みなさまお久しぶりです。謝罪文研究家のゴメンネ一筆でございます。今回は謝罪文ではありませんけれども、全体に文語体を思い起こさせる几帳面さで語られた、渡辺謙(57)の記者会見“一問一答”を紐解いてみたいと思います。
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みなさま待ちに待った渡辺謙の記者会見です。とはいえ写真つきでこのスキャンダルを報じた『週刊文春』3月30日発売号からすでに117日、あいだに豊田真由子の「この、ハゲーーーーー!!」があり、松居一代の「日本では認可されていない100mg、バイアグラ100mgを飲んでセックスしまくっていたんです!!」があったので、当初のインパクトはかなり薄れております。
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そういえば、全国ツアー真っ最中のMr.Children桜井和寿(47)に「この、ハゲーーーーー!!」はさぞかしキツかったことでしょうね。ヘアースタイルで誤摩化してもステージに出てきた瞬間に悲鳴が上がったほどの進行度合いということですから、そこからワンステージ、ヘコたれずに唄うのはたいへんな努力だと思います(「日刊ゲンダイ」2017年7月15日配信【ライブで女性ファン悲鳴! ミスチル桜井“頭髪変化”の衝撃】)。
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渡辺謙に2018年のNHK大河ドラマ『西郷どん』島津斉彬役で出演が決定したと正式に発表されたのが6月27日でした。『週刊新潮』が豊田真由美の“絶叫暴言”、“暴行傷害”について報じたのが6月22日発売号。これだけでもなかなかのタイミングでございます。
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でもって今回の渡辺謙の謝罪の日取りも慎重に計られたことは想像に難くありません。出演が決定した以上けじめを付けなければいけないけれども、いくらなんでも豪雨災害報道がひとつ落ち着いてから、ということでございましょう。その最中では人の不幸を隠れ蓑にして、と非難されるのは明らかです。これで3連休中にまたなにかくーだらない芸能ニュースでも勃発してくれればそれはとてもありがたいことになります。
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囲みスタイルで行われた会見の模様は以下の通り。メンドくさければ飛ばしていただいてけっこうです。「謙さんが『ぉやすみぃ、チュッチュッ』とやると相手の方はどう返してきたんですか?」とか核心を聞いている記者もいないようですし。
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【渡辺謙不倫認める「妻に悲しい思いさせた」一問一答】
《 俳優渡辺謙(57)が15日、都内で会見し、3月に報じられた不倫疑惑についておおむね事実と認めた。冒頭の謝罪と、主な一問一答は以下の通り。
お休みの中、暑い中、私ごとのご報告のためお越しいただき、恐縮に思っています。本来なら記事が出てすぐに皆さんの前でお話しすべきだったかもしれませんけど、僕自身が事態を把握すること、妻のこともありましたので、冷静な時間を必要としたこと。そのときにオファーを受けていた仕事が今後どうなっていくのか、対処させていただくためにお時間をいただくことになってしまいました。
この春に出た記事に関してはおおむね事実でございます。軽率な、ふがいない行動で、たくさん応援してくださった皆さんにご心配をおかけしまったこと、仕事を託してくださった関係各位の皆さまにも多大なる迷惑、ご心配をおかけしまったこと、本当に申し訳なく思います。
何より妻(南果歩)には苦しい、悲しい思いをさせてしまったことは申し訳なく思ってますし、少し時間かけながら、ゆっくり軌道修正を図っているところです。妻も無事に仕事をさせていただけるようになったし、私も今後、米国に渡って映画を撮影し、秋からはNHKの大きなドラマにも決まっている。本当にこんな男でございますけど、もう少し応援してやってもいいかなと思ってくれる方がいらっしゃったら、もう少し自分を見つめ直して、俳優という仕事の中で自分は何ができるのか、(考えながら)前に進んで行きたい。
-女性とはいつごろ知り合った
渡辺 大阪で舞台をやっていたときに、知り合いが見に来てくれて、そのときにご一緒に食事をしたのが発端。先方も一般の方なので、できればプライベートなことはこの場では控えさせていただきたい。
-お付き合いは3年ほどと報じられている
渡辺 これも詳しくお話しすることではないけど、ずっと続いていたというわけではなくて、その間何度もアメリカで仕事していたりしたし、僕の中の決断が付かずに何となく続いてしまった。
-報道後、女性とは
渡辺 もちろん、先方にもご迷惑をかけてしまったので、きちんと話をして関係は解消しました。
