2016年6月18日土曜日

お久しぶり!! カミセン・トニセンはムード歌謡コーラスグループ



6月8日発売の「Beautiful World」を歌い踊るV6を見て、つい笑ってしまいました。昭和のムード歌謡コーラスグループを思い出してしまったからです。



ムード歌謡コーラスをご存じない? グループでいえば、前川清が在籍していた内山田洋とクールファイブとか、「思案橋ブルース」を大ヒットさせた高橋勝とコロラティーノとか、「小樽のひとよ」の鶴岡雅義と東京ロマンチカとかですよ。1960年代中期から70年代にかけて、れっきとしたひとつのジャンルを築き上げておられました。



ムード歌謡コーラスグループは、センターにリードシンガーがいて、その斜め後方で他の4、5人のメンバーが1本のスタンドマイクにコーラスを入れる、というスタイルが標準的でした。



いま考えれば、ムード歌謡コーラスグループというのは、黒人のソウルボーカルグループがお手本だったのでしょうか。テンプテーションズとか、スタイリスティックスとか。で、ムード歌謡コーラスというくらいですから、ボーカルスタイルはほぼクルーナーです。コブシを回したのは前川清くらい。



グループ名のアタマについている内山田洋、高橋勝、鶴岡雅義が、リーダーの名前です。どういうわけかギターを抱えている場合が多かったような気がします。なかでも内山田洋はブルース・ギターの隠れ名手だったというお話もあります。マイナー一辺倒のムード歌謡からは想像もできませんけれども。



コーラス隊はほとんどの場合、楽器も担当していました。しかし私は1度も彼らが演奏しているところを見たことがありません。テレビで見る彼らはいつもお揃いのスーツを着て、少し体を揺らしながら「ワワワワー」とか「アワワワー」といっていました。



そのようすにいまやV6がたいへんよく似ているわけです。あれでセンターに誰か1人を立たせると、完全にムード歌謡コーラスグループです。いまとりあえずセンターにいるのは森田剛(37)ですけれども、ほかのメンバーの立ち位置をもっと離して圧縮すると、ほーら「森田剛とヴィシックス」になります。



で、どうしてこんな連想になってしまうかといえば、まずは「Beautiful World」の曲調がたいへんおとなしいこと。「バレーボールができるヤツ集まれ!!」といって結成されたグループだと聞いていた割にはパンチがありません。パンチ!! 懐かしいのう。



しかもダンスもまたおとなしくて、かつてのムード歌謡コーラスグループのコーラス隊か、よくてオバサンたちの当て振り歌謡舞レベルだということ。右手あげてー、左手したにー、みたいな。いえ、私、V6が嫌いではありません。好きでもありませんけれど。



まーしかし秦基博(35)の作詞・作曲といい、あの振り付けといい、そして痛々しいほど貧乏臭いPVといい、どこをとっても一切のやる気が見られない「Beautiful World」です。歌詞だけですが、ご紹介しておきましょう。

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ほら いま 君となら 世界はこんなに美しい
ごらん 空には虹も立って 嘘みたいな
Beautiful World
イヤホンを外して 駆け寄る君に手を振った
雨上がり 水たまり
飛び越えるスニーカー
憂鬱な毎日も 苦手な人混みさえも
君がいる それだけで
色づいて映った
太陽の声がした気がして 何気なく仰いだ空に 七色のライン
ほら いま 君となら 世界はこんなに美しい
ごらん 暗い雲も遠ざかって 澄み渡ってく
Beautiful World
灰色の未来も 褪せてしまった過去さえも
塗り替えて ゆけるはず
その笑顔があるなら
太陽が輝いてるせいだけじゃないと思うんだ こんなに まばゆいのは
ほら いま 君となら 世界はこんなに美しい
ごらん 光も踊り出して 鮮やかな
Brilliant world
ほら いま 君となら 世界はこんなに美しい
ごらん 暗い雲も遠ざかって
ほら いま 君となら 世界はこんなに美しい
ごらん 空には虹も立って 嘘みたいな
Beautiful World

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どうしたのでしょうね。終始一貫、ダラダラと退屈な情景描写ばかりです。基本的なことを申し上げますと、とくに日本のラブソングの場合、その恋の大切さや愛の深さは、恋愛関係に入っていくときか、またはその関係が壊れていく過程でしかなかなかうまく表現できないものです。



