2015年5月6日水曜日

利害の不一致


まあ
裏切りというほどの話でもないけれど
昨日までふつうに仲良くしていた人が
急にひどく自分勝手なふるまいをすることがある

たとえば
だいじな連絡をわざと忘れたり
ひとりだけ仲間外れにしたり
人を傷つけるうそをいいふらしたり

ただの面白半分でそんなことをする人はいないので
そこには必ずなにかの理由が潜んでいる
こちらに相手を怒らせてしまうような
落ち度がないのであれば
その理由は向こう側にある

いちばん考えやすいのは
なにかを守りたいからという理由
だから隠し 遠ざけ 事実とは別の
もうひとつの物語をつくろうとする

次に考えられるのは
もっとなにかを得たいから
だから隠し 遠ざけ 事実とは別の
もうひとつの物語をつくろうとする

いつも どんなことでも
そういう企みの理由は人それぞれ
細かく千差万別だけれど
行動に移すときの目配りや企みは
みんな判で押したように同じだ

だからその人の理由がわかれば
あとは別に気にすることなどない
理由がわかったということは
相手を把握したということだから
もうなにも怖くはない

その理由がいまどうなっているのか
ときどき遠くからチェックするだけでいい

相手がそうしなければならなかった理由に
少しの同情や理解もできなければ
すべて忘れてしまうことだ その相手と一緒に    (了)




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