「嵐」の櫻井翔(35)はおもしろみがない。おもしろいところはあるのだけれど扱い方が難しい。たとえばいまどき高学歴芸能人はめずらしくもないからといって、櫻井翔に対して慶應義塾大学卒であることを軽々しくイジれば本気になって怒る感じがある。加山雄三のカツラみたいなものである。雄三のカツラは失礼ながらカツラ自体の滑稽さがあるので救われるが、慶応大学にはそれがないのでツラい。
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申しわけないけれどもたかだか慶應である。エリートの必要条件をクリアはしているけれども必要十分条件にまでは達していない。であるからそこを気やすくイジらせない櫻井翔は、なにをあんなに鼻にかけてんだか、と陰口を叩かれるくらいが関の山である。これが櫻井翔の楽しくさせるチカラの限界。タレントとしての限界である。
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で、慶応大卒を気やすくいじらせないのは櫻井翔自身が「慶応大卒」にいっぱいいっぱいだからである。ふつうの人間が“感極まる”という状態にあるくらい、ほかの感情、客観視する隙間、余裕がない。わかりづらい? うむ。とにかく櫻井翔は慶應卒に感極まっているのである。感極まっているので少し触られると破裂する。
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こういうタイプの子どももまたクラスに1人くらいは必ずいるものだ。なにが虎の尾、慶應卒になるのかわからないけれども、突然激しく怒り出す。しばらく観察してようやく、それは食べものの好き嫌いに関してだとか運動能力についてだとかの想像がつく。彼らは彼らなりのプライドと価値を必死に守っているのである。
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その必死に守る態度が扱いづらさを生む。いいじゃないのー、みんなそれぞれなんだからー、テキトーで、と肩を並べて慰めるのではなく、逆にこちらが遠巻きにしておおめに見てやらなければならない。そう、櫻井翔は頑固で偏屈なヤツなのである。
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あ、出てきた。『女性自身』(2016年12月27日配信)の記事に【嵐のいまがわかる30問30答】というものがある。シリーズで第1回が〈櫻井翔編〉である。
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【1】’16年を振り返って。
「初めてリビングで寝ちゃって。目が覚めてびっくりした」
【2】’17年はどんな年に?
「毎年、前年よりいい年になるといいなと思っています」
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ナメとんのか。相手がジャニーズ事務所と不仲な『女性自身』であるので非協力的なのも無理はないけれどもこれが30問続くのである。
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あ、違う? もうしわけない。正しくはこちら、同じ『女性自身』、少し古くて2015年9月5日配信の記事である。
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【櫻井翔、結婚観語った!「比較的ドライに考えてます(笑)」】
《「ステキだなと思う夫婦像は、仲が悪くない夫婦かな。いつでも手をつないで歩いている夫婦に憧れているわけではないというか。独身の僕が言うのもなんですけど、夫婦の仲がいい必要があるのかわからないから、悪くなければいいんじゃないかと思います」 そう語るのは櫻井翔(33)。いよいよ嵐の最新曲『愛を叫べ』が9月2日に発売。結婚情報誌『ゼクシィ』のCMソングということで、櫻井に結婚観について質問をぶつけ...》(原文ママ)
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邪魔な小芝居をかましたプレイ、おっとまた間違いた(by荒木経惟)無礼を深くお詫び申し上げる。しかしこの取りつく島のなさである。これまた櫻井翔は櫻井翔なりの「慶應卒」以外のプライドと価値を必死に守り続けて、ついにこんなに意固地になってしまったのである。いいもん、ウチに帰ったら友達たくさんいるから、とワケのわからない強情を張る園児みたいなものである。
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それにしてもどうして「ステキだなと思う夫婦像は、仲が悪くない夫婦かな。悪くなければいいんじゃないかと思います」とスッキリと答えられないかな? どうして「いつでも手をつないで歩いている夫婦に憧れているわけではないというか。独身の僕が言うのもなんですけど、夫婦の仲がいい必要があるのかわからないから」という上から目線のヘンな感想を挟むかな? 人気商売なんだからさ。
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こんなふうに人間的なおもしろみのないヤツなので、バラエティの司会をやらせてもつまらない。なのでめざすはジャニーズ前人未到のニュースショーMCという方向性は間違ってはいない。しかしそれでは「嵐」も櫻井翔もタレントとしてはここまでの感じである。
