2015年5月11日月曜日

[ポイント別]恋愛の行動講座(3)


【目的】
恋愛に目的などない、ただその人と一緒にいたいだけだ 、とおっしゃるだろう。その通り。しかし一緒にいられるようになったらなったで次の目標ができる。人間は同じ場所にいつまでも立ち止まってはいられない。必ず先を見る。万一、先を見ることがなくなったら、後退するかそこで立ち腐れるしかない。というわけで、次から次に目標、欲望がエスカレートしていくのは当然のことなのである。這えば立て、立てば歩めの親心なのである。となれば、交際をしていくなかで次の目標は生まれてくるものなので、あらかじめ目的などを決める必要はない、とおっしゃるかもしれない。しかし自分はその人との交際において最終的になにを求めているのかを知っておくことは大切だ。つまり、愛情なのか、安心なのか、社会的地位なのか、名誉なのか、金なのか、ということである。愛情や安心を求めるのなら、そのままの自分で接していけばいい。社会的地位や名誉なのであれば、少し背伸びが必要かもしれない。金の場合は手練手管を要する。ただ、愛情や安心を求める以外は「恋愛」とは呼ばない。



【愛情】
愛情である。アガペーは神の無償の愛である。しかし人間は神ではないので、無償の愛とはいかない。さまざまな欲望、思惑も含めての「愛情」である。したがって、私たちの「愛情」は、なにも至上、至高の精神的営みでもない。だから「愛しているから」とか「こんなに愛情があるのに」という言葉は、自分の都合で相手を縛りつけるだけのものである。「こんなに愛しているのになぜわかってくれないのか」「どうして愛情を受け入れてくれないのか」。そんなふうに考えると、もう立派な独りよがりなのだ。あなたの、あるいは私の愛情は理解されず、受け入れられないものなのである。あの人とあなた、あるいは私は別人なのである。そして別人であるからこそ、そのあいだに不思議な引力が生まれるのである。



【相性】
お互い似た環境に生まれ育ち、知りあう前から興味の対象が同じで、将来の夢も近い、となればもちろん相性はいい。ツーといえばカーで相手の気持がわかるし「あ」といえば「うん」で呼吸が合う。こういう人と知り合いたければ、データでわかる内容なので、お見合いとかマッチングサービスなどで広く情報を収集することだ。そしてさらに身近にいる人にも要注意。似た者同士、知らず知らずに同じ場所に寄り集まっているものなのである。たとえば、あなたの会社の同僚たちは、結局あなたに似た人なのだ。認めたくないもしれないが。さて、その一方で、まったく異なる環境に生まれ育ち、興味の対象も正反対で、という、根本的に別のタイプ同士でも、とても仲のよいカップルはいる。私の観察によると、彼らに共通するのは食の好みの一致である。食べものによる結びつきは、ほんとうに意外なほど強い。逆に食の嗜好がバラバラだと、それがもとになって離婚してまうケースさえある。それとあともうひとつ、別のタイプ同士でも仲のよい理由に思いつくのが、性の一致である。とくにうまく役割が割り振られた変態さん同士だと凄いと思う。思うのだが私には語るほどの情報の持ち合わせがない。でも、仲のよさそうなカップルを見て、つい夜が長そう、と思ってしまうことはよくある。



【惰性】
相性→惰性と、惰性で思いついたテーマである。若い時代には、その瞬間、瞬間を精いっぱいに生きたいと思う気持が強いので、惰性など唾棄すべきものでしかない。しかしあるときまでは惰性といわれてもしかたのない状態であっても、ふとした瞬間、突然にその素晴らしさ、かけがえのなさを感じることがある。その人にとっては惰性も結果的によかった、といえるのだが、では惰性でも続けていくべきか、といわれればそうではない。よいとか悪いとかとは別に、そういうことも起こりうるということなのだ。だから、もしそんな瞬間がきて相手を見直したとしても、こちらが見限られてしまっていたなんてことのないよう、誠実であることが大切だ。そして自分が誠実を尽くしても惰性が続くのなら、そのとき考え直せばいい。   (了)




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