おもしろいものを見つけました。地球を覆う神経系だ、とか、人類を進化に導く、とか、そもそもの期待の大きさに比してガックシな役割しか果してこなかったインターネットが、ついにその期待を少しだけ現実化するかもしれません。
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◆『GIGAZINE』2018年6月4日配信
【ブロックチェーンをベースにした新興宗教が誕生】
《 仮想通貨に使われる技術「ブロックチェーン」をベースにした宗教「0xΩ」の存在が発表されました。0xΩは宗教活動をブロックチェーンを通じて行うというもので、創設者は「最高権威」という立ち位置になく、また信仰内容は信者が変更できるという、一般的な宗教とは異なる仕組みが取られています。
仮想通貨「Ethereum(イーサリアム)」の予測市場プラットフォーム「Augur」を創業したMatt Liston氏は、2018年5月19日にニューヨークで行われたイベントで「0xΩ」という宗教の存在を発表し、0xΩがどのように機能するのかということを記した「flame paper」という資料を配付しました。この資料には0xΩの聖典としての役割もあり、聖なる言葉も記されていたそうです。
今日の宗教の多くでは、信条や決定がトップの人々によって行われ、信者はそれに従う形であり、平均的な信者は宗教の核である信仰には影響を与えません。しかし、0xΩの場合はブロックチェーンを通じて信者が信仰に関する文書を変更し、特定の慈善目的で寄付を募ることが可能になります。
Liston氏はイベント内て「宗教的なフレームワークがあれば、信仰が迅速にアップデートされ、また人々が宗教として信じることに対する合意形成と構成員との関係が民主化されるのです」という内容を語りました。テクノロジー系のニュースを扱うFuturismは、Liston氏の考えの根底にあるのが「ブロックチェーンは信仰において権威による統治を不要にする」という発想だと指摘しています。
ブロックチェーンは分散型でありハッキングが難しいため、信仰について議論を交し、投票を行うための優れたプラットフォームとして機能するとのこと。そして、1つのトピックにおいて合意が得られなかった時は、ハードフォーク(派生システム)によって1つの宗教を2つに分けることも考えられます。「この宗教において、参加している人々は必然的に投票を行い、絶えず0xΩの構造や性質を変化させていくことになります」とSinger氏は語りました。
Liston氏は宗教を立ち上げることで、信者を増やし、寄付金を集めやすくなると考えている模様。過去の研究から、人はお金が使われる用途がわかっていれば、寄付に対して寛大になる傾向があることがわかっているため、信者に信仰内容に関わる「力」を与えることによって寄付を増やそうという考えのようです。
またListon氏は0xΩを立ち上げましたが、自分自身を「最高権威」にあるとは見なしていません。そして、0xΩから利益を得ようとも考えておらず、プロジェクトが始まればむしろ自分自身も寄付を行う予定であることを明かしています。 》
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Ωがオメガなのかオームなのか記されていませんけれども、ゼロに掛け合わされるのですからオメガ(最終・究極)なのでしょう。
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0xΩがおもしろいのは、それが宗教だということです。なにをもったいぶっているのだか。「宗教」や「信仰」には無数の定義があって、それらはたとえばおおまかに「無限なるものを認知する心の能力」によるもの、「ひたすらなる依存感情」によるもの、「人間の原初的、無意識的、生得的な無限感覚」によるもの、とグループ分けされたりします。
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ですから教義も組織も活動もないこの段階では、0xΩは宗教であるということはすなわちなにものでもありません。ゼロになにを掛けてもゼロ、オメガを掛けてもゼロ、なわけです。
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5月19日のイベントで配布された「flame paper」に記されている「聖なる言葉」がどんなものかはわかりませんけれども、とりあえず最初の言葉が書かれ、それについて議論がはじまり、承認された教義めいたものが生れればそれはなにものでもないものから宗教が誕生した、ということになります。
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それはおそらくたいへんにゆるい、おおまかな枠組みに留まるでしょうし、それすらも不可能かもしれません。ワタクシたちはそれぞれの文化的・宗教的バックボーンをもち、その規範、態度を擦り込まれているからです。
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たとえば「人を殺してはいけない」ということにすら、さまざまな注釈や例外条項が際限なくぶら下がろうとするでしょう。もし家族が殺されたら? 親友や恋人が殺されたら?
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そんなことで議論は果てしなく堂々巡りを続けますが、それでもそうした、誰でも参加可能な、これまでになかった議論の場が生まれることはたいへんに意味のあることだと思います。
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実利、実際的な効用のみを重視する人々は寄付が集めやすくなる、あるいはなにものも経由しないで必要とする人や組織に直接寄付ができるようになることに注目するかもしれません。しかし0xΩの最大の貢献は議論の場の提供です。
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でもって、全員参加で民主的に議論して議論して議論してどこへゆくのか? ふつうは性善説に沿う方向をイメージします。しかしワタクシの場合、最後の最後の土壇場で、種としての人間はとんでもなく性悪だった!! という結末が予定されているような気がしてならないのです。アーサー・C・クラークの小説『幼年期の終り』みたいな。
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『幼年期の終り』とは、あるとき宇宙人が飛来して地球を管理下に置き、国家機構を解体させて平和な世界をつくり出す、しかし宇宙人は決して生身の姿を現そうとせず、それは50年後に公開する、と約束する、そして50年後に約束通り現れたのは悪魔の姿をした宇宙人であった、そして……。というSFですね。0xΩはなんだかそういう感じがするのです。途中で人工知能の邪魔が入ったりして、と考えるとおーもしろいじゃ、あーりませんか(by財津一郎)。
そんな感じしません? いやただの金集め? そうかもしれませんけど。(了)
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