2019年1月10日木曜日

「生理的にムリ(or ダメ)」としかいえない弱者の哀しみ



夫あるいは妻、はたまた恋人と一緒にいることがある日突然、“生理的”に耐えられなくなるというのはよく分かる、たとえばそれまでは平気で食べていたバナナが急に食べられなくなったりするのと同じでしょ、といったら「いくらなんでも……、あまりにナマナマし過ぎる!!」と叱られた。考え過ぎだ。



それより、あることがきっかけで酢の物が食べられなくなった、というほうがなんとなくナマナマしくはないだろうか? 酸っぱいもの、しかし酸味が強いもの、でも果物でもなく酢の物。具体的になにがどうということではないけれどもワタクシとしてはたいへんナマナマしい感じがする。



小説家の井上ひさし(享年75)が「セイコー社の時計が○時をお知らせします」というテレビかラジオかの時報を聞くと興奮した、というのと同じようなものだ。



まあ、つまり男と女である以上、「生理的」といわれればそんなことを連想してもあたりまえだといいたいわけである。もちろんとうぜん男にも「生理的に不可」はあり得る。それをムリヤリにふつうではないといい出して、結局なにをいっているのかわからなくなった記事がこちら(↓)。



あ、もしかして書いているのは女か? と思ったら「亀山早苗」の署名入りであった、たぶん女であろう。





◆『All About』2019年1月7日配信
【妻のことを「生理的に…」と言い出す男たち】

《 ■ 男性も「生理的にイヤ」になることがある!?

「もうダメ、彼のことを生理的に受けつけなくなったの」というのは、女性が男性と別れるときの最後の切り札だった。だが最近は、男性からもそんな話を聞くことが増えた。

■ 男は理屈で決断する……とは限らなくなった!?

「生理的にイヤになった」はかつて女性の専売特許だった。そう言われると男性は為す術がない。「どうして理屈でわかるように言ってくれないのか」と男たちは嘆いていたものだ。

ところが先日、「最近、離婚したばかり」という男性に会った。その理由を聞くと、「うーん、特に大きなケンカがあったわけではないんですが、なんとなく生理的に受けつけなくなって」という答え。これは女性のセリフではなかったのか、と驚いた。その後も、別の男性から同じような話を聞き、今は男性たちもこの言葉を使うのかと思い至っている。

3カ月前から家を出て別居しているシンゴさん(42歳)はこう言う。

「意見や価値観が違うのは当然だと思うんですよ。だけど妻はその溝を埋めようと努力してくれなかった。こちらの意見も認めてくれなかった。そういう妻を見ていると、このまま一緒に生活していく気力が失せたんです。家庭は彼女が好きにやってくれればいいとしばらくは放置していたんですが、そのうち、妻の顔を見ると具合が悪くなるようになって。もう生理的に無理だという結論に至りました」

■ 妻は離婚に応じてくれない

結婚して12年、11歳のひとり娘もいるシンゴさんだが、疲れ果てて家を出た。娘とはときどき連絡をとっている。

「僕は離婚を見据えた別居だと考えていますが、妻は離婚する気はない、と。ただ、妻の顔を見なくなってから心身の不調はかなりおさまりました。本当は娘を引き取って離婚したいのですが、それは妻が許さないでしょうね。本当は話し合えればいいのですが、妻は自分の主張が通らないとだんまりを決め込んでしまう。今、どうしたらいいかわからないのが正直なところです」

娘には会いたいが、妻は会わせてくれない。今は携帯電話で娘と連絡がとれているが、妻は娘に自分の悪口を吹き込んでいるようだから、いずれ娘も感化される可能性が高い。シンゴさんは危機感を募らせる。

「それでももう妻とはやっていけないという気持ちが強いですね。彼女が悪いというわけではなく、相性がよくなかったんでしょう」

決定的なケンカや大きなできごとがあったわけではなくても、「この人から離れたい」という気持ちが生まれるのは、男女問わずあり得ることなのだ。今まで男性は、「そういう理不尽なことを言ってはいけないもの」と思い込んできたのかもしれない。

