もとはといえば工業立国をめざす日本の労働力として地方から駆り出されてきたワタクシたちである。そんなに遠いむかしのお話ではなくて、1世代くらい前まで全国の農村には豊かになることよりも都市部に人材を供給することが求められていた。
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同時にワタクシたちはワタクシたちで農村のしがらみや因習、そして半分以上はつくられた貧しさに嫌気がさし、自由で豊かで明るい都会に憧れたのである。これもまた国策。戦後普及したテレビは都市生活へのオルガナイザーとして強力無比であった。村から子どもを連れ去るハーメルンの笛吹き男みたいなものである。
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田舎から出てきたワタクシたちは憧れの都会に目を輝かせつつ懸命に働き、中流の端くれになったことを喜び、恋をして家庭をもち、鉄道会社が開発したニュータウンに住み、その鉄道の殺人的ラッシュに揉まれつつさらに勤勉に働き続けた。
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あ、ここでいう“ワタクシたち”というのは一般の庶民、ということね。ワタクシ個人は貧乏なくせにあんまり真面目に働いたことがないので気が引ける。
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そうこうするうち故郷との縁は薄くなり、子どもはさらに血縁・家族の絆とも遠くなる。故郷に残った年寄りは子どもを思いつつ沈黙したまま齢を重ねる。で、できましたよ、おひとりさま。
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んなわけでいまごろになって“孤独な日本人”なんていわれてもねえ。共同体から人をひっぺがして孤独になるように仕向けてきたのにねえ。いまでも東京一郎と東はるみの夫婦は全国をグルグル転勤行脚させられているのにねえ(「秘密のケンミンSHOW」日本テレビ)。
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むかし知り合いのオヤジにおもしろい人がいて、「あれまではたくさん使え、使い捨てろ、使い捨ての時代、大きいことはいいことだ、なんてはしゃいでいたくせに、オイルショックの途端に節約しろだ、早く寝ろだ、テレビの放送時間を短くするだ、あん? アタマにくるべ」と1日24時間、家中の照明を煌々と点け放しにしていた。お気持ちようやく承知いたしました。
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そんなワタクシがイライラしてしまうのは、たとえばこんなの。↓
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◆『現代ビジネス』2018年4月28日配信
【世界一孤独? 日本の中高年男性が絶対無視できない「悲しき未来」 孤独が国民病になりつつある…】
《 「孤独」がブーム?
今年1月、イギリスが孤独担当相(Minister for Loneliness)を新たに設置し、トレイシー・クラウチ氏が任命されたことが、日本でも話題になった。
イギリス政府によると、90万人が常に孤独を感じており、20万の高齢者が1ヵ月以内に友人や親族と会話をしておらず、18~34歳の障害者のうち85%が孤独を感じているという(政府の記者会見)。
本コラムでは、20年後に一人暮らしが4割となる日本社会を見据えた超・ソロ社会論や、独身者の割合が急増する生涯未婚時代論を肯定的に紹介した。
近未来の日本においても、孤独と社会的孤立は無視できない問題となるだろう。
実は出版界でも、孤独はちょっとしたブームのようで、岡本純子『世界一孤独な日本のオジサン』(角川新書)、橘木俊詔『男性という孤独な存在』(PHP新書)、ジョン. T. カシオポ『孤独の科学』(河出文庫)など、良書が続々と刊行されている。
「世界一孤独な国民」は日本人
特に『世界一孤独な日本のオジサン』に書かれている内容は、すでにオジサンである筆者にとっても、衝撃的であった。
「ありとあらゆる病気を引き起こす可能性のある最も危険なリスクファクターである孤独」(p.10)のリスクは、1日たばこ15本を吸うことに匹敵し、肥満の2倍高い。 さらに心疾患リスクを29%上げ、20%早いペースで認知機能が衰え、アルツハイマーになるリスクが2.1倍になるという。
いくらタバコを控え、過度な肥満にならぬよう運動やダイエットに勤しんでも、孤独であるというだけで、元も子もなくなってしまうのである。
しかも岡本氏によれば、「世界一孤独な国民」は日本人だという。
種々の国際比較のデータによると、日本人は家族以外のコミュニティ(中間集団)とのつながりが薄く、社会の結束力や人間関係の豊かさを示す「ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)」の指数は、149ヵ国中101位。日本はソーシャル・キャピタル「最弱国」の一つに位置する(p.50-55)。