恋愛まっただなかの高揚感を冷静な他人にわからせるというのは、たいへんに難しいことです。この「Beautiful World」もそれをやろうとして大失敗しています。というか、それ以前にすべてが常套句で創造性のカケラも感じられません。



しかもまたそれ以前に、歌の対象が絞り切れていませんね。誰に聴かせたいのか。秦基博35歳、V6はアラフォー、ファンもそろそろいいお年、というところからマジメに考えれば、もう少しマシな歌詞を思いついたのではないでしょうか。基本の基本の基本。いえいえ、私、秦基博さまが嫌いではありません。きっと体調が悪かったのでしょう。お大事にしていただきたいものです。



しかし、なんだかんだいっても、「Beautiful World」はテレビドラマ「警視庁捜査一課9係」(テレビ朝日)の主題歌で、『Billboard Japan』の「総合JAPAN Hot100」シングル総合1位(2016年6月15日付)です。たいしたものです。いかに音楽が売れていないかということがよくわかります。いえいえ、私、先ほども申し上げましたようにV6が嫌いなわけではありません。



新曲について、さらに気になるのは「Beautiful World」というタイトルです。これ、2011年にリリースされた「嵐」の10枚目のアルバムと同じですね。でもって「嵐」はそれ以降はさらに、ツアーの記録DVDにも「 Beautiful World」というタイトルを使っています。いいの? それともケンカ売ってるの? アラシックはなんていっているの?



ああ、あと有名どころでは宇多田ヒカル(33)の19作目のシングルも「Beautiful World」(2007)でした。こうして見てくると、V6の今回の作品は、非常に無頓着かつ無造作につくられています。制作スタッフはやる気があるのか? とさえいいたくなります。



司会者や俳優として活躍している井ノ原快彦(40)や岡田准一(35)はともかく、料理人の坂本昌行(44)、長野博(43)、森田剛(37)、三宅健(36)が、この新曲に賭けたはずの期待の大きさが察せられるだけに、たいへんに心が痛みます。シングル総合1位といっても、それだけじゃーねー。むかしみたいに歌番組がたくさんあるわけでもないし。



で、井ノ原快彦や岡田准一、そして残念ながら蜷川幸雄の逝去で出演が流れた森田剛を個人名義での活動とすれば、このV6というグループ自体はたいへん長く塩漬けになってきました。気がつけばカミセンのみなさんもほぼ中年です。チョビひげの森田剛は、もうニッカボッカのオジサンです。そうとう香ばしくなっています。



そうすると、またまた気になってくるのがアイドルの加齢問題です。「Beautiful World」にしても、製作陣としては、元気がいいのは若い連中にやらせておけ、みたいな気持ちだったのではないでしょうか。でもしっかりした対案は出せなかったわけです。



ああ、そういえばNEWSのコンサートのようすをニュースで見ましたけれども、お金はかかっています。しかしグループのパフォーマンスはいつもあの程度なのでしょうか? ジャニーズってあんなもの? いえいえ、私はNEWSやジャニーズが嫌いというわけでも、決してありませんけれども。



V6の塩漬け問題です。すでにSMAPという偉大な塩漬けがいます。しかしSMAPの場合は、どうも、よい先例にはならない気配です。するとあとは畑か漁師でもやってみるかー、でしょうか。そうでなければ、このまま塩漬け状態のまま乾涸びていくのか……。



いえいえ、私といたしましては、V6にはこれを機会にぜひ、ムード歌謡コーラスの方向に突き進んでいただきたいと願っております。「森田剛とヴィシックス」。唄と踊り、ミュージカル、バラエティ、お笑いとフィールドを広げてきたジャニーズの次の一手、超高齢社会に照準を合わせたムード歌謡コーラス!!



しかもこれ、ジャニーズ広しといえどもV6以外には適役がいません。考えても見てください、たとえばSMAPがムード歌謡コーラスをやったとしても、それはギャグか、あるいは悲痛な見世物にしかならないでしょう。「木村拓哉とスマイル」。



おお、ムード歌謡コーラスグループ「チョビの森田剛とヴィシックス」。ミセスキラー。当たるとデカそうです。ぜひ。(了)


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