宗教団体「幸福の科学」に出家し、「千眼美子(せんげん・よしこ)」の法名で活動していくことを発表した清水富美加(22)と芸能プロダクション「レプロエンタテインメント」の契約が5月20日に終了した。
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発表は「レプロエンタテインメント」と「幸福の科学」それぞれのホームページ上で同時に行われたらしい。それぞれのコメントの全文をご紹介しよう。とはいえ2つのコメントは一字一句まったく同じで、自分と相手方の呼称が入れ替わっているだけである。お読みになるのはどちらかひとつで十分である。
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そんなものをわざわざ2つ並べたのは、ここに芸能界刷新への希望が潰えたその墓碑銘として掲げておきたいからだ。世のなか結局こんなもんざんす。なかなか前に進まない。
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※レプロエンタテインメントのコメント
【清水富美加 契約終了につきまして】
ファンの皆様方、関係者の皆様方 平素は格別のご高配賜り、厚く御礼申し上げます。
この度、弊社と所属タレント・清水富美加との間で締結しておりました専属芸術家契約が、今般、終了致しましたことを、ご報告申し上げます。
これまで長年に渡り、清水富美加を応援して頂いたたくさんのファンの皆様方、支えて頂いた関係者の皆様、お仕事に起用して頂いた様々な企業様には、心より感謝申し上げます。 誠にありがとうございました。
また皆様には、一連の騒動により大変なご心配とご迷惑をおかけいたしましたことを心よりお詫び申し上げます。
今後ともご支援とご愛顧のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。
2017年5月20日
株式会社レプロエンタテインメント 代表取締役社長 本間 憲
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※幸福の科学のコメント
【株式会社レプロエンタテインメントとの契約終了につきまして】
ファンの皆様方、関係者の皆様方
平素は格別のご高配を賜りまして、厚く御礼申し上げます。
この度、私と株式会社レプロエンタテインメントとの間で締結しておりまし
た専属芸術家契約が、今般、終了致しましたことを、ご報告申し上げます。
これまで長年に渡り、私を応援して頂いたたくさんのファンの皆様方、支えて頂いた関係者の皆様、お仕事に起用して頂いた様々な企業様には、心より感謝申し上げます。
誠にありがとうございました。
また皆様には、一連の騒動により大変なご心配とご迷惑をおかけいたしましたことを心よりお詫び申し上げます。
今後ともご支援とご愛顧のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。
2017年5月20日
千眼美子(本名・清水富美加)
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清水富美加が突然、出家を表明した今年2月の段階では、その2月いっぱいでの契約解除を求めていると伝えられていたけれども、結局は当初からの契約期間通りの5月20日をもって契約終了となったわけである。
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問題の立ち上がりのところを改めて眺めてみよう。
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◆2月12日
清水富美加が「幸福の科学」を通して直筆メッセージを公開し、出家を報告。同日「幸福の科学」が記者会見。内容は以下の通り。
※「ビジネスジャーナル」2017年2月14日配信【出家・引退騒動の清水富美加、重大な契約違反か…奴隷労働の有無や損害賠償めぐり裁判か】より
《—〈略〉—
幸福の科学は同日会見を開き、レプロにおける清水の労働実態について「芸能界にしばしば見られる奴隷契約、そうした雇用、就労関係があった」と述べ、次のように批判を展開した。
「当初は歩合制であったものの、事務所は何もしてくれなかった。次第に稼ぐようになったら、事務所から月給制を持ち出された。お父様から事務所に『厳しいのではないか?』とお話ししたところ、仕事を干された」
「清水さんは『仮面ライダー』シリーズのオーディションに自分で申し込み、役を射止めましたが、睡眠時間3時間で1カ月31日働いても月給制。ボーナスは支給されなかった」
「嫌な仕事の典型は、水着のDVDであった。性的対象にされるのが嫌で事前に拒否していたにもかかわらず、『もう決まっている』と無理に入れられてしまった。仕事を断ると干されるという恐怖の中で仕事をしていた」
「弁護士に依頼し、迷惑をかけないよう今の仕事をどう整理していくのかという段階になったけれど、事務所に相談すると『せめて決まっている仕事はやってもらわなきゃならない』という、聞く耳を持たない強硬姿勢に出られました」
ちなみに幸福の科学は、清水がレプロから給与を月額5万円とする契約を迫られ、受け入れていた時期もあったとしている。》
