テレビニュースによると、トルコ南部キリスで23日、ISとトルコ軍によるこれまでで最大規模の戦闘があり、トルコ軍兵士1人が死亡、1人がケガをしたらしい。
*
こうした最近の武力衝突、あるいはテロのニュースで伝えられる死傷者の数は、多い場合でも数十人程度であり、百人を超えることは滅多にない。「紛争」というものの性格が変わってきている。
*
犠牲者が少なかったからたいしたことではない、というわけではもちろんない。海外での出来事も、ここまで仔細に素早く伝えられる状況になったということをいいたいのである。
*
ただし紛争の報道にはいつもなんらかのバイアスがかかっていて、ときには大きな意図を疑いたくなる場合さえある。テレビニュースだけでなにがしか世界を語るのは難しい。
*
*
ともかく、私たちはテレビのおかげで、世界中のモノやヒトや出来事にふれることができるようになった。だから、いま自分が住んでいる街区で起こったひき逃げ事件も、トルコ南部での戦闘行為も、テレビで見る限りは同じ並びの中にある。
*
起こったことは好ましくないが、だからといって知り合いの誰かに迷惑がかかったわけでもないし。株の値段が動くわけでもない。すると、私たちはテレビのこちら側で、テレビによって災厄から免れているような気分になってくる。
*
「死ぬのはいつも他人ばかり」というマルセルデュシャン(享年81)の名言と同じように、テレビでそれを見ていられるあいだは、どんなことでも他人事なのである。詳細に、素早く世界の出来事を伝えてくれるテレビは、他人事をつくり出す機械なのでもある。他人事で終わらせたくないなら、よっこらしょとテレビの前から腰を上げなければならない。
*
他人事を眺めて、人間や世界について、見るべきものはすべて見つ、というほどの気分になる。そんな他人事の世界を生きることがどんな変化をもたらすか。三島由紀夫(享年45)の言葉がある。
*
*
「自分は無力で、文弱の徒で、何の力もなく、この人生を変えることもできず、変革することもできないけれども、自分の立っている位置はあらゆる人間を馬鹿にすることのできる位置である。あらゆる人間を笑うことのできる位置である。———、何ひとつ能力がないにもかかわらず、自分は人間の世界に対して、ある「笑う権利」を持っているのだという不思議な自信のとりこになってしまう。そしてあらゆるものにシニカルな目を向け、あらゆる努力を笑い、何事か一所懸命にやっている人間の滑稽な欠点をすぐに探し出し、真心や情熱を嘲笑し、人間を乗り越えるある美しいもの、人間精神の結晶であるようなある激しい純粋な行為に対する軽蔑の権利を我知らず身につけてしまうのである。」
*
1968年から1969年にかけて雑誌に連載されたエッセイ「若きサムライのための精神講話」中の「文弱の徒について」の一説である。対象はテレビではなく文学であり、すでに約半世紀前の文章である。
*
しかし三島由紀夫のこの言葉は、マスメディアに取り込まれて生きる現在の私たちの精神状況の一面を見事にいい当てている。冒頭の、最大規模の戦闘で死者1人、負傷者1人、のところで、最大規模でなあんだそれっぽっちか、とあなたは笑わなかっただろうか?
*
話は変わるが、元バドミントン選手、潮田玲子(32)がinstagramでマタニティフォトを公開したそうだ。妊娠してせり出してきたおなかの写真である。こうした妊婦写真を見るたびに、少なくとも1回はセックスしたってことだよな、と思うのは私だけだろうか? そしてとっても恥ずかしい気分になるのも私だけだろうか?
*
*
そんなことをいえば子どもをつれている女の人も「少なくとも1回は〜」と疑ってしまうことになるのだが、そのとおりである。子どもが2人なら2回を疑うのである。私はどうかしているのであろうか?
*
そして私は、その子がどうか健やかに育ち、幸せな人生を送るようにと心から祈り、少し涙ぐんだりするのである。しかしたぶん自分の人生に涙しているのである。そんな感じがしてならないのである。
*
大阪市の橋下徹市長(維新の党最高顧問・46)が、定例会見で維新の党所属国会議員から匿名で批判が出ていることについて「国会議員なら名前を出せ。キンタマついてねえのか?」と怒りを爆発させたそうだ。「キンタマのない人に失礼」という批判はまだない。爆笑問題の田中裕二(50)が軽く苦笑したくらいで。
*
「国会議員ならキンタマを出せ。名前はいいから」。
*
木村拓哉(42)がタクシーの運転手に「ここね〜、キムタクん家」といわれたらしい。オレは「ここんちの息子さん、むかしすんぐくモテたんだよねー」といわれたことがある。マジでだぞー。
*
*
ビートたけし(68)によると、タモリ(69)が徐々に縮んでいるらしい。このあいだは楽屋の椅子の下に体育座りしていたのを見たそうだ。
*
唇で演技をする肩幅のない46歳、福山雅治の愛称は「マシャ」である。すごいなあ、しかし宝塚ならきっとサマがつくところだけれどなあ。呼び捨てでいいのかなあ。ましゃかのマシャ。
*
26日放送予定のW0W0W「藤井フミヤ Premium Symphonic Concert 2015」のバナー広告、藤井フミヤの写真が元あのねのねの原田伸郎になっておる。まったくの別人である。フミヤファンのみんな、突撃!!
*
マクドナルド、マックドナルド、マックドウナルド、マックドウナルノ!!
*
磯山さやか(31)がNHKの番組で青木ヶ原樹海をレポートし、「森のなかには私たちを元気にしてくれる手つかずの大自然が広がってますよ〜」「本当に気持ちいいですね〜」などと喚いていた。バカである。であるなら、パリ人肉事件の佐川一政とテントで1泊してみろ。2人きりで。 (了)





0 件のコメント:
コメントを投稿