『ビジネスジャーナル (Business Journal)』が、グッジョブ! です。芸能マスコミ報道の裏側をちゃっかりと覗かせてくれています。この、仲間内からひとり抜け駆けをしようとするスタンス、素晴らしいです。今回の記事は能年玲奈とサンミュージックについてですが、具体的に述べる前に『ビジネスジャーナル』とはなにか? ちょっと見ておきましょう。
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Wikipediaによりますと、『ビジネスジャーナル』とは、『サイゾー』の運営する経済系ニュースサイトです。『サイゾー』とは、株式会社サイゾーから出版されているスキャンダラス&リベラルな月刊紙で、オーナーは、あの苫米地英人(56)です。書店での雑誌売上を軸に運営しているそうです。公称発行部数は15万部。
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で、「あの苫米地英人」は事務所にギターを並べ、演奏曲は「Smoke on the Water」1択のハードロック・ギタリストであり、オウム事件の際に活躍した認知科学者であり、コンピュータ関連の特許を4つ取得している科学者であり、「公益社団法人自由報道協会」会長であり、とたいへんマルチな人のようです。
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そんな『サイゾー』には、『ビジネスジャーナル』のほかに、『サイゾーpremium』(有料)、『日刊サイゾー』、『サイゾーウーマン』、『メンズサイゾー』、『TOCANA』、『LITERA』、『おたぽる』があります。全部で8本です。なんというのか、ゲリラ的な展開がお好きなのでしょうね。
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ちなみに「LITERA」は、伝説の雑誌、『噂の眞相』のデスクであった神林広恵(49)と元副編集長であった川端幹人(57)が立ち上げた、『株式会社ロストニュース』と共同で2014年7月にスタートしています。
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ということで、『ビジネスジャーナル』は経済系ニュースサイトですから、芸能ネタもいちおう経済の視点から扱いますよ、ということですね。いわゆる飛ばし記事も多くて、これまでにいくつもトラブルを起こしてきた『サイゾー』グループですけれども、それだけ、芸能事務所や大手メディアに絡めとられていないということはいえるでしょう。
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2014年には、『サイゾーウーマン』が、叶姉妹はふだんはジャージ姿でいると書いて抗議を受け、謝罪しています。ここにたどり着くまですったもんだがあったのだとは思いますが、叶姉妹、いったいなにをやっているのでしょう。いや、ちょっと目についたので書いておいただけです。
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さて、経済系ニュースサイト『ビジネスジャーナル』のグッジョブ! のひとつめは能年玲奈(22)の独立問題です。“じぇじぇじぇ”の天野アキがもう22歳です。で、“じぇじぇじぇ”の直後からずーっと所属事務所の「レプロエンタテインメント」と揉め続けているわけです。 じぇじぇじぇ。
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「レプロエンタテインメント」はバーニングプロダクション系列の大手芸能事務所で、その由来に恥じず、マスコミ操作にたいへん積極的です。で、能年玲奈側とのいきがかりが緊張した局面で必ず出てくるのが、“能年玲奈引退か?”みたいなネガティブな記事です。
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そのあたりのところを、『ビジネスジャーナル』は2016年5月31日配信の記事で詳しく伝えています。タイトルは『「引退危機報道」は所属事務所からの能年玲奈への最後通告か? 意外な復活の可能性も浮上!!』。全体ではかなりのボリュームなので、ここでは、レプロエンタテインメント以外のある芸能プロダクション幹部の発言部分を抜粋しておきます。
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「そもそも契約期間といった事務所とタレントとの細かい契約内容が表沙汰になること自体あり得ないことで、関係者からメディアへ情報がリークされた可能性が高いですよね。女性誌の多くは、発行元の出版社がファッション誌を抱えている関係もあり、大手芸能プロとは持ちつ持たれつの関係を築いているケースが多い。実際に懇意の芸能プロからライバル事務所のタレントのスキャンダルをリークしてもらうケースも見受けられます。“事実上芸能界引退へ”という見出しに関しても、所属事務所との契約が切れるだけなのにちょっと大げさかなと(笑)」
「何だかんだ言いながら、この業界は“義理と人情”の世界ですからね。いくら才能があると言ったって、はじめはみんな商品価値のない素人で、いくらダイヤの原石だと言っても、磨かなければ単なる石ころなわけです。ウチらは売り物になるか分からない、そうした石ころをリスクを背負ってお金や手間暇をかけて磨き、売り込み、商品にするわけです。自分に商品価値ができたからといって、すぐに独立するなんて、あまりに義理に欠けていますよね。ある程度、ベテランになってからだって『まだ恩返しが足りない』と言われるのに、ましてブレークから数年足らずで独立なんてあまりにも虫がよすぎますよ。強引に独立したタレントが業界全体から干され気味になるのは、古巣の事務所による“圧力”だけでなく、こうした業界全体の空気があるからです」
