2016年4月4日月曜日
寺内樺風とその父親に垣間見える共通項、現実逃避
みなさん、こんにちは。謝罪文評論家、ごめんねジローです。とはいえ、これまでには石井竜也(56)、清原和博(48)、乙武洋匡(39)、乙武洋匡の妻仁美(37)、の合計4名の謝罪文しか読んだことがありません。
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これらのなかで最も古い謝罪文は石井竜也と清原和博の2016年3月17日付のものですから、私の謝罪文評論家としてのキャリアもこれでようやく満2週間少々ということになります。満2週間!!
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竜也と和博の謝罪文については3月18日、 乙武洋匡、乙武洋匡の妻仁美の謝罪文については3月30日の当ブログでふれてあります。ご興味のある方はぜひ冷やかしてみてください。
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で、これまでに培ったたいへん貧弱な経験から申し上げますと、私、世の中に謝罪文ほど調子のいい文書はない、くらいに思っております。なぜかといいますと、ひとつの文書で、まずは謝り、でかしたことの経緯とこれからの対応を説明し、許しを請う、という4つの役割を同時に担わなければならないからです。
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謝罪文を受け取ったほうからすれば、謝られたと思ったらすぐに許してくれ、です。これ、面会しての謝罪に置き換えて考えれば、やはりずいぶん調子のいい話ではないでしょうか。
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なかには、謝罪文を読みはじめたすぐの段階で、許してほしい気持ちが下心のように透けてきて不快な気分になる場合があります。いままでに読んだ4通はすべてそんな感じでした。
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それと、「謝る」部分と「許しを請う」部分は、これはもう100%自分の主観にもとづいて、それこそ真心を込めて書かなければなりません。しかし「でかしたことの経緯」と「これからの対応」については主観ばかりでは困るわけで、冷静で客観的な記述も求められます。
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すると、どうしてもアタマのなかで主観と客観をつかいわけつつ考えて書く、という作業になるわけです。これでほんとうに申しわけない気持ちになれるのか、反省できるのか、といえばそうではないわけで、結局、技巧に走った調子のいいやりかたになってしまいます。ジロー、なんだがクドクド七面倒くさくてごめんね。
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まあ、謝罪文というのは、そもそもが調子のいいものである、ということです。効率重視で簡便に、とっとと謝っておこうね、というのが謝罪文の本質です。本来であれば直接、相手方と顔を合わせて謝るのが筋なのですから。そうです。まず、お詫びに1回、事情説明に1回、許しを請いに1回、と計3回足を運べば、だいたい意を尽くしたことにはなるのではないでしょうか。
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と、いうわけで、さて今回の謝罪文は「e防犯.com 代表 寺内 聡」の謝罪文です。「e防犯.com 代表 寺内 聡」というのは、埼玉県朝霞市で起きた女子中学生誘拐→監禁事件の犯人、寺内樺風(23)の父親です。
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とりあえず、以下に全文を掲載しておきます。改行や行開けについてはこちらで調整しましたので、実際にe防犯.com ホームページ上に掲載されたものとは異なっているかもしれません。
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【弊社近親者に関する報道についてのお詫び】
2016/03/28、弊社近親者に逮捕状が出され身柄が確保されたという報道がございました。
お客様、お取引先様をはじめとする関係者の皆様には、多大なるご心配とご迷惑をおかけ しておりますことを、深くお詫び申し上げます。
事件の詳細につきましては、警察にて捜査中でございますが、弊社では、このような事態を招いた責任を重く受け止め、当面の営業を自粛させていただきますとともに、今後、事実関係を調査し、厳正に対処してまいりたいと考えております。
社会の防犯に努める立場にある組織として、関係者の皆様に対しましては、大変申し訳なく 深くお詫びを申し上げる次第でございます。
関係各位の皆様には、引き続きご心配とご迷惑をおかけいたしますが、現況についてのお詫びと ご報告を申し上げます。
e防犯.com 代表 寺内 聡
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監禁されていた女子中学生が自力で脱出し、保護されたのが3月27日。即日、寺内樺風が容疑者として指名手配され、翌28日に逮捕されました。この謝罪文が掲出されたのはその4日後の4月1日だろうといわれています。
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一見して、ずいぶんとっちらかっているなあ、という印象です。まず【弊社近親者に関する報道についてのお詫び】というタイトルからして地に足がついていません。あたりまえですけれども、ここは報道についてお詫びするのではありませんから「報道されております〜につきましてのお詫び」であるべきです。
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「2016/03/28」という日付の書き方、通常のビジネスレターでもあるまいし、論外。礼を失しています。で、この次がさらに問題です。「弊社近親者に逮捕状が出され」。タイトルの修正のなかで「〜」で示した部分に関連するところです。
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「弊社近親者」とは何者か? ということですね。会社に近親者がいるのか? 会社に家族があるのか? 会社が家に帰って家族団らんのテーブルを囲むのか? と。まあ、揚げ足取りといえば揚げ足取りです。事件発覚の直後で気が動転しているのもわかります。
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しかし、ここはふつうは「弊社代表取締役 寺内聡の近親者」ですね。そしてこうした場合は「弊社」がこの謝罪文の主語、主体になります。あるいは「私、 寺内聡の近親者」ですね。そうすると、「寺内聡」個人が主語、主体になります。
