いったいなにがおもしろいのかちっともわからないテレビ番組がたまにある。ただおもしろくないだけではなくて、なにで、どうやっておもしろがらせようとしているのか、その意図すら理解できないヤツもある。たとえばコレである。↓
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◆『スポニチアネックス』2018年4月22日配信
【クロちゃんについに余命宣告!教育入院で“改心”も…フジモン怪しむ「嘘つきクソダルマ」】
《 お笑いトリオ「安田大サーカス」のクロちゃん(41)が23日、TBS医療バラエティー番組「名医のTHE太鼓判!」(月曜後7・00)の「余命宣告3時間SP」に出演。専門医に食事や運動療法を指導される「教育入院」を行った結果、どれだけ生活改善がなされたかを確認するため密着取材を受ける。
クロちゃんは1月29日に放送された同番組で2型糖尿病であることが判明したほか、慢性腎臓病、肝機能障害などの生活習慣病も発覚。血糖値は即入院レベルと診断された。過去の出演から暴飲暴食ぶりが全く改善されていなかったため、番組は「教育入院」を実施。これまでも番組ではクロちゃんが反省し、生活改善を試みる様子を放送してきた。
その成果が試される今回の密着取材。実際に教育入院を終えてから3週間後の定期健診では空腹時の血糖値が233から103と大幅に改善。退院後の密着でも朝食を自炊し、仕事場までも7キロをウォーキングするなど生活改善が見られた。クロちゃんの“改心”にスタジオも祝福ムードに包まれる中、番組レギュラーの「FUJIWARA」藤本敏史(47)は「こんな嘘つきクソダルマ、俺は信用しない」とバッサリ。
藤本の予想は的中し、今回の密着で、ツイッターに投稿した昼食の写真よりも実際は多量に食べていたことが発覚。夕食は“いつも通り”焼肉店に向かい、結局1日の摂取カロリーは約3000キロカロリーにまで膨れ上がった。「うまいこと帳尻を合わせている」と本人は語るが、スタジオでは、ついにクロちゃんに対して余命が宣告される。》
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クロちゃんとやらが自分の判断でメシを食った結果どうなろうとこちらは別にどうでもいいのである。興味がない。そのうえ汚い男がこちらを向いて汚くモノを食って見せるのできわめて不快である。こちらの食欲が失せる。
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いくら番組中の1コーナーとはいえよくこんなものが流せるとワタクシは思う。これまでのいきがかり上やむなく企画を継続させているのであろうか。
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おっと気がついた。視聴者の皆さんが惨状ともいうべき汚画面を見ながら期待しているもの、それは死か、あるいはそれにきわめて近い状況であろう。ゲスな決めつけ? そう。しかし製作者側の気持とすれば、もちろんそんなことはおくびにも出せないけれども、クロちゃん倒れてくんないかなー、くらいは確実にある。視聴率が取れるので。
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クロちゃんをネタにロクでもない不謹慎を語っているけれどもなにとぞご容赦。あらゆる差異を取り上げておもしろおかしくネタにしてきたテレビのバラエティが唯一まったく取り扱いかねているのが人の「死」ではないか。と気付いてしまったのである。
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それは純白の処女峰のごとく眼前に聳え立っている。わが日本は2010年に超高齢社会(65歳人口が全人口の21%以上)になり、2017年にそれは27.3%になった(内閣府・高齢社会白書)。40%を超えている自治体はもうちっともめずらしくない。
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そして超高齢社会の次にくるのは大量死社会である。2017年の年間死亡者数は約134万4000人(厚生労働省・人口動態統計)。総人口は約1億2670万人であるから、死亡率ざっくり1.1%。
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たとえば1世帯あたりの平均人員は2.5人程度といわれている。なので総戸数50戸ほどのマンションの場合、単身者用でなければ125人が居住している計算になる。まったく気にも留めないうちに、同じ屋根の下で平均して毎年1人はお亡くなりになっているのである。都市部では火葬が間に合わず遺体とともに順番待ちするためのホテルまでできている事態だというのも頷ける。
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65歳以上人口は2030年には160万人を超える水準に達する。にもかかわらず死はまだ日常と一線を画している。善し悪しは別にして、いずれ社会は死を日常ととらえる方向に変化していく。少子超高齢社会→少子多死社会なのだから、そうしなければ生きている側の負担が大きすぎる。火葬場ばかりではない。墓、弔事、終末期の迎え方、そして残された者の精神的ケア、社会の空気などなど。
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というわけで、まあその死の日常化、この場合はエンターテイメント化の先頭を歩いているのがクロちゃんではないかとワタクシは密かに思ってしまったのである。そしてそういう時代の流れをアタマに入れて考えると、クロちゃんの健康を取り戻す、という番組のオモテ向きの趣旨とは裏腹に、「嘘つきクソダルマ」のまま早く重体にでも陥ってくれんか、という闇の声を聞いてしまうのである。もちろんそのほうが数字も取れる。
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ワタクシの性格が悪い? たしかに。しかし実際問題、本気でクロちゃんの食餌を管理しようと思えばやりかたはいくらでもあるはずだ。本人合意のもとで強制入院——というのも語義矛盾だけれども、をさせる、あるいは軟禁状態におく、長期の辺境ロケに送り込む。
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しかしそういうことに気付いているのかいないのか、クロちゃんは「嘘つきクソダルマ」でい続けることで番組に貢献しているのである。まさに体を張った仕事ぶりである。けれども、ご本人としては早めに次の手を考えておかなければ飽きられてしまうので気をつけよう。
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成人病のデパートみたいにいわれて「本当は怖い家庭の医学」(朝日放送)に出演していた長州小力(46)のように腎臓透析を開始した段階では見向きもされなくなっていたのでは、大切な健康を差し出した甲斐がない。実際はただ意志薄弱で自己管理ができなかっただけなのであろうけれども。
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エンターテイメントとしての死を提供できるのは誰でも彼でもいいというわけではない。タイミング、旬もある。ワタクシが見るところいまはクロちゃんだけである。
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それはおまえなんか死んでしまえ!! ってことであろうか? まずいなあ。(了)
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