コメンテーターと呼ばれる人たちがいる。テレビのニュース番組、ワイドショーなどに出てきて、論評というか感想を述べる人たちである。いろいろな分野で発言が求められるので、専門性は低い。というか最初から期待されていない。
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したがってコメンテーターと呼ばれる人々の前職、あるいは本職も、プロスポーツ選手から教育者、政治家、芸能人までさまざまということになる。これについてはWikipediaに、どういうわけか経緯を含めていねいな解説がある。
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で、テレビの働きに身体、身体機能の拡張というようにいわれることがある。遥か遠くの風物が見えるようになった、とかである。メガネと同じである。テレビに限らずおよそ文明の利器と呼ばれるものは、すべからく身体、身体機能を拡張しているのである。それをことさら表に出すときにはなんらかの目論見がある。
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テレビの場合にいわれる身体、身体機能の拡張とは、大量の情報の収集と分析、編集である。少なくともインターネットが浸透するまではそうであった。テレビは知性に働きかける機械であったのである。あるいはそうでありたかったのである。
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テレビが知的でありたかったのはテレビ局の意向でもないし、スポンサーの意向でもない。ただ社会全体がそういうものをうっすら期待してしまったのである。
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しかしスポンサーからお金をいただくには視聴率を上げなければならない。元も子もない話だが、テレビは知的以前に面白くなければならないのである。こうしてテレビは知的から痴的に方向を変えたのである。
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早くも1950年代、テレビ放送がはじまってわずか約5年後、大宅壮一は「テレビばかり見ていると人間の想像力や思考力を低下させてしまう」として、「一億総白痴化」という表現をした。
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その理由について、大宅壮一は「テレビというメディアは非常に低俗なものである」からだとしたとされているが、そうではないだろう。大宅壮一は、テレビの、つまり映像と音声による心理的拘束力の強さを怖れたのだと思う。そこで人間の想像力や思考力が低下するというのは正しい。
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そもそもでいえば、メディア自体に低俗も高雅もあるわけではなく、低俗うんぬんはコンテンツの問題である。しかも1950年代は、スポンサーも協賛することにステイタスを重視していて、まだ低俗といわれるような番組はそれほどつくられていなかったのである。
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で、コメンテーターである。子どものときからテレビを見続け、心理的に拘束され続け、創造力や思考力を十分に発達させられなかった私たちに替わって考えてくれるのである。ありがたいことである。
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私たちはコメンテーターの言葉のひとつふたつを拾い上げて、それをさも自分の言葉であるかのように錯覚する。振り回す。いまや事件、事故の捉え方も、人生観までもサンプリングの時代なのである。そしてテレビはいつも先回りして子どもの自主性を潰してしまう母親のようなものだ。
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したがって、いまのところコメンテーターにはそれらしい、なんとなく正しく聞こえる意見が求められているのであって、面白さは求められていないのである。最近、お笑い芸人がコメントしている姿をよく見かけるが、彼らにしてさえ笑いを取りにいく者はいない。より耳新しく、かつ受け入れられやすい言説を探して必死である。
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話は変わるが「アッコにおまかせ!」である。ニュースやゴシップの解説があるのだが、見ていると明らかに視聴者に向かってではなく、和田アキ子に向かって解説をしているのである。そんなことは楽屋か飲み屋でやってほしいのである。それでご意見番とは、まったく開いた口がふさがらないのである。
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テリー伊藤もひどい。この男、もともとお調子者というだけであったのだが、斜視を矯正してからさらにダメになったのである。基本的に人と金が動けばそれでOKというのが露骨に透けて見えるのである。ひとり広告代理店なのである。コメンテーターとしてテレビ各局を渡り歩いても何の不思議もないのである。
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そういえば日本テレビ「NEWS ZERO」のキャスター、山岸舞彩(28)が丸井創業者の孫と結婚していたのだそうである。交際は去年秋からだそうである。あまりの急な展開に驚く周囲を振り切っての結婚→引退なのだそうである。それほど好条件、好物件というわけである。
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山岸舞彩に関連して岡本夏生(50)いわく「女の株価の最高値は27歳」だそうである。そこに口を挟むふかわりょうなど「バカ野郎!!」と一喝されるのである。さらに「きれいごといってんじゃねぇ、バカ野郎!!」と罵倒されるのである。岡本夏生、いつもいつもグッジョブである。日本一のコメンテーターである。
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まあ、山岸舞彩にはとりあえずしあわせな結婚をしていただき、途中大幅な計算違い、見込み違いなどあり、数年後には、グラビアアイドル→熟女女優、横山みれい(31)みたいな感じで戻ってきてほしいもんじゃと願っとるんじゃがのう。どうじゃろ? (了)





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