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続けて読んでいきますと「弊社では、このような事態を招いた責任を重く受け止め、当面の営業を自粛させていただきますとともに、今後、事実関係を調査し、厳正に対処してまいりたいと考えております。」という部分が告知の中心になっていると考えられますから、「弊社」つまり法人格の「e防犯.com」が主語、主体と考えられます。
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さて、ではなぜ「弊社代表 寺内聡の近親者」と書かずに「弊社近親者」などというわけのわからない書き方になってしまっているのでしょうか? 現実を直視できていないからです。
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【弊社近親者に関する報道についてのお詫び】という妙ちくりんなタイトルにしてもそうです。正しくは「報道されております弊社代表 寺内聡の親族逮捕の件につきましてのお知らせ」でしようね。
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会社すなわち社長という個人商店レベルの経営感覚があるのかもしれません。「e防犯.com」は通販事業を手広くやっていたという話なのですが、すでに同社のホームページは謝罪文のペラ1枚だけになっていて、正確な事業規模などは、こちらでは把握できていません。
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しかしともあれ、防犯グッズの販売会社なのですから、ここは営業自粛などではなく、潔く、即刻、社長退任でしょう。あとのことはそれからです。社長がいなければ潰れるというなら潰すしかないでしょう。その辺りのことはどうなっていることやら。
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そしてこれは犯人の寺内樺風の父親の寺内聡とはさらにまた別人格の「 e防犯.com」が主体なので、事件の被害者、被害者のご家族、関係者の方々に対するねぎらいの言葉はもちろん必要ですが、謝罪する立場にはないと思います。謝罪するのは寺内樺風であり、その父の寺内聡です。この事件に関しては親の責任も問われるべきだと思います。
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そういえば、取調中の寺内樺風の口から、被害者やご家族、関係する方々への謝罪の言葉はあったのでしょうか? 樺風の謝罪の言葉といえば、逮捕時にもっていたレシートの裏に走り書きされていたという「大変な事件を起こしてしまった。家族に申し訳ない」しか伝えられていないように思います 。
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一昨日のこのブログにも書きましたけれども、これは誰にあてて書いたものなのでしょう。「大変な事件を起こしてしまった。家族に申し訳ない」。妙に客観的な書き方。ここにも現実を直視できない人間がひとりいるようです。
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あと、おまけですけれども、寺内樺風の事件について、在籍していた千葉大学がホームページに掲出している告知の全文をご紹介しておきます。世間ではこれを「謝罪文」だとしていろいろ批判をしています。
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でもこれ、「謝罪文」ではなく大学側の対応についての告知です。「多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。」と書いてあることが本題ではありません。これは、いってみれば、ねぎらいのごあいさつです。
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ですから寺内樺風への処分についても、謝罪のためではなく、大学内部の規定にしたがって行われたものです。ここのところが微妙にズレたカタチで報道されていて、千葉大学の担当者も嫌な思いをしていると思います。と、いうことと資料としての保存のためだけの転載なので、面倒くさければスルーしてください。(了)
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【本学の学生による不祥事への対応について】
掲載日:2016/03/31
平成28年3月31日 国立大学法人千葉大学 学長 徳久 剛史
このたび、本学工学部の学生が、未成年者誘拐の容疑で逮捕されたことは、誠に遺憾であり、事件の被害者の方・ご家族のみなさまはもとより、地域のみなさま、世間のみなさまに多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。
現在、本学として、下記のように対応しております。ご報告申し上げます。
3月29日(火)、工学部の教授会において、本学の「学位授与の方針(※1)」では、社会規範の遵守を求めているところ、当該学生の行動は懲戒処分事由(※2)が疑われ再考の必要があるため、一旦、卒業認定及び学位授与を取り消し、卒業を留保することを決定しました。
また、本学は同日、学生懲戒委員会を設置しました。今後は、捜査等のゆくえをまって、当該学生の処分について、検討していく予定です。
なお、千葉大学学則第14条により、「学年は、4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。」とされており、当該学生の大学における学籍は、「3月31日」まで存続しています。
※1 千葉大学 学位授与の方針(抜粋) 「自由・自立の精神」...自立した社会人・職業人として、自己の設定した目標を実現するために自ら新しい知識、能力を獲得でき、自己の良心に則り社会の規範やルールを尊重して高い倫理性をもって行動できる。
※2 千葉大学学生の懲戒に関する規定(抜粋) 第3条(停学の基準)二 学内又は学外において重大な非違行為を行った場合 第4条(放学の基準)四 学内又は学外において重大な非違行為を行った場合で、特に悪質と判断された場合 第5条(悪質性及び重大性の判断)第3条第3号及び前条第3号から第5号までにおける悪質性は、当該学生の主観的態様、当該非違行為の性質、当該非違行為に至る動機等を勘案の上判断する。 2 第3条第2号及び前条第4号における重大性は、当該非違行為により被害を受けた者の精神的苦痛を含めた身体被害の程度、非違行為が社会に及ぼした影響等を勘案の上判断する。(以上)
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