2017年7月31日月曜日

お笑いをつまらなくしたのはビートたけしの弟子たちじゃない?



安倍政権がダメ、その誤ちを糺すべき民進党がダメ、というお話ではない。もう政治そのものがダメになってしまっているのである。社会正義もイデオロギーも理想も、そしてそのために懸ける命も、そんなものはすべてむかしむかーしのお話、政治家になることは出世の階梯を上がることでしかない。でしょ。



そういう、意味が失われてしまった世界でひたすらエリートをもって任じ、権力を司る方々は、やはりやることなすことナンセンスなコメディなのである。御大ビートたけしも嘆いているらしい。



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【ビートたけしが相次ぐ議員の問題に痛烈な皮肉「最近コメディアンが困ってる」】

《30日放送の「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日系)で、ビートたけしが、現役議員の言動に痛烈な皮肉を放った。

番組では、疑惑が続出する安倍政権の今後や、小池百合子東京都知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」の国政進出の可能性などについて、ゲスト出演の議員らと意見を交わしていた。

終盤、たけしが議論の総括を述べる中で「最近コメディアンが困ってるんですよ。実際の議員の方が面白いって」と切り出す。「このハゲー!」発言で有名となった豊田真由子衆議院議員など、騒動を引き起こした議員の言動がおかしいというのだ。

続けて、たけしは「現役のお笑い師が『あれにはかなわない』と言っている」「あの人達がネタやったほうがいいんじゃないか」と語り、スタジオに笑いが起こる。最後にたけしは、政治活動ではない話題で議員の注目が続く現状に、「困ったもんだ」と嘆いていた。》

(※「トピックニュース」2017年7月30日配信)


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こうした状況にはひとつ、「週刊新潮」が芸能人から政治家へとスキャンダル報道の標的を移したことが大きく影響している。豊田真由子(42)の暴言・暴力騒動も、中川俊直の不倫・ハワイ“重婚”ウエディングも、今井絵理子(33)の「一線問題」も、火を点けたのは「週刊新潮」である。そして書かれた政治家は公僕 兼 国民のオモチャになった。



しかしヤリ玉に挙げられているのはご覧いただいたように下っ端だけなのである。どこまで大物に噛み付いていけるのか、権力にはからきし弱いタブーの構図は変わっていないので、まったく心もとない。



なかには「週刊新潮」の「噂の真相」化だなどと喜んでいるヤツがいるけれども、それはかいかぶりすぎというものである。逆に政治への不満をかわすガス抜きに利用されている感じすら受ける。



たとえば安倍晋三(62)の仲よし、元TBS社員・山口敬之(51)による「準強姦事件」である。被害者が自ら顔を出して訴えても起訴・逮捕に到らず、あろうことか事件のもみ消しに奔走した中村格刑事部長が警察庁総括審議官に、北村滋内閣情報官が官房副長官にそれぞれめでたくご栄転というグロテスクなニュースも、もうすっかり忘れ去られようとしている。



今井絵理子と橋本健(37)の「一線問題」は、その後、橋本健の妻が“夫婦関係の破綻”時期を巡って異議を唱えるなどして、さらにおもしろくなりそうな気配である。しかしそれにかまけて忘れてはいけないニュースもあるのである。



ご紹介したビートたけしの発言、「最近コメディアンが困ってるんですよ。実際の議員の方が面白いって」は、“痛烈な皮肉”ではなくてほぼほぼ本心なのであろうと私は思う。そして「実際の議員」とはいうけれども、いまどきのコメディアンが議員を演じることなどない。ビビリだから。



コメディアンは最初から腰が引けていて、いわゆる政治家イジリなどなかなかできないけれども、政治家のほうからガラガラと崩れてくれるのである。おもしろさで敵うわけがない。しかし繰り返すけれども、そのネタはあくまでも大勢に影響のない下っ端の不始末だけなのである。ヘラヘラそれを笑っているあいだに大物と悪党は逃げてしまうかもしれない。



ということで、批評精神を捨ててしまったお笑いもすっかりダメになってしまっているのである。庶民の代弁者だった時代もあったはずなのに。



政治がダメ、お笑いがダメ、芸術がダメ、哲学がダメ。意味が失われた世界で呆けたようにフガフガと笑おうではないか。身の回りのことだけはしっかり、見つからないようにやりながら。(了)





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