2019年2月16日土曜日

大泉洋は果たして芸能界で生き残れるのか?



映画が「斜陽産業」と呼ばれていたのはいつのことだったのでしょう? そうですか。1950年代に黄金時代を迎え、60年代後半には早くもそう呼ばれていましたか。テレビにやられてしまったわけですね。



そしていまでは映画産業の陽は傾くどころかとうに深く沈み切ってしまっていて、しかもその暗黒の夜はいつ明けるとも知れず、技術やソフト面での貢献も期待できず、すでに過去の産業と呼んだほうがふさわしい実態なのかもしれません。日本の場合。



映画評論家町山智浩(56)によりますと邦画の制作費はだいたい1本1000万円から1億円。平均5000万円程度なのだそうです。うむ、安い。安過ぎてハリウッドと較べる気にもなりません。けれども較べてみると、ハリウッドでは低予算でもだいたい50億円はかけているそうです。大作になるとその4、5倍。



それを200億円とすれば5000万円の邦画400本分ですよ。ああん、日本の年間映画製作本数はだいたい600本前後ですから、わが国映画産業の年間の3分の2をアメリカの大作映画1本分でまかなえることになります。



デレビの場合も見てみましょう。民放ドラマの制作費は1本2000万円〜5000万円。1クール3ヵ月間をイレギュラー分を除いて11回とすると、全体では2億2000万円〜5億5000万円。最高ランクのNHK大河ドラマになると1本約6000万円、1年間通すと約30億円。



民放ドラマ1本分とほぼ変らない予算で制作されているのですから、映画ヤバいす。なんだかYouTuberみたいです。ですから、なんというのでしょう。ホームドラマみたいなヤツとか青春胸キュンものとかどーでもいい感じの作品を濫造してしまっているわけですね。まるで制作→配給→映画館上映という従来からのシステムを維持するためだけみたいに。



そのうえさらに、ですよ。映画館での興行収入だけで元が取れれば御の字で、実際はDVD販売、配信、レンタル、公民館での上映などの二次使用や海外への販売でようやくプラスになるかどうか、といいますからたいへん厳しゅうございます。回収までにたっぷり時間もかかりそうです。小栗旬(36)でなくてもハリウッドに行きたくなる気持、よーくわかります。



ちなみにテレビのバラエティ番組の制作費を調べてみると1本200万円〜300万円(『タモリ倶楽部』『パネルクイズ アタック25』)から最高で3000万円(『世界の果てまでイッテQ!』)でした。



先ほど「ホームドラマみたいなヤツとか青春胸キュンものとかどーでもいい感じのモノ」、と書きました。これらはいまのテレビではなかなか視聴率が稼げない、したがって放送されないジャンルです。つくるのメンドくさいし。しかし最初からマスの小さな映画なら確実に一定数の潜在視聴者層は見込めるのでついつくってしまうわけですね。つまり映像産業は、いまは完全にテレビを補完する位置にある、というわけです。



ところでワタクシ、いったいなにを申し上げたいのかと申しますと、このところまるで気の触れたかのごとく出演映画の封切りラッシュが続いた大泉洋(45)の芸能界での位置づけ、意味はどんなものであろうか、と考えていて、主戦場のように見える映画はどうなのかなあ、と覗いてみて驚いたというところでございます。



映画はもはやかつての映画ではなく、むしろある意味ではテレビよりもプアだという事実を知ったのですね。それで映画界のなかの異物としての大泉洋、というこっそり胸に秘めた目論見は水の泡に消えてしまいました。いまや映画界は人さまを異物扱いできる地位にいないのです。



まあ、なんというのでしょうか、ワタクシいつもいつもこんなロクでもない連想ばかり働かせているわけですけれども、いまの大泉洋をたとえれば映画の栄華の残飯をあさる野良犬、屍に群がるハイエナ、天パーのハゲタカ、な感じでしょうか。



アマチュア演劇からテレビ・映画の世界へ、というのもいまやまったくめずらしくはありません。というよりほぼメインストリーム。大泉洋はヤング植木等でもありますし、新しいものはなにひとつなし。TEAM NACS含めて二番煎じ、三番煎じのエピゴーネンなのです。



それが重宝がられるのは、なにも舞台挨拶で客を湧かせられるからではなくて、新しいものをつくり出そうという情熱が全体に失われているからでしょう。また、カリスマ的スターがたいへん誕生しづらい環境ができてしまっているので、それならお手頃で身近なタレントで使い勝手のよいほうがいい、ということもあるでしょう。



しかしいつまでもそうした便利屋稼業でやっていけるわけでもありません。とくにお笑い系タレントとしてはすでに出し切ってしまっている感じがあります。さらに基本的にツッコミ芸なので、相手がいないとおもしろさが発揮しきれません。まだまだ誰かをイジってなんぼの段階です。



これから芸能界で生き延び、さらに成長するためにはコメディアン大泉洋というものをそろそろ確立しなければならないのではないか、とワタクシは思いますね。たとえば植木等(享年80)の日本一の無責任男や渥美清(享年68)のフーテンの寅のように、演じるキャラクーを創出する。それで映画をヒットさせる。



志村けん(68)のバカ殿様ですらそこまではたどり着いてはいませんし、いまの時代、それが可能かどうかもわかりませんけれども、とりあえずそれができなければやがてグズグズになって飽きられるほかありません。



大泉洋、いまが胸突き八丁の勝負どきです。「食べることが大好きで……」などと品のない食事風景を晒している場合ではありません。頑張っていただきたいものだと思います。(了)



 † 高橋英樹の頭部は30㎏ある

 †† 内村光良(54)、松本人志(55)、大友康平(63)。トシをとって鼻が大きくなった男たち

 ††† かわうそがかわうそう




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