『水曜日のダウンタウン』(TBS)での、「クロちゃん、どこかに閉じ込められてもTwitterさえあれば助けてもらえる説」が大失敗だった説、です。企画がスタートしたのは5月31日17時で、明けて6月1日の未明(0時47分)に、突如として中止が発表されました。
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「開始以来数多くの誤情報により、関係のない一般の方にご迷惑をおかけする事態が発生しております。この状況を重く受け止め、この時点をもって企画を中止・終了させて頂きます」「ご迷惑をおかけした皆様、並びに企画にご参加頂いた方々に深くお詫び申し上げます」(TBS)
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なにがあったのかTBSは黙して語らずですけれども、クロちゃん(39、安田大サーカス)が閉じ込められていると目星を付けられた神奈川県厚木市内の駅前マンション周辺に20時ごろから人が集まりはじめ、不安を感じた地元住民が110番通報をし、21時前には警察が駆け付けたということがあったようです。
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20時の段階ではまだ10人程度だったようですけれども、最終的にどのくらいの人数が集まったのかはわかりません。フォックス(標的)がクロちゃんでなにより。ふつうに、あまり嫌われていない芸人だったら、この程度のことではすまなかったでしょう。
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私としては、クロちゃんをフォックスに選んだ段階で、誰も助けにこない、というオチを想定しますけど。まっとうにやればそれでも今回証明されたように物好きが10人は集まってしまうのですから、とうぜんやるときはドッキリ企画ですね。
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そうなんですよ。川崎さん。古いのう。だいたい、ただクロちゃんを探しておもしろいですか? というお話ですよ。クロちゃんが「ああ〜ん。助けてくれてありがと〜。うれしい〜ン」などといって喜んでいるのを見て楽しいですか? イヤ〜ンな気分になりませんか?
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ですからたぶん、「クロちゃん、どこかに閉じ込められてもTwitterさえあれば助けてもらえる説」には、なにかもうひとつ表に出ないままに終了してしまった企画があったはずだと思います。
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そもそもこの企画の下敷きになっている「フォックスハンティング」というゲームは、逃げるフォックス(標的)はもちろん、追うハンター(狩人)もあらかじめ参加者を限定して行うゲームです。
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アマチュア無線時代の「フォックスハンティング」では移動する「フォックス」が発信する特定の周波数の電波の強弱などがヒントになり、ネットを使っての場合は、サークルが運営するサイトの掲示板などにヒントが示されます。で、フォックスを捕まえる、あるいはその居場所を特定できれば終了です。
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あ、すみません。アマチュア無線を使う「フォックスハンティング」はいまだに、もとい、いまも手堅く人気だそうです。世界各地にファンがいるそうです。
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今回の「クロちゃん、どこかに閉じ込められてもTwitterさえあれば助けてもらえる説」は、この「フォックスハンティング」を完全にオープンな状態でやってしまったわけで、トラブルの発生は常識的に予測できたはずです。
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あ、そうですか。それは織り込みずみ。それでクロちゃんをフォックス役に仕立てた、ということですね。芸人は山ほどいるわけですから、たぶんその配慮は働いていたことでしょう。クロちゃんならほとんど興味を示す人間もいないだろう、と。
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でも甘かったわけです。大騒ぎまでには到らなかったけれども、警察沙汰になってしまいました。警察の出動というのは、その内容に関わらず番組としては手痛い失態です。しかも、それでなくても『水曜日のダウンタウン』は失態続きなのです。ついこのあいだ、3月にもトラブルを起こしています。
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そのトラブルというのは、「今でも印籠の効果あるんじゃないか説」で「視聴者に水戸市は粗暴な若者が多く、治安も悪いと誤解させた」として、水戸市から放送倫理・番組向上機構(BPO)に意見書が提出されたというものです。煙草を喫っていた不良に印籠を見せたヤツですね。
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さらにさらに、憶えておいてでしょうか? 『水曜日のダウンタウン』は、昨年2月に一般人を巻き込んだヤラセが1回分の放送で2件も発覚するという前代未聞の醜態を晒しています。例の福袋のヤツとブックオフのヤツです。具体的な内容は、謝罪文がありますので、そちらでご覧いただきましょう。