-付き合いがあったが、別れたということは
渡辺 そうです。
-報道後に別れた
渡辺 そういうことになります。仕事していく僕が、俳優として生きていくことを第一に考えてくれた。
-なぜその女性を求めてしまった
渡辺 それに関しては、プライベートなことになるので、お控え下さい。
-奥さんはショックを受けたと思うが、どんな話を
渡辺 最初はすごくショックが大きかったので、どうしていくかについては(話すのに)時間がかかった。時間がたって落ち着いたときに、きちんと謝罪はしたんですけれど、(南が)「こんなことであなたが積み重ねたことは消えることはないから、頑張ってね」とは言ってくれた。
-今は夫婦仲は持ち直しているか
渡辺 僕の方でどうこう言える立場ではない。丁寧に時間をかけなければならない。
-自宅には戻っているのか
渡辺 すぐには戻れないでしょう? きちんと少し冷静になる時間が必要だったし、仕事の準備で以前から山小屋に行って準備することはあった。NHKのために、鹿児島に1人で取材旅行に行ったり、ハリウッド映画のために体作りをしたりとか、今までと同じようにやっている。ただ、(南とは)連絡を取り合ってますし、彼女も時間が空けば訪ねてきたりしました。必要な荷物があったら、事務所に宅急便で届けてくれる。たたき出されたとか、そんなことはなくて、普通に宅配便で送っていただきました。
-十分な話し合いをしたのか
渡辺 まだまだ時間かかると思っているし、彼女は仕事が始まったので、その中で時間を見ては話をしている。
-南が病気療養中の出来事だったが、どう感じるか
渡辺 (釈明は)一言もありません。申し訳ないと思います。
-その女性とは本気だったのか
渡辺 分かりません。嫌いじゃない人とは、そうはならない。ですからそのことに関しても、一生背負っていかなくてはならない。
-交際女性は結婚を期待していたか
渡辺 ないです。そういう話もありません。僕の方ではそこまでのことはなかった。
-慰謝料などで解決したのか
渡辺 ないです。
-彼女にティファニーの指輪をプレゼントを渡したことで期待させてしまったのでは
渡辺 僕の中ではそういうことではないプレゼントだった。クリスマス(プレゼント)とか。
-妻と話し合いは今後もあると思うが、夫婦関係はどうなる
渡辺 僕が今、言える立場ではない。支えていきたいと思っています。
-感情的になってぶつけるとか)
渡辺 それもちょっと個人的なこと、夫婦間のことになるので察して下さい。
-怒っている感じだったか、悲しんでいる感じだったか
渡辺 そっち(悲しんでいる)だと思います。
-許してもらってない
渡辺 そんなに「ちゃんちゃん」とはならないと思う。それ(怒り)はないと思う。それよりも、これからどうやってすべきなのかを聞きたいということだと思う。
-すべての決定権は南にあるということか
渡辺 それは…2人で決めていくことではないでしょうか。
-渡辺さんとしては結婚生活を続けたい
渡辺 それを言える立場ではない。
-立場ではなく、思いとしてはどうか
渡辺 そうあったらいいなと思う。
-2人の子供(杏、渡辺大)には話をしたのか
渡辺 彼らも立派な社会人ですし、家庭も持っているので、報告はしました。いずれにしても親子の縁はなかなか切れないので、僕が一生、背負ってゆっくりと関係を修復していくしかない。
-南との結婚生活で、浮気がばれたことは初めてか
渡辺 今回だけです。》
(※「日刊スポーツ」2017年7月15日配信)
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渡辺謙はこの一問一答のなかで“一生背負っていく”という発言を2回口にしています。1回目は妻の南果歩(53)に対して、2回目は子どもである 杏(31)、渡辺大(32)に対してです。これからの人生までも差し出して謝罪をしているわけです。なんでもいうことを聞く、どうにでもしてくれ、だから許してくれ(と、いっている)、です。
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記者会見の写真を見ると女ばかりの報道陣に囲まれ、スッキリと仁王立ちしているスーツ姿の渡辺謙は、しかし土下座しているのとおなじです。腰から刀を抜いて横へ置き、地面に這いつくばる、最近はジャンピング土下座やスライディング土下座というものもあるらしいですけれども、正統的な座礼の土下座です。
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土下座をして地に伏せると、周囲のことはまったく見えなくなります。刀は腰から抜いて横に置いてありますから、蹴られようが叩かれようが踏みつけられようが、防御のすべがありません。土下座とはそういうものです。
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しかしながら、そうして“一生背負っていく”と掻き口説いても、“いや、もうけっこうです”と返されてしまう可能性も、渡辺謙の場合はまだ残されているようです。その場合、土下座の作法としてはこちらも土下座をすることで拒絶の意思表示となります。