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「“事実上芸能界引退へ”という見出しに関しても、所属事務所との契約が切れるだけなのにちょっと大げさかなと(笑)」というところは、レプロ、同業者にまで笑われているのか、情けない、という感じでこちらも笑います。
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しかし、この「ある芸能プロダクション幹部」がいう、“義理と人情”はいささかきれいごと&手前味噌でしょう。石ころを拾って金をかけて磨き、売れるようになったらすぐに独立というのでは“義理”に欠ける、というのはわかります。しかしそうすると今度は、仕事がしずらいように圧力をかけたり干したりというのでは、“人情”はどこにあるのでしょう?
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結局は金の問題です。能年玲奈の場合は“売れるようになったらすぐ”が、あまりに“すぐ”だったのです。レプロにしてみれば、これからようやく投下した金を回収できるという段階でしたから。
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NHKの朝ドラのギャラ、というかNHKドラマのギャラは、新人の場合、一律30分5万円からスタートします。朝ドラは15分なので1本2万5000円。×6で1週間15万円、さらに×4で月間60万円です。ヒロインの場合、これで朝から深夜まで10〜11ヵ月間拘束されます(『週刊FLASH』2015年9月15日号)。
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とても割が合わないのですが、NHK朝ドラのヒロインを演じると、その後のギャラが数倍に跳ね上がるといわれています。能年玲奈は、その、いよいよ!! のところでモメてしまったので、レプロも熱くなるわけです。
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まあ、レプロには、育ててやって売れたらすぐに独立ではプロダクションはやっていけない、というスジがあり、能年玲奈側にはそれ以前からの待遇面での不満があり、というわけです。で、なんだかんだいっても、契約が切れてしまえば能年玲奈に直接手出しはできなくなるわけで、レプロエンタテイメントは焦っていることでしょう。
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おっと、そうそう『ビジネスジャーナル』のグッジョブ!! とはなにか? ですね。それは、どこの誰だかわかりませんけれども、とにかく、ある「芸能プロダクション幹部」を捕まえて直接話を聞いているらしいことです。もう、それだけでブラボー!! 芸能マスコミってそんなものです。
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次はベッキーです。記事のタイトルは『ベッキー所属のサンミュージックが危機的状況…嘘と稚拙対応で信用失墜が深刻化』(2016年5月31日配信)。さすが『サイゾー』の運営する経済系ニュースサイトです。
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しかし記事の中身は、信用が失墜してしまったサンミュージックがなんとか“同情票”を集めようと、所属タレントを集めて自虐ネタ大会を開いた、というお話です。完全に芸能ネタです。『ビジネスジャーナル』もサンミュージックも、おもしろすぎます。
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記事によりますと、自虐ネタ大会の会場は、5月25日、都内で行われた映画『サウスポー』(6月3日公開)のPRイベントだそうです。集結したのは「 メイプル超合金をメインに、先輩の“一発屋芸人”である髭男爵、テル、ゴー★ジャスらサンミュージック所属芸人」。これだけで十分自虐みたいなものです。
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でもって、「自身のどん底のとき」を問われた髭男爵の山田ルイ53世が「事務所が今、どん底。明るいサンミュージックです」と答えたりしたわけです。この日のようすを記事から抜粋してみましょう。
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『「この日は出演タレントの話題性の割にはスチール30台、テレビクルー15台と報道陣が大挙しましたが、もちろんお目当てはピンチに陥っているベッキーとサンミュージックの台所事情でした。イベント開始前に関係者が『まずは映画の話を聞いてください。肝心なことは最後に……』と報道陣をやんわり牽制し、イベント後の囲み取材でも関係者が同じ内容のアナウンスを繰り返していました。しかし、あくまで建前的で、明らかにサンミュージックの話を所属芸人たちに語らせる気満々の様子でしたね」(テレビ局関係者)』
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つまり、芸人たちにサンミュージックについて喋らせますから、という事前のアナウンスがあったわけですね。あーしょーもない。しかしこれ、“同情票”を集めるにしてもベッキーを押し立てるのではなく、ベッキーをネタにその他大勢の芸人にふったというのは、もう徐々にベッキー離れを画策している、と考えてよろしいのでしょうか? そしてこれをそのまま報道しているのはいまのところ『ビジネスジャーナル』だけではないでしょうか? というわけで、BJ、GJ!!
