2015年9月2日水曜日

人として耐えられない? どこのボンボンだよ、佐野研二郎





「明石家さんま『テレビの一番の敵』はスマートフォンだと語る」というネットの記事を見つけたので読んでみた。例によってMBSラジオ「ヤングタウン土曜日」での喋りをそのまま書き起したような記事である。



それによると、さんまは最近ようやくガラケーをスマートフォンに変え、同時にLINEをはじめたらしく、ゲームだの、際限のないやり取りだの、YouTubeだので、あっというまに時間が経ってしまって驚くほどだというのである。なにをいまさらのネットサーフィンである。



で、「自分らも動画撮ったりして。YouTubeに上げたりして、素人がスターになったり」。「そんなもん、もうタレント要らないよね〜。もうこれは我々の一番の敵はスマホやね」だったのだそうである。



要するにスマートフォンはテレビに振り分けられていた視聴時間を奪う、YouTubeに登場する素人はタレントの仕事を奪う、ということである。情けない話である。どうしても見たい番組をつくろう、素人に負けないプロの芸を見せよう、というふうには考えないのである。


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テレビもゲームやネットサーフィンも横並び、素人もプロのタレントも横並び、そんな感覚なのである。芸歴41年、お笑い界のトップを走り続ける明石家さんま(60)にしてそうなのである。これはかなりショッキングな話である。ああ、もうほんとうにテレビは終わってしまったという感じがある。



しかもここへきて、アマゾンやネットフィリックスなどの大手が相次いで定額制動画配信サービスに参入しているのである。およそ月額1000円前後という安さなのである。既存のテレビ局は戦々恐々としているのである。近い将来、ニュース番組、情報番組しか残らないのではないか、という説もあるくらいなのである。



NTTドコモがiモードサービスを開始したのは1999年、iPhoneが国内導入されたのは2008年である。ここからスマートフォンの時代が突っ走りはじめたのである。しかし実はこの間にもうひとつ、テレビの寿命を著しく縮めた出来事が起こっているのである。2005年12月8日の、AKB48誕生である。



独り立ちするのはとても無理そうな、ごくふつうの女の子たちが群れをなして歌い踊るアレである。なかなか嫌みな書き方になってしもうたやないか? それにしても正味の話、歌や踊りのレベルはキャバクラのショータイムとそう変わらないのである。素人もプロのタレントも横並び、という状況を決定的にしたのがこれである。


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とはいえ「夕やけニャンニャン」(1985〜1987)以来の、数を揃えれば必ず好みのタイプに引っかかるはずという秋元康(56)流バッタ商法の威力は凄まじく、テレビ界、芸能界はほとんど丸ごと呑まれてしまったのである。



そしてテレビ離れに拍車がかかり、AKB48に翳りが見えはじめてきたいま、テレビ界は枯れススキが風に揺れる態の荒れ野の惨状である。そう、テレビ凋落の直接のひきがねは、スマートフォンとAKB48なのだと私は思うのである。それが21世紀からテレビへのキツいご挨拶であったのである。



話はまた極端に変わる。佐野研二郎(43)がデザインしたらしい2020年東京オリンピックの公式エンブレムが使用中止になったらしいのである。中止の理由は国民の理解がよく得られないことと、研二郎および周辺へのバッシングがあまりに酷く、本人が「人間として耐えられない限界状況」に到ったとして、原作者の立場から取り下げたためだという。



ごく少数の関係者だけの密室会議でそういうことに決まったのである。でもってエンブレムのデザイン自体は「オリジナルなものとして理解される」とかなんとかなのである。結局これ、みんながワーワー騒ぐから取り下げました、といっているのである。悪いのは「みんな」なのである。なんという無責任であろうか。植木等も真っ青である。古くてすまね。


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腑に落ちないのは、なぜ研二郎がオリンピック組織委員会からここまで大切にイイコイイコされにゃあならんのか、ということである。これがそこらの街のチラシ屋のオヤジがやらかしたことであれば、すでに完膚なきまでに叩きのめされているであろう。単独謝罪会見→号泣→オリンピック組織委員会からの損害賠償請求→一家離散→失踪→行方不明である。



だから研二郎がいう「人間として耐えられない限界状況」というセリフに激しい違和感を覚えるのである。甘えてんじゃねー!! という感じなのである。てめーいったいどこのボンボンなんだよ、あー? なのである。トレース王子のくせして。



で、ちょっと調べてみた。父親は内科医であり、母親は元看護師。兄は東京大学法学部を卒業し内閣官房知的財産戦略推進事務局、富山県商工労働部長、大臣官房政策審議室企画官などを歴任した人物である。ほかに妹がいるが、動向は掴めなかった。また、JSC理事長河野一郎の右腕で日本スポーツ振興センターに籍を置く佐野総一郎は親戚である。



研二郎自身は代々木ゼミナール造形学校、多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業後、博報堂に入社し、佐藤可士和チームに所属。2008年1月11日に「MR_DESIGN」を設立し独立している。




父さん内科医、兄さん経済産業省の高級官僚、とすると本人は、まあ、あまり出来のよくない次男という雰囲気である。で、少し意外なことに研二郎はいつもニコニコしているいいヤツらしいのである。記者会見のときは緊張のせいかカブトガニの甲羅みたいな悪役ヅラであったが、ふだんのスナップなどを見ると、気はやさしくて力持ち、目の小さいお兄さんといった感じなのである。



で、現在は多摩美術大学の教授もやり、自宅は二子玉川の2億円のマンション(抵当権の設定なし)らしいのである。申し訳ないが多摩美出身者としては異例なほどの大成功を収めているのである。



ここまできて思い出すのは数年前、どこかは忘れたが欧米のマスコミが日本と中国の国家体制を比較してよく似ていると指摘していたことである。いわく「エリート独裁国家」である。



戦後70年、既得権益を積み重ねつつ続いてきたエリート層の支配が、深刻な制度疲労、体制疲労、そして人心の腐敗を招いているのである。ついうっかり見過ごしてしまいがちだが、いま現在の日本の不祥事、不可思議な出来事の大半は、そこに原因があるのである。もうそろそろ、誰かが強引にシャッフルしてやるべきときなのである。みんな、サイリウムもって集まれ!!  (了)




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