《39歳という年齢で、突如グラビア界に現われた岩本和子(43)。本誌・週刊ポストにもこの1年間で9回も登場した。彼女が登場するたび、再掲載を望む読者から多数のハガキが寄せられる。和子さん、あなたは一体、何者なんですか──。その疑問に、本人が答えた。》
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こういう書き出しではじまる『週刊ポスト』2019年3月19日配信【奇跡の43歳・岩本和子 「あなたは何者?」にすべて答えた】は、高齢者マーケティングに乗っかったもののちょっとおトボケ風味のゴリ押し記事だ。このご時勢、「あなたは一体、何者なんですか」と問いかけざるを得ないほど素性の知れないモデルをグラビアに起用するわけがないでしょ。
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『週刊ポスト』の中心読者層は50代〜60代の男とお見受けする。いや、わざわざ62円も払って再掲載を望むハガキを送りつけてくるのだから、岩本和子(43)のグラビアに反応しているのはもっと上、70代だろう。団塊の世代である。
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団塊の世代はその圧倒的なボリュームでもってそのときどきに新しいマーケット、消費者像をつくりだしてきた。たとえばニューファミリーとか。なのでそろそろジジイ向けアイドルみたいなものが出てきてもいいころだ、とここしばらく思っていた。お待ちどうさま、とそこを狙ってきたのが岩本和子なわけだ。
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男はいくつになっても若い女が好き、とはいっても、どこを見てもウジャウジャと湧き立つ触覚ヘアの小娘アイドルばかりではいい加減ゲンナリもする。小娘アイドルに鼻白んでしまうことはすなわちさらにもう一段オジジの階段を上ったことを意味するのだろう、などと考えるとなんとなく寂しく思いはするけれども、いまさら若ぶったってなんになる? という境地に、ついに団塊の世代も達したのだ。
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すると恋しくなるのは、若いころお世話になった「成人誌」のグラビアだ。たぶん。それにごくわずか現代風のアレンジを施したのが岩本和子なのだな。つまり岩本和子、禁断のグラビア介護士である。実際、何点か拝見したお写真のまったりテイストは強い昭和の香りだった。
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その岩本和子が「あなたは何者?」にすべて答えた記事はこう続いている。
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《岩本和子は本名です。鳥取県で生まれ、会社を営む母の実家で両親と弟の4人暮らしでした。母は教育ママで気位が高い人でしたが、父は12歳の時に家を出て行ってしまったので、思い出はあまりありません。
小学校に入学してからも1人でいることが多かった。そのせいか、赤川次郎やアガサ・クリスティなど小説を読んでは「人生そのものが物語だったらいいのに」と現実逃避をしていました。
読書と妄想に耽る日々の中、自分でも小説を書くようになりました。実は小5の時に28歳だと嘘をついて新人賞に応募し、準グランプリをいただいたことも。小説のタイトルは忘れたけど官能小説でしたね。なぜ官能小説を書いたのかというと、この頃の私はいやらしいことへの興味が強く、早熟でした。
中学に進学すると男子からのいじめを受けるようになりました。学校には行かない生活でしたが、中3になって猛勉強し、県下一の進学校へ入学。そして高2で初恋を迎えました。
相手は当時58歳の生物の先生。白髪のおじ様でしたが、優しい口調と穏やかな表情に癒され、“男は私をいじめる敵”と思っていた私の凍った心を溶かしてくれました。でも、この時は私の一方的な片思いで進展せず。その後、39歳の塾の先生にも思いを寄せたりと、同学年の男性には興味がなかったですね。
大学に入学すると1歳上の彼氏ができましたが、私の妄想を超えず“こんなものか”とショックでした。卒業後はIT企業で仕事の楽しさに開眼。その年齢にしては稼いでいたものの、心は満たされませんでした。“何か違う”、そんな気持ちでした。社会で何者かになって地位を築きたいと思いながらも築けず、転職を繰り返しました。その頃は男性にも興味が湧かず、化粧っ気のない地味な女でしたね。
ですが35歳で出会った14歳年下の外国人男性に恋をして、一気に目覚めました。エステやネイルに通うようになり、月並みな表現ですが、“女に生まれて良かった”と思えた。でも彼が祖国に帰ることになり、恋も終わってしまった。立ち直るのには時間がかかりました。
誰かにかまってほしくてSNSで自撮り画像を投稿するようになったのが今の私の原点であり、当時の生きる糧でした。生きる意味を見出せなかった私も、グラビアを始めてからは、男性から“和ちゃんキレイ”と褒めていただける喜びを知りました。最近は心の乾きが潤っていくような充実感があります。今後、私を求めてくれる人がいる限り、和子の道を貫いていけたらと思っています。》
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スンゲーなー。これ、禁断のグラビア介護士、完璧な仕事ぶりだわ。まずモノローグ、独白形式であること。いまはまったく流行らないけど活字にエロを求めていた時代の常套手段のひとつ。それで語るのは男と女のあれこれにだけ回路が開かれている半生、「あなたは一体、何者なんですか」と問われればほかにもいろいろ答えようはあると思うけれども目線はつねに殿方へ。クラブのママでもここまでじっとりはこないでしょ。