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しかし相澤正久社長はその一方で、まだしつこくマスコミ操作を続けています。ベッキーのイメージ回復をめざして。なかでもお得意の『スポニチアネックス』の5月31日発信分には『ベッキー 収録予定だった2本のレギュラー番組が立ち消えに』という、タイトルの記者コラムが掲載されています。さすがにもう本文は気が退けたのでしょうね『スポニチアネックス』も。コラムです。
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で、なにが書かれているかというと『騒動がこれ以上泥沼化したり、新展開を迎えるということはないだろう。』『誠意ある電話に元夫人もこれ以上ない誠意で返し、「終焉宣言」をつづった手紙をベッキーの事務所に送り、マスコミに発表してもらったのだ。』『レギュラー番組の関係者も「一番の被害者が収束を発表したことで、番組復帰に向けてスポンサーの理解を得られそうだ」と、ベッキーの本格復帰が前進していることを明かす。』
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という感じです。“「終焉宣言」をつづった”のは元夫人ではなくて元夫人の担当弁護士ですし、“スポンサーの理解を得られそうだ”もあまりに希望的観測です。5月末のテレビ各局の定例会見における、どこもこぞって一様な「予定なし」発言がそれを物語っています。
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しかも、肝心の記事タイトルを受けている部分では、以下のような作り話までしてしまっています。ここで書かれている通り、ベッキー側の都合で番組に参加しなかったのなら、それを発表しないワケがありません。
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『さらに実は、今月下旬、2本のレギュラー番組の収録に参加して本格復帰する予定だったが、ともに立ち消えとなった。ただ、これはベッキー側の都合といい、関係者は「金スマでの復帰で他番組への配慮を欠いた以上、同じ轍を踏まないとの思いから慎重に慎重を期しているようだ」と話している。』。話しているのは「関係者」です。
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レプロエンタテインメントとサンミュージックとでは、やっていること自体にそう違いはありません。違うのはサンミュージック関連の記事の書き方がたいへん粗っぽくて雑なことです。すぐに尻尾をつかまれるような内容を平気で書き飛ばしています。
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たぶん記者の資質というよりもサンミュージックの指示の出しかたが粗いのでしょう。これが、というか、もうこうなってくると、なんとなく昭和の香りがして、好きになってしまいそうです。で、このコラムの最後の締めくくりが以下の一文です。
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『一連の騒動で何事にも拙速・性急なイメージが強かったベッキー側だが、騒動が落ち着いてようやく礼儀や恩義を重んじる本来のスタイルに戻ってきている。』
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うむ。しめくくりにアタマを悩ませることはよくあります。しめくくりなので、これまでに書いてきた内容の上に立って、なにがしか結論めいたものか印象的なものか、を書かなければなりません。
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そうすると、今回のような半分デッチ上げの記事の場合、たいへんマズいことに、しめくくりにきてさらに、自然とそのデッチ上げ度が高まってしまうのです。「礼儀や恩義を重んじる本来のスタイル」って、これだけリーク情報を垂れ流しておいてなにをいっているのでしょうか? いい加減にしてください。もう小言や文句なんかいいたくありません。ほんとうです。(了)
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