屁は赤ん坊にもわかるコミュニケーションなのである。



で、この世のなかブーブープープー放屁しながら歩いている人間は私くらいしかいないわけで、つまるところ私の人間関係も限られている。これでももともと人見知りをするタイプでもあるし。そしてこういう人との関わり方は特殊ではないのか? とときどき気になる。哀しいことに相談する友人もいない。



そんな私が小林麻央(34)のオフィシャルブログ『KOKORO』に、とても心にしみる文章を見つけたのである。2017年3月29日付、タイトルは「血液検査」だ。



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【血液検査】


少し 落ち込み。

血液検査の結果、
思っていたより悪かった。

身体によいことしかしてないのに
何故だろう。

がびちょーーーーんっ!!

と言ってみる。

気が明るくなった。

有難い言葉だ。

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まことに勝手かつ下品ないいぐさでたいへんもうしわけないけれども、ここで「1発の屁」に相当するのが「がびちょーーーーんっ!!」である。胸に迫る。「有難い言葉だ。」とご本人は綴っている。しかしこれは言葉にならない、これしかない、という“言葉”なのだ。呻き、悲鳴とはいうまい。これがもし「がちょーーーん」であればまだ他人の存在がそこにある。



私にも過酷さでは比べものにはならないけれども、かつて似たような経験があった。仕事がどうしても上手くいかずかなり追い込まれていた時期に、街を歩けば必ず知らず知らず「ずんだらべったずんだずんだ」と呟いていたのである。もちろん意味などない。ただ「ずんだらべったずんだずんだ」の4拍子にあわせて行軍するように仕事先に向かっていた。誰にもわかるはずのない苦しみは「ずんだらべったずんだずんだ」とやりすごすしかなかった。



「社交」ができず人見知りをする私に小林麻央のオフィシャルブログ『KOKORO』は遥かに遠い世界だ。しかも病や痛みは徹頭徹尾、個人的なものである。そこで起きていることすべてを推測するのはとうてい不可能だし、であるからそこに書かれている内容を自分なりにどう咀嚼したらいいのか、まったくわからない。もちろん安易な励ましの言葉などかけられるわけもない。だから人は病気になってはいけないのである。病気はその人を遠くへ押しやる、と私は思う。



今回、オフィシャルブログ『KOKORO』で感じた親しみは、小林麻央にしてみればどうでもいい、かえって迷惑なような話である。しかし私はこれでようやく素直な気持で応援できるようになった。ごくごく狭い、限られた人間関係のなかで生きている私にはたいへんありがたいことである。(了)


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