あんた、ちょっとお、尾木ママ(69)いいじゃん! ねえ。いまバンバン叩かれてるけどさあ、尾木ママの気持ちだってわかるわよねー、っていうか、あんなふうに思ってた人ゼッタイいっぱいいたわよー。
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だけどほんとうは自分もおんなじようなこと思ってたクセに、それをさあ、知らんぷりして、その口を拭ってバンバン尾木ママを叩きまくるって、そっちのほうがイヤなずと感じだわよー。ねえ、そう思わない?
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ひとむかし前のおばちゃんたちの井戸端会議ふうに書こうとしたら、室井祐月(46)になってしまうのである。室井祐月、なんとはなしに受け容れられているのは、実はこのババくささ+懐かしさが魅力なのだな。なにげに“お天道さま”とか“冬将軍”とかいうし。
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それで尾木ママこと尾木直樹は、間抜けだけれども悪いヤツではないだろう、と思うのである。みなさんもそうは思わないだろうか? むしろしょーもないヨタ話から無用に難しい政治経済の小理屈までシームレスにつながっているネット社会に、こういう素朴なお人好しは、絶対に必要な人材ではないかとさえ思うのである。
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ああ、お話はなにか、というと、小学2年の男児(7)が北海道七飯町の山林で行方不明となり、6日目の2016年6月3日朝、発見された事件である。なかなか見つからず、行方不明になった当初、男児の父親の説明が「山菜採りにいって」から「おしおきとして」に変わったことなどが、さまざまな憶測、邪推を呼んでいたのである。
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物議をかもしている尾木ママのブログでの一連の発言については、6月3日配信のJ-CASTニュースから抜粋しておく。
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《「良かった、良かった!!見つかりましたよ!見つかりました!」。男児発見のニュースが流れた3日朝、尾木氏はこんなタイトルのブログを更新。本文では、「こんなにほっとしたことも珍しい!合同捜査本部解散のニュースに落ち込んでいた尾木ママ いきなり元気 元気!!」と喜びを爆発させていた。
だが、尾木氏はこれまで、同じブログ上で「両親に対する厳しい批判」を繰り返し綴っていた。男児を放置した親の行動を「虐待です」との批判ではおさまらず、「しつけのお仕置きで7歳を山中に放置するでしょうか!?」(5月30日)と事件性を疑うような記述まで見つかる。
5月31日には、「北海道の放置親に同情する方々に問いたい」と切り出し、両親への批判を展開。最終的には、保護責任者遺棄罪などを踏まえてなのか、「(両親は)警察にも間違いなく逮捕されることでしょうね」とも断言していた。
尾木氏の「放言」はまだ止まらない。男児の発見を喜んだブログ記事を更新する約8時間前、6月3日未明には「(自衛隊の捜索でも見つからないなんて)はっきりいってあり得ない」と持論を展開。「置き去りそのものが真実なのか失礼ながら疑いたくなってしまいます...」と疑問を投げかけていた。》
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無邪気なものである。無邪気ついでにこんなこともいっているゾ!! と同記事は追撃している。
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《つい最近では、政治資金の「公私混同」問題に揺れる東京都の舛添要一知事に対する猛批判を展開中。16年6月1日には舛添知事を「腐ったミカン」と表現し、「急いで棄てましょうよ」と呼びかけていた。
この投稿に対しても、ネット上では「教育評論家の発言とは思えない」「教育に携わる人間でいながらこの表現を使うとは」との批判が出ていた。》
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まあ、たしかに一方的に人を品定めし、恣意的な基準で悪性と判定されれば即座に抹消、抹殺を主張する考え方は、優生思想そのものである。教育とは根本的に相容れない。
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ただ尾木ママ、たぶんこの危うさには勘づいていて、わざわざ常套句である「腐ったリンゴ」ではなくて「腐ったミカン」といういいまわしを採用しているのである。リンゴもミカンも変わらないと思うのだが、このあたりが尾木ママのチャーミングなところである。
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もう1度、ひとむかし前のおばちゃんたちの井戸端会議にチャレンジしてみよう。
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あのさ、昨日の夕方のニュース見てたらね、あの行方不明になった男の子のウチの近所のオバサンが出てたのよ。顔出しで。そうよー、モロよー、ベロ出しよー。やっぱ田舎なんだわねー。せっまーい玄関とこで。
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で、なんつったかって思って見てたら「クマにでも食べられちゃったんじゃないかってみんなで話してた」っていうのよ。無事に見つかったからいえることなんだけどさあ。でもまあふつうはいわないよ。近所だし。そんでもって「よかったよかった、ほんとうによかった」って笑ってのんよ。
