昨日、例によって口も瞼も半開きにしたままボケーッとしていたら、どういうわけか天啓のごとく子どものころからの思い出が次から次と走馬灯のように蘇ってきて、あらあらこれはもしかしてワタクシももう死期が近づいてきたのかもしれない、と思ったわけでございます。
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そういえば外出から帰って居間のソファに腰を下ろしたとたんに亡くなった伯父さんがいたなあ、と。これでもう終りかあ、あんなこともこんなこともしたかったけれどしないままで清らかに死ぬんだ、と。しかしさりとて慌てることもなくたいへん静かで落ち着いた気持で浸っておりました。
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考えてみればワタクシの人生、因果応報、自業自得、あるいは身から出た錆、しごく納得できることばかりで、決して人さまを恨んだりそのために想いを遺したりということはありませんでした。ただひとつのことを除けば。
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ただひとつのこと、我が生涯唯一の無念。それは教師に恵まれなかったことです。よーく考えたら他に出てくるかもしれませんけれども。とにかくとくに義務教育期間中は、こちらがどう思おうとなにを感じていようと有無をいわさず一方的に押し付けられてくる教師をいただかなければならないというのはたいへんな苦痛でした。理不尽。小中学校の教師というのは教室という密室の独裁者ですから。
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正直に告白すれば、ワタクシにも心の師といえる存在がほしかった、と切に思いますね。しかしいい加減こまっしゃくれたガキにそれはないものねだりというものであったのでございましょう（by秋篠宮紀子の実父）。
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ふつうに考えて、ですよ。良心的で一生懸命な教師に受け持ってもらってもバカで怠け者の教師に受け持たれても授業料は同じ。おかしくないですか? 世のなかにそんな鷹揚なサービス他にはありません。アウトレットみたいなヤツは半額にするとかしてもらわないと。
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あと教師にもチェンジシステムは必要だとワタクシは思いますね。教室に入ったらまず最初に生徒に「いいですか?」とていねいに確認してOKがもらえたら「これから授業に入りまーす」とスマホで報告する。
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小学校の副担任制度や教科担任制度はいまどの程度まで拡がっているのでしょう? まあすべてに導入されたとしても自己保身に長けた教師たちのこと、だぶんお互いに庇い合ったりグルになっちゃったりするんだろうなあ、とは思いますけど。
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かなり以前に学生が大学の授業を採点する制度が紹介されていましたけれども、あれもどうなっているのでしょう? もちろん小学生に評価させるのは難しいとしても、なにがしか「授業の成果」（not試験でわかるトータルな学習の成果）と「教室運営の実際」くらいは親に対してオープンにする工夫をするべきでしょう。
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それがまったく隠されてしまっているから、親は「子どもを人質にとられている」という感覚になるのです。これ、とてもまともなことではないでしょ?
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たとえばですよ、IT社会でございますから教室内のようすを親のスマホ向けに配信するなどはとても簡単なことのように思えますけれどねえ。病欠の子も利用できるし。
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と、考えて、教育はAIに任せる、でいいのではないか、と気付きました。ただいま教員のみなさまはさまさざまな作業に追われて尋常でなくお忙しく、青息吐息というお話をよく耳にします。
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で、あるのならAIに任せてしまってはいかがでしょうか? 教科の座学はすぐにも実現できそうですし、ワタクシ逆に生活指導だとか学級運営だとかもAIのほうが上手くやるような気がしております。
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人間教育、人格教育はどうするのか? なにをおっしゃいますやら、ワタクシはいまの教師たちに、おっと、ワタクシがこれまで接してきたような教師たちにそれはやってほしくありません。マニュアル通りに展開されるのでしょうけど、そこのところはワタクシの体験した教師たち、それから文部科学省にはさわっていただきたくありません。
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たとえば教師自身の行動や思索がともなわない独善的な説教を聞かされるより、ひとつのテーマについてAIとじっくり対話したほうがよほど有益で楽しい時間になるとワタクシは想像します。文字通り反面教師にしかならないのなら、教師とは極力接触しないほうがいいではありませんか。人間観察はクラスメイト同士、そこらのオトナ相手で十分です。
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そうなんですよ。たぶん教科学習よりも人間教育といわれるもののほうがAIに向いているでしょう。そのためにはもっともっとAIも進化しなければなりませんけれども、これが置き換えられればいまの工場のようなスタイルの学校はなくなります。だってそれが学校の唯一の存在理由みたいなものでしょ?
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でもって教師のみなさまには周辺作業、AIのお手伝いや部活の世話などをしていただくということでよろしいのではないでしょうか? ホームルームはやらなくていいです。いやいやこれも考えようで、教師としては私はAIを駆使して授業をやっとる、と思い込めばいいのです。
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ねえ、とにかく教育の現場、とくに義務教育の現場は現代に遺された数少ない暗黒地帯のひとつだと思いませんか? それは暗黒のほうが都合のいい方々がいらっしゃるのでそうなっているのかもしれません。ここに光をあてない限り、日本人の劣化は避けられないような気がします。
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子どものころはそれとは気付かずずっと心の隅に引っかかっていたイヤな記憶が、実は教師の嫌がらせだったとオトナになってから気付いたときの口惜しさといったらあーた、そりゃもうたいへんなものでございますよ（by大泉洋）。ワタクシは特別に荒れても反抗的でもなかったのですけれどねえ。
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時は経ち日は巡り、知り合いの何人かは教師になりました。そのうちのひとりが「中学生は可愛いぞー、男子は別に……だけど、女子生徒はすごく可愛いぞー。ただし１年生までな」というのを聞いてなぜかすごく心がなごんだことがあります。素直が一番なのよ。（了）
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