2017年5月3日水曜日

「無限の住人」コケた木村拓哉はモデルチェンジできるのか?



木村拓哉(44)のSMAP解散後初の主演映画『無限の住人』が封切られた。滑り出し、観客動員は残念ながらかんばしくない。『おたぽる』(2017年5月2日配信)はこう伝えている。

*************************

【キムタク主演『無限の住人』はまさかの6位発進! 『美女と野獣』が2週連続で首位に【週末映画興行収入】】

《4月29、30日分の週末映画興行成績(興行通信社)が発表されたので、今週もオタク目線でお届け。

まずは色々な意味で注目されていたキムタクこと木村拓哉主演の『無限の住人』だが、土日2日間で動員約14万5,000人、興収約1億8,900万円で6位と苦しいスタートとなった。公開館数や同時に上映されている作品などに違いがあるので、単純には比較できないが、キムタクの直近の主演映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』(2010年)の初週末は、動員約41万2,100人、興収約9億4,400万円で首位を獲得したことを考えると、やはり寂しい数字。

ただ、Yahoo!の映画レビューは3.80点(2日現在、評価数は約1,400件)と、さほど“爆死!”という数字でもない。ざっとレビューを見てみると、キムタク、メガホンを取った三池崇史監督のファンからはそこそこ高い評価を受けているが、一方で原作ファン、三池監督作をあまり好きでない映画ファンからは酷評と、公開前の予想通りの状況となっている。

褒めるにしてもけなすにしても、大抵のレビューはキムタクについて語られており、その存在感はさすがといわざるを得ないが、あれだけ宣伝であちこちのテレビ番組に出演したのにこの数字とは……。
—〈略〉— 》

*************************



◆6位までのランキングは次の通り。

1位:「美女と野獣」

2位:「名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)」

3位:「ワイルドスピード ICE BREAK」

4位:「帝一の國」

5位:「映画クレヨンしんちゃん 襲来!! 宇宙人シリリ」

6位:「無限の住人」



もう少し記事を補足しておこう。この映画の宣伝のために木村拓哉が走り回ったのは「あちこちのテレビ番組」だけではない。



《木村は3月までTBS系で主演ドラマが放送されていたが、「無限の住人」に出資しているのはテレビ朝日。そのため、ドラマ放送中はなかなか映画のPRでのテレビ出演は難しかったが、ドラマの放送終了後から全国10か所にわたる舞台あいさつなどの大プロモーション戦略を展開した。



「テレビはテレビ朝日を中心に、雑誌なんかはファッション誌、週刊誌、女性誌など3月末以降に発売されたもののかなりの数の媒体の表紙を飾り、ロングインタビューも当たり前のように“セット売り”。とはいえ、だんだん、どの媒体でもコメントがかぶってしまう結果になった」(出版関係者)》(「リアルライブ」2017年5月2日配信)



プロモーションのための移動は京都を皮切りに大阪、福岡、広島、熊本、新潟、仙台、札幌、静岡、名古屋、東京と、総延長7300kmに達したという。しかしながらの第6位スタート。公開直前のリサーチでは興行収入が10億円にも達しないというデータまで出てしまっているらしい(「週刊実話」2017年4月28日配信)。



あと出しジャンケンのようで恐縮だけれども、いわせていただければ、あのプロモーションで動員は伸びない。そして木村拓哉自身もこのままの方向性、スタンスでは決して2度と浮上することはない。と思う。



いちばんの問題は木村拓哉すなわち好感度抜群の国民的大スターという、あまりにも型通りの、つまり古く、楽観的にすぎる位置づけにしがみついていることだ。どう考えてもSMAP独立・解散騒動時のあの裏切りのイメージが貼り付いてしまったいまの木村拓哉はすんなりと「大スター」の看板だけでは通らない。



2017年版『週刊女性PRIME』の「嫌いなジャニーズランキング」で木村拓哉は1位の「いない」に続いて第2位である。ついでに2017年版『週刊文春』のランキングでも木村拓哉は「嫌い」で第1位。しかも第2位の小山慶一郎(33)の3倍以上の票を獲得してしまっている。



一方、「好きなジャニーズランキング」では『週刊女性PRIME』で第10位、『週刊文春』で第2位だ。やはり女性週刊誌よりも一般週刊誌のほうがジャニーズに関しては反応が鈍く、好きにしろ嫌いにしろ一般的な知名度に引きずられる傾向があるようだ。ともかく、木村拓哉にはそうとう大量のヘイターがいるのである。



そうしたいわくつきの“堕ちた”大スターがやってきてただ自分が出ています、観てください、とだけ繰り返しても宣伝効果は上がらない。しかもあの木村拓哉がこれほどまでに一生懸命、東奔西走しているのだから、という手前勝手な空気まで感じさせてしまう。これではまったく逆効果であろう。



もともと『無限の住人』は、“大スター木村拓哉の映画”として企画されたのだと思う。であるから木村拓哉で一本釣り、の感覚、木村拓哉を前面に押し立ててゴリゴリと押していけばそれなりの実績は上がる、という目論見で製作され、プロモーションもそれで一貫しているのであろう。しかし木村拓哉はもはやただの大スターではなく、いわくつきの、堕ちた大スターなのである。