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ふむ。ですから“(こんな夫 or 父親をもったことを)一生背負っていく”というようないわれ方をしてしまったら、それは一生許さないといわれているのとおなじです。まあ『ラストサムライ』(The Last Samurai・ 2003年)ふうにいえばこういうことになりましょうか。
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で、こうした男女関係のトラブルが起きた場合、いつも思うのは、男が悪いのはたしかに悪いですけれども、それをお受けする女のほうはいかがなものでしょうか? ということです。『スポニチアネックス』(2017年7月16日配信)の記事にはこうあります。
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【渡辺謙タジタジ不倫謝罪会見 リポーター猛追及に「隙だらけ」】
《 〈— 略 —〉
約30分間の会見が終盤に差しかかっても、ぐるりと取り囲んだ女性リポーター陣の追及は緩まず、矢継ぎ早の質問に“ラスト・サムライ”は針のむしろ状態。「結婚生活で浮気がばれたのは今回だけ?」と確認され、「今回だけです」と恐縮しきり。妻や世間にばれることを考えずに女性と交際を続けたことを「世界のケン・ワタナベも普通の男性と同じだと思った」と指摘されると「おっしゃるとおり」と苦笑いした。
さらに、「男の人はバレないと思って浮気してしまうんですか?」と追及が続くと、「どうしてここは女の人ばかりなんですか。お答えしにくい」とタジタジ。「隙があった」と突っ込まれ、「隙だらけなんでしょうね」と笑うしかなかった。
不倫スキャンダルがあっても、ハリウッド大作など複数の出演作が控える。「こんな男ですが、もう一度自分を見つめ直して前に進んでいきたい」と再起を誓った。》
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たぶん「ぐるりと取り囲んだ女性リポーター陣」も渡辺謙と間近で接しられて少しうれしかったのでしょう。いささかはしゃいでいる感じが伝わってきます。そこでつい「男の人はバレないと思って浮気してしまうんですか?」です。場末のスナックのカウンターではないのですから気をつけていただきたいものです。
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しかしまあ、これではまるでコンビニで「大人なガリガリ君」を盗み食いしたのと同じ扱いではありませんか。渡辺謙の不倫相手の女(36)は「大人なガリガリ君」ではありません。ご承知の通り「田中みな実似の清楚美人」ということになっています。
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ですからいくら男がバレないと思っても「田中みな実似の清楚美人」がその気にならなければ不倫ははじまらないわけです。まず最初にコイツはイケそう、とかいう判断があって、その次にバレないかなー、という計算になるのではないでしょうか。なんだかとても空虚な質問です。こんなことを語っている私も。
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さらに「『隙があった』と突っ込まれ」とあるのはもっと不思議です。女というものは男に隙があったら見逃さずそこを攻めてくるもの、ということにでもなっているのでしょうか? 男をコンビニの「大人なガリガリ君」泥棒扱いしておいて、そのすぐあとに今度は泥棒を見張るコンビニのバイト扱いするというのはいかがなものでしょう?
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隙を見せるほうが悪いのか? それともそこにつけいるのが悪いのか? つけいるほうが悪いに決まっています。女ならほとんどがそう答えるはずです。にもかかわらず立場が変われば「『隙があった』と突っ込まれ」です。こんなものいいが女にさえ常識として流通しているかぎり、“女は盗まれるもの”という認識が消えることはありませんね。
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しかし土下座中の渡辺謙にはそんなゴタクを並べる余裕も立場もなく、最近、人工透析中の渡辺徹(56)や夫は都会人・渡部建(44)と間違えられることが多くなったなあ、と気を逸らせるのが精いっぱいだったのでした、ということにしておきます。評論になっていなくてごめんなさいねえ。(了)
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