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ジャニー喜多川(85)は自分の後継者として人望のある滝沢(ショート)秀明(34)か、または演出ができる松本(ポイ捨て)潤(33)を思い描いているという話もあるから、「嵐」は案外早く実質的な解体に入っていくのかもしれない。このままずぅーっといまはもう存在しないSMAPと比較され続けていくのも難儀な話でんがな。
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先ほどの櫻井翔の結婚観の記事で気になるのはもうひとつ「夫婦の仲がいい必要があるのかわからないから」というフレーズだろう。ふつうは仲がいいから、いや厳密には仲がよかったから夫婦だと思うのだけれども、櫻井翔のこのいい方だと、夫婦であることにはまた別の目的があると考えているように思える。
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つまり家柄を守るとか公に貢献するとか、なんのことかよくわからぬがそういう個のレベルを超えた存在意義があるということなのであろう。現代日本の若者としては希有な考えの持ち主である。デヴィ夫人(77)なんかは好きだろうなあ、こういうヤツ。
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しかしシモジモの私としてはまったくつまらないのである。面白みがない。櫻井翔のいい方を借りればこういう男が芸能界にいる理由がわからないから、である。本人にもこれからのジャニーズを支え牽引していくという気持は窺えないし、早くどこかで立派な額縁に納まっていただきたいものである。
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だがしかし、そんな気分を知ってか知らずか、ついに櫻井翔が心の扉を開いてみせたのである。
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《熱愛の第一報を伝えた『週刊ポスト』(2月27日発売号)は、櫻井が小川アナ宅のベランダに出てきたときに前アメリカ大統領のオバマ氏のTシャツを着ていたと報じ、後日にベランダに出てきた小川アナが同じTシャツを着用していたと伝えている。ここまで具体的な情報が漏れてしまうのもジャニーズ事務所が交際を容認、それどころか後押ししているからと考えられなくもない。》(「デイリーニュースオンライン」3月7日配信)
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そうかそうか。くだんの『週刊ポスト』は例によって予告速報版しか読んでいなかったのでこの件についてはつい先ほどまで知らなかったのである。そうかそうか。おそろのオバマTシャツか。櫻井翔と有力嫁候補・小川彩佳(32)はオバマ支持者、いやいやTシャツを買うくらだからオバマファンであったのか。そうかそうか、2人は政治的志向も共有できる間柄なのか。ただしインドア着用限定であろうけれども。
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それでも櫻井翔、ようやく我々シモジモ、民草のところまで降りてこられたようである。これまで見てきた櫻井翔の性質からいえばオバマ支持でもトランプ支持でもなく、ロイヤル支持という印象である。たとえそれがイギリスでもニッポンでもベルギーでも、とにかくロイヤルという感じ。それがしかし選んだTはオバマ。ここのところの食い違い、いや歩み寄りに私ははじめて櫻井翔の人間味を見たような気がするのである。たぶんこれが櫻井翔の精いっぱいの若者らしさ、華やぎなのだと思うと深く深く安堵する。いやいや嫌味でなく。
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櫻井翔、イジられることを許さない、しかもジャニーズ事務所所属タレント。であるからしてもっともタブー、NG多き芸能人。とうぜん結婚問題はこれからも複雑な推移をたどることであろう。現にいまもジャニーズ御用達といわれる『女性セブン』がただひたすら2人の結婚をプッシュする記事を書き、ジャニーズとは不仲な『女性自身』は今後3年間は結婚しないという見立てで対抗している。
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しかしこれについてアレコレと推理したり憶測を述べたりすることに私は興味がない。畏れ多くて手が出ない。のではなくて、櫻井翔がすでにそう遠くない将来にジャニーズを離れることはすでに明らかであり、仮にこのまま結婚にゴールインしたとしても「仲がいい必要があるのかわからない」夫婦が誕生したという話なのである。
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もし櫻井翔と小川彩佳が金正男(享年45or46)のTシャツでもおそろでお召しになり、飲み屋でクダを巻いていたというなら少しだけ考えを改めるかもしれないけれども、絶対にそんなことはあり得ない。櫻井翔はおもしろくないヤツなのである。(了)
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