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だからさあ、ちょっと考えてみてよ。みんなそんなもんなんじゃない? 尾木ママって、いま話した男の子の近所のオバサンが喋ったようなことを、そのままリアルタイムで語ってたってことでしょ? いちおう有名人だしみんなが見るブログだし、虐待とか逮捕とかいう言葉は飾りのオマケみたいなもんでさあ。
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だからこの件に関しては、尾木ママは世間のオバサン代表みたいなもんじゃないの? でさあ、あのう、もうちょっといい? あのさあ、インターネットとかSNSとかをみんなが使うようになってるじゃん。そんでもう世の中にはいろんな主張だとか意見だとかがメチャクチャたくさん飛び交っているワケじゃん。で、それってバーチャル世間みたいな感じだよね。
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そのバーチャル世間にもやっぱり、尾木ママみたいなオバちゃんがいてもいいと思うんだけどなあ、アタシ。そりゃもちろん間違ったことをいったりそれで人に迷惑をかけちゃったりしたら謝んなくちゃいけないけどさあ。そういうあたりまえの反応みたいのをどんどんどんどんなくしていっていいの? って思うわけ。アタシなんか。
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いや待って、ちょちょっと待って。あー、すみませんね、話が長くて。そんでもってそんなことなんだけどさあ、いま実際どうなのかっていうと、いまいったようなバーチャル世間って、ちょっと間違ってたりいいかたが悪かったりすると総叩きするでしょ。バッシバシに。そうやってどんどん窮屈になっているでしょ。
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でさあ、今度はバーチャルな世間だけじゃすまなくなってきて、逆にリアルの、こっちの、現実の世間にまでそれが浸透してきてさあ。もう窮屈で窮屈で、うっかりのんきにバカ話もできないような雰囲気がつくられてきてんのよ。そうじゃないかと思うのよね。
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……、うんうん、そうそう。そうなの。だからねえ、あれよ。リアル世間のバーちゃんがバーチャル世間でも暴れられるか、それともバーチャル世間がリアル世間に攻め込んでくるのか、みたいな。そんなもんだと考えながら、あっ違う? ああ、そんなこんな、ね。いいじゃないのよ、誰だって間違えるんだから。だから、そんなこんなを思いながら今回の尾木ママの騒動を見てたら、なんかアタシ、尾木ママのことを応援したくなっちゃうのよ。
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バーチャルバーちゃん? なによそれ。そんなのただの語呂合わせじゃないのよ。でも、だからそうなってくると教育評論家っていう肩書きはもう使えないっていうか、あんまり調子よくないから、だからバーチャルバーちゃんっていうよりも、……。あ、デジタル芸者ババアか。デジタル芸者ババアということでご自由に発言していただけばいいんじゃないの、って思いますけど。アタシなんか。
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いや、ホントにまじめに考えてますよ。だって尾木ママのことはおぎやはぎの小木(44)なんかより100万倍くらいは好きだもん。つまり、まあ、そういったようなカタチで尾木ママには頑張ってもらいたいってわけですよ。アタシは。
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はい。だんだん室井祐月にも似てなくなってしまい、申しわけのないことでござった。でもって、このネットやSNSの世界がだんだん窮屈になっているのは、なにも個人のエンドユーザーのせいだけでもないのである。確かに、ただ文句をいいたくて書いているヤツも多いけれども。おっと人のことはいえないのである。
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責任の大半は、いまの状況でいえば、それらの言説を任意にピックアップして記事にしているネット上のニュースメディアにあると思うのである。「〜に批判殺到!」とか「〜に異論続出!」のたぐいである。
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メディア側にしてみれば、そのほうがより読まれるからだ、という主張になる。しかし、そもそもその結論は早すぎないか、ちょっと待て!! という気がするのである。もっともっとおもしろい言論ニュースはいろいろある。
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たとえば、今回の行方不明の件でいえば、小倉智昭(69)は、「実は、誰かが保護しているんだけれども大騒動になって出てこられなくなっているんじゃないのかね」、と発言していたのである。いいニュースである。タイトルは「とくダネ! 小倉に愕然!! 病み上がりのせい? 100年に一度のお人好し発言!!」である。あ、叩いてしまった。(了)
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