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「1つも売れず」
《1月28日放送の「水曜日のダウンタウン」において、 株式会社イーシーアイ経営の100円ショップ「得得屋」三鷹店で販売されていた福袋を承諾なく取り上げ、「安けりゃ何でもよいというわけでもなく、1つも売れず」 との内容を放送しました。 実際には同店が用意した福袋10袋は完売しており、放送内容は事実に反するものでした。
また、店名の「得得屋」を「得々屋」と誤って表記しました。 直接の取材を全くせず、株式会社イーシーアイと100円ショップ「得得屋」およびその取引先ほか関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけしましたことを心からお詫び申し上げます。》
「ブックオフの福袋買うヤツどうかしてる説」
《「1月28日放送のブックオフの福袋を取り上げたコーナーの中で『買うヤツはどうかしてる』などの表現を繰り返し用い、あたかも福袋の中身に価値がないかのような誤解を視聴者に与えてしまいました。 また、取材にあたって企画の意図を事前に説明し、ご理解を得る努力を怠り、ブックオフコーポレーション株式会社ならびにブックオフ西宮建石店の従業員、関係者の皆様また、福袋を購入された方々に対し、ご迷惑をおかけしました。心よりお詫び申し上げます」》
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まあ、ものの見事に完全に徹頭徹尾ダメです。取材交渉(趣旨説明)の段階から挙げ句の果てに店名の誤表記まで。よくもここまでずさんにできたな、と逆に感心するくらいのものです。広告の世界でもごくたま〜にミスだらけの出稿というものがありますけれども、そんな感じですね。誰かのタガがはずれています。
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で、謝って謝って二度とヤラセはしない、迷惑はかけないと誓ったはずなのに、今回の騒ぎです。いってみればここまで、クビの皮1枚でつながっていた状態で続けてきたのです。ついにここへきて、という可能性は十分にあると思います。
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ようやくここからが本論です。この番組は、タイトルの『水曜日のダウンタウン』にある通り、お笑いコンビダウンタウンの冠番組です。ダウンタウンがMC、トップ、会社でいえば社長。ですからその番組で不祥事が起きた場合、とうぜん社長であるダウンタウンの責任も問われると思うのですが、これまでそれはまったくありません。
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というよりか、ダウンタウンにとっては、まったくの他人事のようです。2015年2月8日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ)で、松本人志(52)はこのように発言しています。『オリコンスタイル』からの抜粋です。ちなみにこの段階ではまだ「ブックオフ西宮建石店」へのTBSからの謝罪は行われていません。
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《松本はこの日の放送で、「スタッフ側はこちらが500%悪いと(言っている)」とした上で、「僕が思うに、事実とは違うけどおもろいからいい、で済ませられるかが基準」と持論を展開。
MCの東野幸治(47)が「それでも、うそはダメですよね」と念を押すと、松本は「そう! だからこれはアウト」とうなずいた。
「この番組は唯一チャレンジしている番組で、これで保守的にならないか心配」と憂慮した松本だが、東野が再度「お店の表記もミスがなければ…」と番組側の過ちを指摘すると、「そうですよね」と同調していた。》
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なんなのでしょうねえ。まるで自分の番組の不祥事よりも、フジテレビでTBSを語ることに意義をを見いだしているような印象がありました。実際、このあともダウンタウンからの謝罪はありませんでしたから、結局、番組MCなのに完全スルーというわけです。これでは『アッコにおまかせ!』(TBS)の限界司会者、和田アキ子(66)とかわりがありません。
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視聴率が取れたときは自分の手柄、不祥事はスルー、では、あまりに身勝手すぎます。スタッフが泣きます。たぶん今回の「クロちゃん、どこかに閉じ込められてもTwitterさえあれば助けてもらえる説」についても、きっと「僕が思うに、〜」の感覚なのでしょう。
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松本人志がそのように鷹揚でいられるのは、吉本のプレッシャーのおかげです。“唯一チャレンジしている番組”とかなんとかいっても自分は大手のチカラに守られているのですから、困ったものです。つまらんつまらん、あーつまらん!!(by大滝秀治)……今回、いいたいことはこれだけです。本論があまりに短くてすまんです。(了)
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