2017年5月16日火曜日

ある年齢になると、案外ブスのほうがしあわせそうに生きている



キレイごとをいってもはじまらない。ブスはブスだしブオトコはブオトコである。しかしほとんどのブスやブオトコは自分をブスだブオトコだと心底では認めていない。自分の顔なので見慣れてマヒしてしまっているだけなのかもしれないのだが、ついうっかりこちらの角度から見ると……などとまで思っている。



しかし申しわけないけれどもブスやブオトコに角度などないのである。あるのは美醜、好悪、そして善悪という二択の、必ずうしろ側にくっついている冷酷かつ的確な判定だけである。



世間では個性が大切などということがいわれる。しかしブス、ブオトコは個性に入れてもらえないのである。大切にされないだけならまだしも、相手にもされない個性がブス、ブオトコなのである。どう生きていけばよいのであろう?



では『ナリナリドットコム』(2017年5月16日配信)のあまりにも無邪気な記事をご覧いただきたい。



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【悲しい“ブスハラ”告白に同情の声】

《 5月15日に放送されたバラエティ番組「おぎやはぎの『ブス』テレビ」(AbemaTV)では、自称“ブス”たちの悲しい“ブスハラ”(ブスハラスメント)告白に、視聴者から同情の声相次いだ。

「おぎやはぎの『ブス』テレビ」は、お笑いコンビ・おぎやはぎの2人がMCを務め、“ブス”をテーマに語り尽くすバラエティ番組。この日、「先生・上司のココがムカつく!」のトークテーマでは、スタジオにいる自称“ブス”たちから、先生や上司から受けた仕打ち“ブスハラ”について語られた。

「先生から顔だけで問題児と決めつけられて、家庭訪問で母親に告げられた」「女として扱ってもらえず、気軽に胸やお腹を触ってくる」など、次々に語られる経験談。

さらに番組終盤には、痴漢について話題があがると、「痴漢をされて、その人の顔を見たら『何見てんだよ!』と逆ギレされた」「痴漢をした男性を捕まえたら『こんなブス触るわけないだろ!』と言われた」など、切実なエピソードも連発で、そんな話の数々に視聴者からは「今日はなんか泣ける回だね」「可哀想過ぎて抱きしめたい」「逆ギレはヤベえわ、、、」など、同情の声が数多く寄せられていた。》

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「あまりにも無邪気」なのは「同情」という言葉である。悪気がないのは重々承知しているけれども、ブスやブオトコはこれに激しく傷つく。なにしろ自分では心底からブスだブオトコだと思っているわけではないし、もとよりそんな憐れみにすがって生きていくつもりなど毛頭ない。同情するなら男をくれ!! 女をくれ!! である。



考えてもみたまえ。先ほど、ブスやブオトコであることはまったく大切にされない、相手にもされない個性であるといった。しかし現代ではおのれの個性を重視するあまり他者とのつながりを失ってしまった者がいかに多いことか。彼らに較べればブスやブオトコにはまだ未来の可能性がある。そもそも帰属する母集団を失った個性など矛盾した存在である。



さらに見てみたまえこの世の妻や夫たちを。ほぼほぼどんなブスでもブオトコでも結婚できることを実証しているのである。ブスはブスなりにミリでも美しく、ブオトコはブオトコなりに人にやさしくできる強さを磨けばシアワセはやってくるのである。



おお、そういえば美人と評判の知り合いのミセスは、贅沢なことにたぶんシアワセの実感がないのであろう、一貫していわゆるスピ系に深く傾倒していたのである。たとえば「日本心霊学研究会」の隈本確に入れあげて浄霊をしてもらったかと思えば得体の知れない気功師にチャクラを開いてもらったと歓び、かと思えば宇宙人とのコンタクティーの後援を手伝ったりもしていた。



で、これらはすべて実話なのであるけれども、その美人なミセスは旦那の稼ぎめでたく若いうちに一軒家を手に入れたのである。しかし半年経たないうちに「2階でラップ音がする」といいだし転居。転居した先のマンションでは1ヵ月も経たないうちに隣戸の奥様が白昼ベランダから飛び降りて即死、そこも転居を余儀なくされてしまったのであった。アーマイガッ!! である。



美人なミセスはその後しばらく消息が不明なのであるけれども、ある神社近くの横断歩道に設置された手押し信号の下でシャネルのサングラスをかけ、頭上に大きなカラスを載せて立ち尽くしていたという目撃情報がある。



繰り返すけれどもこれらはすべて実話である。そんなようなわけでシアワセか否かは美人かブスか、イケてるかブオトコかで決まるものでもない、といいたいわけである。



誕生日を迎える前から祖母に悪魔の子だといわれて可愛がられ、4歳で赤痢の診断を受けて隔離され5歳で脳膜炎のご託宣を受け、いずれもあれは誤診ではなかったかと首を傾げていた矢先、6歳で自宅の便所に落ち、7歳でアデノイドを切除された私も、こうしてロクでなしなほどになんとなくシアワセに生きているのである。



世の中にはいろいろな人がいて、いろいろな人生がある。そこでブスだとかブオトコだとかいうのはフィーチャーのごくごく一部に過ぎない。めげずに頑張りましょうよ、お互い。(了)



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