また年齢を重ねると不幸に感じる人が増えていくのも、先進国では日本だけであるという。
孤独が国民病となっている日本にあって、特に注意が必要なのが中高年の男性である。
退職後、家族の「粗大ごみ」と化してひきこもったり、妻の死後生きる意欲をなくしたり、近所や地域に溶け込めず、自慢話やクレイムばかりで「老害」化する男性――。
本書に登場する中高年男性の姿は、まるで我がことのように痛々しい。
〜 略 〜 》
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なにをいいたいのかなツミは。孤独はしあわせと同じく主観の問題である。ひとり暮らしや社会的孤立がそのまま個人の孤独というわけではない。
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「退職後、家族の「粗大ごみ」と化してひきこもったり、妻の死後生きる意欲をなくしたり、近所や地域に溶け込めず、自慢話やクレイムばかりで「老害」化する男性――。」
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といっしょくたに並べておるけれども、これらのなかで真に孤独と呼べるのは「妻の死後生きる意欲をなくした」男だけであろう。「家族の『粗大ごみ』」も「『老害』化する男性」も、ここに書かれているだけでは嫌われつつも孤独ではない。
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逆に、定年退職まで一生懸命働いて食わせてやったのに粗大ごみ扱いしてくる家族などいないほうがマシだし、どこにでも現れて陰口ばかり叩く近所のヤツらも少し礼儀というものをわきまえて引っ込んでいただきたい。
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孤独の健康リスクは1日にたばこ15本を吸うことに匹敵し、肥満の2倍高く、さらに心疾患の可能性を29%上げ、認知機能が衰えのペースを20%早め、アルツハイマーになる可能性を2.1倍にする、とこれはデータで紹介している。
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しかしいつもいつも機嫌が悪く愚痴が絶えず聞こえよがしに溜め息ばかりつく女と暮らせばもっともっと確実に寿命は縮む。一人でいるほうがずっと心と体が安らいで健康にいい。部屋も広く使えるし。
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一人暮らしはいいよう。今日び家事はほぼほぼ外部化されているし、都市部にいれば人と接触はなくてもつねに群れている感覚はある。長くひとり暮らしで友だちもおらず、仕事で関わる人間もひとケタのワタクシでさえも孤独で寂しいと感じたことはまったくない。
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それをなぜ孤独、孤独と騒ぐのか? おかしくないか? 人がコレでいいといっているのに。
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ワタクシにはよーくわかっている。いま日本の65歳以上の人口は3514万人(総務省統計局・2017)で、うち独居状態は592万人(内閣府・2015)といわれている。これが今後さらに増え続ける。
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こうしたジジババがそれぞれバラバラに暮らしていたのではなにかと非効率的である。とうぜん行政サービスの負担も大きくなる。であるからできるだけまとまって、寄り集まって暮らしていただきたい。そういうことよ。
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ああ、それなら入居者がめっきり減ってしまった大型団地を利用して収容施設にしよう!! とかなんとか企んでいるに違いないのだ。そのために孤独孤独と煽り立てる。
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で、かつて多くの若き労働者の憧れであったニュータウンは年老いた彼らの棄て場所になる。もっと小規模なグループホームみたいなものが全国にできる。あら、いいじゃないの、老人福祉サービスもいろいろととのっているみたいだし、とおっしゃる?
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いやだ。ワタクシはまっぴら御免である。わざと世間に迷惑をかけるつもりはないけれども、世のなかの都合にばかりあわせてもいられない。こちとら生身の人間である。命を守ったり便利になったりはうれしい。しかし人生までいじってもらいたくない。孤独上等!!
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ついでに孤独死上等!! (了)
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