そこを見きわめられなかった、というか、木村拓哉の商品価値を下げたくない、願わくば大スターのままでいてほしいというジャニーズ事務所の思惑が強く働いた結果なのであろう。木村拓哉はあの木村拓哉のままであった。まあ、とにかくSMAP解散前と同じ感じでいけるかどうか1回試してみないとわからないし、という気分が伝わってくる。



しかし残念。したがって映画を成功に導こうとすれば売り込むべきは木村拓哉ではなく『無限の住人』という映画そのものの魅力であったのだけれども、いうまでもなくそれは伝わってこない。私たちはこの映画に関心のもちようさえないのである。木村拓哉ならテレビででも観られる。で、映画館には足が向かない。



さて、ここからは木村拓哉の方向性、スタンスの問題である。先ほどから繰り返しているように一貫して好感度の高い大スター然としておられる。であるからそれほど積極的に自分からその場をなごませたり、おもしろくしようとしたりはしない。まあ、よきにはからえな感じである。



ジャニーズ事務所がそれでいこうと押しているのだからそれはそれでいいのかもしれないけれども、見るところ木村拓哉にはそれしかないのではないか、そういう態度しかとれないのではないか、と危惧してしまうのである。どうしてもフリートークはスムーズにいかないし、アドリブも効かない。



であるから木村拓哉にはボケになるのかツッコミになるのか、とにかく言葉や態度の端々からいちいち話題を拾ってフォローしてくれる相方が必要なのである。翻訳者といってもいいかもしれない。



そうした支えがなく、ぽつんとピンで立たせられては、SMAPの5人が1人になってしまったという引き算の寂しさばかりが際立つ。あの4人がいたらもっと話が転がせたしイヤミな感じも中和させられたのに……。



なのでその点を考えれば、男2人が主人公クラスで活躍するドラマなり映画なりが突破口になるかもしれない。大泉洋(44)& 松田龍平(33)の『探偵はbarにいる』、水谷豊(64)& 寺脇康文(55)の『相棒』、古くは国広富之(64)& 松崎しげる(67)の『噂の刑事トミーとマツ』、おお、そういえば田原俊彦(56)& 野村宏伸(51)のびんびんシリーズもあった。



木村拓哉がワンパターンの演技から脱却し、大泉洋あたりを相方として面倒を見てもらうことができればある程度の人気復活はできるのではないか。と思う。2018年公開予定の映画『検察側の罪人』では二宮和也(33)と共演予定らしいけれども、二宮和也ではボケもツッコミも、いわんや翻訳装置の役割は難しい。おお、頼まれてもいないのについいろいろ考えてしまう私は親切でいいヤツではないか。



とはいえ、それにしてもそれはジャニーズ事務所がある程度の“木村イジリ”にGOを出さなければムリな話である。全国行脚中の4月10日に放送された『さんタク』(フジテレビ)が大失敗に終わったことでもそれは明白であろう。このままの“キムタク二枚目大スター縛り”では、あの明石家さんま(61)でもいかんともしがたいのである。



かくして木村拓哉は下の記事にあるようなチヤホヤした空気のなかでデクノボーのごとく立ち尽くしている。



《木村がわが街にやってくると、地元テレビ局も大わらわ。この日の名古屋では共演者の杉咲花(19才)とテレビ6媒体の収録を行ったが、普段芸能人になれているテレビ局関係者も興奮を隠せない様子でこう話した。

「木村さんが来るというだけで雰囲気はガラリと違いました。取材クルー以外のスタッフたちも一目見ようと現場に集まってきました。やっぱり特別なんだよなぁ。『無限の住人』がカンヌ映画祭に選出されたこともあって、インタビューは盛り上がっていたようです。廊下まで笑い声が聞こえていました」》(「女性セブン」2017年5月4日号)



SMAP解散後の木村拓哉に期待したのはむかしのままの木村拓哉ではなく、騒動を通して何かを学び、成長した木村拓哉であった。しかしいまのところはあいもかわらず、である。



細かなことになるけれども、あの話し方もなんとかならぬか。よくよく聞けば「やべえ」「マジで」「いくんすか?」とあいかわらずガキっぽい。顔面はもうすっかり老けこんでいるというのに。まったく不快である。44歳のオトナにふさわしいものいいをお願いしたい。



いつまでもこれまで通り、むかしのままは通用しないのだ 。仮にSMAPの騒動などなにもなかったとしても、いまはアイドルからの脱皮を計らなければならない時期と重なっている。なんとかここでズルリとひと皮むけていただきたいものである。それともやはりこれから先、少なくとも数年間の沈潜を強いられることになるのかなあ。(了)



OCN モバイル ONE データ通信専用SIM 500kbpsコース


CMで話題のコスメやサプリがSALE中☆


【DHC】最大70%OFFのSALE開催中!




0 件のコメント:

コメントを投稿