藤山直美(58)が初期の乳癌と診断されたらしい。(「日刊スポーツ」・2017年2月18日配信)。その治療のために7月までに予定されていた芝居はすべて中止または休演になるという。つい数日前の2月14日にだいたひかる(41)の乳癌について“二番煎じ”などと酷い毒づき方をしてしまったせいか、なんとなく複雑な気分である。
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こういうささやかな偶然はフィクションの世界ではほとんどお目にかかれない。できるだけ偶然に頼らないことが物語づくりの原則である。それにしても最近はテレビの娯楽番組なんかよりも現実のほうがずっと面白い。いやテレビがつまらなくなったというべきか。
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例の清水富美加の引退・出家騒動にしてもあれだけ面白いのであるから、清水富美加が出演していたすべてのテレビ番組と引き換えても十分におつりがくる、とさえ思う。幸福の科学という「芸能村」外部からの異議申し立てにレプロエンタテイメントがどう対応するか、「芸能村」を守るべく内々に大幅譲歩をするのか、あるいは「芸能村」を守るなどということは考えもせず裁判に臨んで前近代的なその体質を露呈してしまうのか、興味は尽きないのである。
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テレビがつまらなくなったのは、いわゆるオトナの事情に腰が引けて、あるいは企画力が不足で面白さ満載の現実からすっかり遊離してしまっているからだ。医師にしろ詐欺師にしろ、いまなぜそれを主人公にしたドラマなのか、というアクチュアリティ、必然性がない。ただの絵空事である。絵空事であるなら金のかかったハリウッド映画でも観ていたほうが面白い。
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しかも清水富美加の引退・出家騒動が典型なのだけれども、テレビはしばしば偏った取り上げ方をするので、ここでも客を逃してしまっているのである。現状、清水富美加に関して報道されているのはレプロエンタテイメント側からの情報がほとんどである。
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ついでなのでこのあたりを批判した『日刊サイゾー』(2017年2月14日配信の)記事を抜粋しておこう。
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【「幸福の科学を悪者にするしかない」清水富美加の“暴露”恐れる芸能界の不気味な村社会】
《女優の清水富美加が、仕事を中断して所属事務所レプロエンタテインメントとの契約を解除する意向を示し、宗教団体「幸福の科学」の活動に専念するとしたため、業界内は大混乱だ。
何しろ撮影済みの映画3本ほか、2社とCM契約中の身。これには業界関係者から「清水と教団を徹底的に悪者にするしか道はない」という話が聞かれる。
「要するに所属事務所に不満があって精神的に参ってしまったということなんだろうけど、そこがクローズアップされると芸能界のタレント契約問題や仕事の在り方に疑問が生じる。奴隷契約みたいになっているのは事実だし、それでやってきたんだから、今さら変えられない。だから業界側はとにかく、清水って子が無責任でおかしな奴なんだ、とするしかない。“教団に洗脳されている”と、向こう側を悪者にすることが、この業界を守ることになる」
こう話す業界関係者によると、レプロと近い別の大手事務所の幹部は、芸能リポーターなどに、そういう方向でテレビコメントするよう伝えたという話だ。それが原因なのかはともかく、芸能リポーターの井上公造氏は、情報番組内で「事務所でもない、教団でもない第三者の病院で、ちゃんと調べてもらうのが一番正しい結果になる」と、両者の争点から目を逸らすかのような解説をしていた。
タレントの坂上忍も「事務所に対する配慮がない。俺は擁護する気は一切ない。結果論としては仕事飛ばしているわけだから」と清水に厳しい批判。同じ事務所のベッキーが不倫騒動を起こしたとき、「あいつ本当にいい奴で俺と違って本当に真面目な奴なんで、今回だけは許してあげて」と擁護していた芸人のカンニング竹山も、今回は「仕事を残したことによって不幸になる人がいっぱいいる。まず、その人たちのことを考えてきれいにしてから行きなさい」と批判的だ。
〈略〉
契約問題だけに沿って言えば、映画やCMに損害を与えているのは事実で、その責任が問われることにはなりそうだが、前出の業界関係者は「それでも、もし裁判になれば、清水の方から一般社会とかけ離れた芸能界特有のルールをどんどん暴露されるだろうから、徹底してこちら側は彼女の悪評を集めてメディアに伝えてもらうしかない」と口にした。》
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うむ。レプロエンタテイメント、ピンチである。しかし面白がってばかりはいられない。テレビよりも現実のほうが面白い、といういい方は、私が現実とドラマや映画などを同じレベルで観ているということを示している。モニター画面に映るものはすべてエンターテイメントであり、それは面白さだけが問題になる。大げさか。まあとにかく、だからだいたひかる乳癌について“二番煎じ”などという不謹慎な言葉が出てくるわけである。
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面白いか面白くないかだけが問題なのである。であるから、清水富美加の件についてもレプロエンタテイメント、つまり「芸能村」を悪として観たほうが面白いから、という気分はたしかにある。もちろん客観的に判断してもそう思うのだけれども、ここにいかんともしがたい野次馬のサガを感じてしまうのである。我ながら。ときどきはグイッと手綱を引き締めなければいけない。(了)
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