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でもって最後の締めくくりは殺すよ。完全に。《生きる意味を見出せなかった私も、グラビアを始めてからは、男性から“和ちゃんキレイ”と褒めていただける喜びを知りました。最近は心の乾きが潤っていくような充実感があります。今後、私を求めてくれる人がいる限り、和子の道を貫いていけたらと思っています。》だよ。いいかえれば、三つ指ついて、あなたのために頑張ります、それが和子のしあわせなの、だよ。
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ここまでベタにやり切るにはとうぜん誰かがどこかでプロデュースしているのである。これほどたいへん戦略的に練られた記事が出てくるのだから、とうぜん『週刊ポスト』=小学館もグル。和子でひと儲けを企んでいる。
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岩本和子側から見ると、所属事務所「ゴールドスター」は所属タレントとモデル合わせて全員で10名ほど。大スターもいない弱小である。であるから、どこからどうやってチャンスを掴んだのだろうというゲスの勘繰りも発動される。
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肝心の岩本和子の資質はというと、申しわけないけれども、私はどこがいいのかわからない。鼻筋にはプロテーゼが入っているし、アゴもたぶんいじっている。それほどグラマラスでもない。でもって昭和の「成人雑誌」感がいっぱいだ。これが団塊の世代の限界というか、きっと地金なのね。
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そして不思議なことにこの記事の最末尾に「岩本和子ヒストリー」なるものが添付されているのだ。記事を箇条書き年表に整理したようなものだけれども、いったいなんのため? 私には架空の人物をなんとか現実に固定しようと試みているふうにしか見えないのだが。ゲームのキャラ設定みたいな感じで。
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【生誕から振り返る「岩本和子ヒストリー」】
1976年:2月1日、鳥取県鳥取市で生まれる
1979年:ピアノとバレエを始める(3歳)
1982年:小学校に入学するも、すぐに転校。友達ができず、漫画や小説を書いて応募するなど1人の時間を過ごす(8~10歳)
1988年:家庭教師と猛勉強し、中学受験で志望校に合格(12歳)
1989年:男子にいじめられ不登校に。毎日ファストフード店に通い店長と喋る(13歳)
1991年:中学卒業間際、自分をいじめていた男子5人グループのうち4人から告白されて怒りを覚える(15歳)猛勉強し、県下一の進学校に入学。「神経質」というあだ名を付けられる(16歳)
1992年:58歳の生物の先生に初恋。当時の夢は「生物学者」。同学年の男に一切興味がなかった。その後、通っていた塾の39歳の先生と恋仲になるも発展せず(17歳)
1994年:東京と同じような場所だと思って金沢八景にある横浜市立大学に入学(18歳)。上京すると、鳥取と同じくらい田舎で仰天。大学生活が思わしくなく、また引きこもりに
1996年:4年生の時にほぼ毎日学校に通い、奇跡的に留年せず卒業(22歳)
1998年:適当に受けて内定したIT系ベンチャー企業で働き始める(22~24歳)
2001年:仕事は順調だったが、社長がストーカー化したので退社。そこから転職を繰り返す日々(24~35歳)
2011年:彼氏も友達もいない生活に、突然変化が起きる。14歳年下の外国人と恋愛し人生で初めて美に目覚める(36歳)
2012年:彼氏を喜ばせようと「国民的美魔女コンテスト」に応募、ファイナリストに選出(36歳)
2013年:彼氏と別れ落ち込み、エステティシャンの学校に通い始める(37歳)
2015年:エステティシャンをしながらパーティー通いをするも再び引きこもりに。脱却を目指して携帯で自撮りDVDを制作。その後、まさかのグラビアデビュー。しかし、なんの反響も無かった(39歳)
2016年:これと言って何もすることがないまま四十路を迎える(40歳)
2017年:母が「そんなにすることがないなら鳥取で洋服屋でもやりなさい」と地元にブティックをオープンするが1か月でクローズ(41歳)
2018年:中途半端な自分が許せず、ヘアヌード写真集を出すことを決意(42歳)
2019年:あれよあれよという間に、映画出演や2冊目の写真集が決定(43歳) 》
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和子ちゃんて小さなときからずっとどこか特別な子だったんだねー、なんてオジジいっちゃいそう。ゴリ押しスタッフなかなか頑張っておる。やっていることの魂胆は全部バレているけれども。
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岩本和子、新元号発表の日に、あまりにもなまなましいジジ殺し、そしてあまりにも昭和なできあがりじゃないか。(了)
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