「たいした理由もなく、男が家庭を捨てるのは無責任だという常識がありますからね。僕自身も、そのあたりではつらい思いをしています」

男はこういうもの、という"常識"に男たちも苦しめられているのかもしれない。》





男が「生理的に……」といい出してはいけないのであろうか? なあ(by中岡創一)。ここで亀山早苗が提示している「意見や価値観が違う溝を埋めようと努力してくれず、こちらの意見も認めてくれなかった妻」と夫「シンゴ」の場合は、「生理的に……」ダメ、というお話ではない。



お2人は最初からミスマッチだったのである。それを約10年間も一方的に辛抱させられたけれども、これから先もこうして忍耐をし続けていかなければならないのかと考えると辛すぎる、という「過去の清算」の問題であろう。



その理由を仮に「シンゴ」本人がほんとうに「生理的に……」とクチにしたのだとすれば、それは、じゃあこの十年は何だったのだ、いまさら時計は巻き戻せない、子どもだっているのに、と予想される反論の数々から予め逃げを打っているのである。そこでまたバトルする気力がない。



本心は「いまのいままで我慢してきたけど、もうテメーなんかにはウンザリなんだようー。顔を見るだけで具合が悪くなるんだようー。バカア」と大声で罵倒したい亀山モデルの「シンゴ」さんなのである。



それがどうしてこんな「男もすなる『生理的に……』」な記事になってしまったのであろう? おわかりですね。実は女のいう「生理的に……」というものも、ほとんどその内実は亀山モデルと同じだからである。たぶん。



つくづく愛想も精も根も尽き果ててもう話しもしたくないし顔も見たくない夫に対して、時間をかけて自分の胸のうちをつまびらかにするのはたいへん気が重い作業である、だいたいつまびらかに語ったところできっと夫は理解できないだろう、だから「生理的に……」で片付けようとするのだ。



であるから記事のタイトル「妻のことを『生理的に…』と言い出す男たち」をきちんと受けようとすれば、それは妻と夫の関係の変化の話になるはずだ。妻に押さえ込まれている夫が増えている、とかなんとか。



「生理的に……」は別れたい相手への弱者からの最終宣告である。取りつく島など、またヤイのヤイのいわれるスキなど、少しでもあっては困るからと開発された貧者の核なのだ。



これから亀山モデルの「シンゴ」はどうなるか? 妻と娘の2人から徐々に激しく嫌われバカにされながらも婚姻関係を維持し、その生活を支えていくしかないだろう。たぶん離婚調停に妻側は出てこないだろうし、裁判になってもこれだけのお話だと離婚要件としては弱い。少なくともあと9年、娘が20歳になるまでは耐え忍ばなければならない。



そう。そうしてこの残酷な物語を書き、また書かせたのは女なのだ。「シンゴ」と同じ立場の女たちはきっとずいぶん多い。夫が定年に達して退職金の半分を受け取れるようになるまで、あるいは年金が受給できるようになるまで、さらには夫が死ぬまで、と歯を食いしばっているようすが目に浮かぶ。



そうした女の苦境、そのうえで「生理的に……」としかいえない女の憤懣がこの記事を書かせたのである。と、ワタクシは思う。「男が『生理的に……』などというのは百万年早いわ!!」という声が聞こえるようである。



亀山モデルの「シンゴ」は、だから冷たいようだが割り切って慎ましく単身生活を楽しむしかない。(了)



P.S.
今回から原稿を書いている最中に思いついたり見つけたり気になったりしたことを最後に載せることにした。しかし備忘録代わりなので必ず書き残すとも限らず、面白くないものも混じるはず。そのあたりは適当なのでご寛恕よろしく。


 † 木村拓哉(46)の顔が「間違いない!!」の長井秀和(49)に似てきた

 †† 吉田沙保里(36)引退→参院選出馬→バカの桜田義孝(69)に代わって五輪担当大臣(『TOCANA』)。なるほどね

 ††† 民間航空のパイロットやCAは酒でも飲まなきゃやってらんない仕事なのか?

 †††† 前日の夕方に缶チュー3本でアウトとは厳しすぎるのか酒に弱すぎるのかウソつきなのか?




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