自分らしいということ
悲しくて悲しくて
悲しすぎて泣けもしなくて 涙も出なくて
身の置きどころがなくて
ただ呆然とするだけだったのに
いまは冗談もいえるし
大声で笑える
こんなのは少し困る
生きる意味がわからなくて
誰も彼もが嘘をついて
誤魔化しているようで
家を飛び出し
一人になったはずなのに
いまは友だちもいるし 親とも話す
生きる意味はまだわからない
こんなのは少し困る
子どものころに憧れていたのは
悪い人を捕まえるおまわりさんで
その次には動物園の飼育係で
その次には学校の先生になりたかった
でも そのどれにもならなかった
夢が百パーセント叶ったことなど
一度もない
だけどなんだか頑張れていると思う
こんなのは少し困る
自分は案外強いのかな とか
反対にちょっといい加減なのかな とか
考えてみるけれど
いつも精いっぱいだったことは確かだから
そういうことではないと思う
いったいどの自分が本当の自分なのか
わからなくて 困る
ただこうして生きてきたつながりがあるから
いま自分はここにいる
そのことに感謝したい
そして
どんなに苦しくて辛くて悲しくても
必ずまた笑える日が来ることを
伝えたい (了)
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