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◆2月12日
「レプロエンタテインメント」が会見。
《出家の事実を認める一方、幸福の科学側の主張について「事実と違うところが多く含まれている」と否定。さらに「やりたくない仕事を押しつけたことは一切ない」「仕事の内容、仕事量に見合う適切な報酬を支払ってきた」と反論した。
—〈略〉—》(前掲「ビジネスジャーナル」)
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◆2月14日
「レプロエンタテインメント」が本間憲社長名義でコメントを発表。「連日の報道の中で様々な憶測が飛び交っておりますが、弊社といたしましては、当初から一貫して、清水富美加本人の意思を最大限尊重し、可能な限り本人の希望に沿う形で円満に話を進めていくつもりでおります。」と主張。
※本間憲社長名義のコメント全文とさらにこれに対する「幸福の科学」の反論の全文は末尾《備考》に添付。
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つまり、この問題の立ち上がりの時点では2月14日の「幸福の科学」の記者会見で語られた「芸能界にしばしば見られる奴隷契約、そうした雇用、就労関係」の有無あるいはその是非が「幸福の科学」と「レプロエンタテインメント」とのあいだの争点だったのである。
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で、時は移り日は変り5月20日、契約は終了した。しかしたとえば総額10億円といわれた違約金(「アサ芸プラス」2017年2月23日配信【清水富美加は違約金を払わずに済む?10億円と言われる損害の行方は!?】)の処理がどうなったのかは明らかにされていない。であるからこれですべて契約問題が解決したのかはわからない。
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それはわからないけれども、とうぜんながら水面下で交渉がもたれている、あるいはもたれていたことはわかった。お互いの利害関係が厳しくしのぎ合っているからこそ、契約終了を報告するコメントにも一字一句、神経質にならざるを得ないのである。
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ああ、そういえば清水富美加の契約終了のコメントの最後の一文「今後ともご支援とご愛顧のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。」を取り上げて『デイリースポーツ』(2017年5月20日配信)は「芸能活動継続への意欲ともとれる文章を記している。」としている。
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しているけれども、「レプロエンタテインメント」とまったく同一の文章でなければならない以上、これは書かざるを得ない文章なのである。『デイリースポーツ』は「レプロエンタテインメント」からのコメントも読んでいるはずなのに、わかるでしょ!! そんなことくらい! 下心ミエミエ、武井咲(23)の『黒革の手帖』は絶対ムリムリなのである。
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もとい。たとえば極端な話、違約金の割合負担でこちらが少し多くなってもかまわないけれどもこの事実については一切不問・口外無用にしてくれ、という話し合いがされている可能性もある。これは条件闘争である。お互いの得失のバランスを考えて落しどころをどこにするかを交渉するだけのお話。
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「レプロエンタテインメント」はとりあえず契約期間は在籍させたし、清水富美加=「幸福の科学」はこの間レプロエンタテインメントの仕事は一切していないので、かたや名前、かたや実質をとっておあいこな感じである。あーよかったよかった。うれしくて涙が出る。
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清水富美加の出家・事務所からの逃避問題のそもそもの原因は「芸能界にしばしば見られる奴隷契約、そうした雇用、就労関係」にあったのであり、これが問題の本質なのである。つまりこれは条件闘争で終わるものではなく、いってみれば理念で闘われるべきテーマだったのである。
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しかるに、しかるに、しかるにあーしかるに、「幸福の科学」は条件闘争に乗っかってしまった。条件闘争に乗っかったということは理念闘争を放棄したということである。たとえば理念としてまったく認められない相手となにがしか条件を話し合うなどということはありえない。
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あーあ、理念に生きるのが宗教というものではないのか? 宗教から理念を取ったら何が残る? 宗教団体であるなら理念を闘わなければなにを闘うの? である。
