連詩「4月」
天真爛漫に振る舞うことを
許されなくなってから
声の裏に張り付いている
表情ばかりを探っている
*
あの人だきっと
それは屍の味だと
教えてくれた人
海の辛さに驚く僕に
*
世間の誰しもが
自分より大人に見える
下っ端の根性
嘯くあなた
*
微笑みを絶やさず
穏やかに席を立つ
証拠を奪い返した
犯罪者のごとく
*
明日だと決めたその夜
抱きたくてたまらなくなった
「死ぬ気で頑張れ」という
矛盾は解決した
*
きみの手首は柔らかい
両手で握って
祈るしかできない
*
孤独だと呟いて
思い浮かべる裏切り者の顔
だから、まだまだ大丈夫さ
0 件のコメント:
コメントを投稿