2015年4月1日水曜日

連詩「4月」


天真爛漫に振る舞うことを
許されなくなってから
声の裏に張り付いている
表情ばかりを探っている



あの人だきっと
それは屍の味だと
教えてくれた人
海の辛さに驚く僕に



世間の誰しもが
自分より大人に見える
下っ端の根性
嘯くあなた



微笑みを絶やさず
穏やかに席を立つ
証拠を奪い返した
犯罪者のごとく



明日だと決めたその夜
抱きたくてたまらなくなった
「死ぬ気で頑張れ」という
矛盾は解決した



きみの手首は柔らかい
両手で握って
祈るしかできない



孤独だと呟いて
思い浮かべる裏切り者の顔
だから、まだまだ大丈夫さ





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