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かくしてまた日本の芸能界はなにごともなかったかのように奴隷契約を繰り返すのである。そして新たな能年玲奈(23)や清水富美加が生み出されていく。契約終了が発表された4月20日の清水富美加(千眼美子)のツイートがある。以下全文である。
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《1人じゃ絶対に、無理でした。
いつの日も。今も。
本当にありがとうございました。
ありがとう、も
すみません、も
言うだけしかできないのは絶対に嫌だ。
だからこれからは、もっと強く
もっと自由に、頑張ります。》
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傍から見れば大きな問題を残したうえでの契約終了だけれども、それすらも芸能人一人のチカラではどうにもならないというのである。お先真っ暗くらくらじゃん、日本の芸能界。「契約満了」といわず「契約解除」ともいわず「契約終了」なんていうところもぜんっぜん気に食わねえんだよう、なんだかよう。(了)
《備考》
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◆2月14日
「レプロエンタテインメント」代表取締役社長 本間憲のコメント全文
【大切なお知らせ】
ファンの皆様、及び関係者の皆様へ
平素は大変お世話になり誠に有難うございます。
この度は、弊社所属タレント・清水富美加の「出家」に関する一連の報道において、お騒がせしており誠に申し訳ございません。
日頃より、清水富美加を応援してくださっているファンの皆さま、そして関係者の皆様にはご心配とご迷惑をおかけしておりますことを、深くお詫び申し上げます。
本件につきまして、改めて弊社が把握している事実及び弊社の方針をご報告させていただきます。
本年1月末頃、清水富美加本人から弊社スタッフに、幸福の科学に出家すること、そして出家に伴い弊社との契約を終了させたいことの希望がございました。
弊社としては、突然の告白に大変衝撃を受けましたが、出家及び契約の終了について一切の否定をしておりません(ただし、契約の終了時期につきましては別途協議の申入れをしております)。
もっとも、お取引先等の関係各位にご迷惑をおかけすることのないよう、既に決定しているお仕事に関しては、プロフェッショナルとしての責任を持ってやり遂げてもらいたいという弊社の思いから、本年2月2日から弊社代理人弁護士と清水富美加の代理人弁護士との間で、契約終了の時期について協議を進めてきた次第です。
連日の報道の中で様々な憶測が飛び交っておりますが、弊社といたしましては、当初から一貫して、清水富美加本人の意思を最大限尊重し、可能な限り本人の希望に沿う形で円満に話を進めていくつもりでおります。
現在、上記方針のもとで、弊社の代理人弁護士が清水富美加の代理人弁護士との間で協議を行っている最中でございますが、本件が一刻も早く解決に至り、皆様にご報告ができますよう鋭意努力して参る所存でございます。報道関係者各位におかれましては、どうかご理解・ご配慮をお願いしたく存じます。
末筆ながら、このたびの騒動につき、皆様にご心配とご迷惑をおかけしておりますこと、重ねてお詫び申し上げます。
株式会社レプロエンタテインメント
代表取締役社長
本間憲
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◆2月14日
「幸福の科学」の反論のコメント全文
【レプロ声明に対するコメント】
本日夜、清水富美加さんの出家に対して、レプロ側はウェブサイトに「大切なお知らせ」と題する声明を出しましたが、重要部分で事実に反したものです。
レプロ側は、「出家及び契約の終了について一切の否定をしておりません」とし、「既に決定しているお仕事に関しては、プロフェッショナルとしての責任を持ってやり遂げてもらいたいという弊社の思いから、…弁護士との間で、契約終了の時期について協議を進めてきた次第です」と述べています。
たしかに富美加さんの弁護士とレプロ側の弁護士とは、2月1日から文書で交渉を開始し、2日には面談で交渉を行ないましたが、そこでは契約終了の時期と契約終了までの仕事の整理をどのようにするかにつき、協議を進めることで一致したはずでした。
ところが、レプロ側は、これまで抑圧され我慢を重ね、体調を崩しながらも頑張り続けてきた富美加さんの状態を一切考慮せず、すでに入っている仕事をすべてやり遂げよと押しつけて来ました。そのレプロ側の強硬な姿勢に、まずはなんとか2月中の仕事の大半を責任をもってやり遂げようと努力を重ねていた富美加さんは、心身の状態がさらに悪化し、2月8日以降、不本意にもドクターストップで仕事をすることができなくなったのです。
この交渉経緯は、レプロ側の健康管理を軽視する体質を典型的に示したものです。
当教団といたしましては、富美加さんの健康状態の悪化に関するレプロ側の使用者責任に思いを致し、解決に向けて協議してまいります。
幸福の科学グループ 広報局
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