いやー、よかった。よかったよう。やっぱり『とんねるずのみなさんのおかげでした』は来年春に打ち切りだ。いやーよかったよかった。しかしじゃあこれはいったいなんだったんだ、である。
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◆『マイナビニュース』2017年12月1日配信
【フジテレビ:「とんねるずのみなさんのおかげでした」終了説を否定】
《 フジテレビは1日、同局で定例社長会見を開き、看板バラエティー番組「とんねるずのみなさんのおかげでした」が終了するかと聞かれると、同局の石原隆取締役は「そういった事実はございません。先々の話なので、何も決まっていない状況です」と否定した。
「とんねるずのみなさんのおかげでした」は、1980年代に人気を博した人気番組「とんねるずのみなさんのおかげです」が前身で、97年に現在の番組タイトルに“改名”した長寿バラエティー番組。》
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石原隆取締役の発言は「定例社長会見」の席上で行われたのであるから、とうぜん宮内正喜社長同席のうえでの発言である。おかげで落胆のあまりこの約1週間、飯もろくろく喉を通らなかったのである。
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それが昨日、12月7日の同番組の放送で、改めて打ち切りが正式に発表されたのである。なぜこんな奇妙なことになったのか? というお話に行く前に、もう一度確認しておこう。なんど見てもいいものはいい。
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◆『オリコンニュース』2017年12月7日配信
【『みなさんのおかげでした』来年3月終了へ 前身番組から30年の歴史に幕】
《お笑いコンビ・とんねるずが出演するフジテレビの長寿番組『とんねるずのみなさんのおかげでした』の7日放送回で、来年3月に番組が終了することが発表された。前身番組を含め30年以上続いた番組に幕を下ろす。
この日のエンディングで、共同テレビ・小港浩一社長に扮した木梨憲武と、石田弘・番組エグゼクティブプロデューサーに扮した石橋貴明が登場し、コント調で番組の終了を発表。直後に「2018年3月 とんねるずのみなさんのおかげでした 堂々完結!」とテロップが映された。
改めて石橋が「30年間のご愛顧、薄い頭を下げて感謝申し上げます」、木梨も「本当にありがとうございました。みなさんのおかげでした」と視聴者に感謝した。
番組は1988年10月に『とんねるずのみなさんのおかげです』としてスタート。90年代に『ラスタとんねるず』『とんねるずの本汁でしょう!!』などタイトルを変えながら、97年6月より現在のタイトルとなった。
当初は『仮面ノリダー』や人気映画のパロディコントで人気を集め、現在の番組名になってからは『食わず嫌い王決定戦』や『モジモジくん』などの人気コーナーを続々と発信。長年にわたって愛され続けた。 98年にはとんねるずと番組スタッフでダンス&ボーカルユニット「野猿」を結成。99年から2年連続で『NHK紅白歌合戦』にも出場するほどの人気を誇った。》
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うむ。でもってなぜフジテレビは「定例社長会見」で1週間後にはバレるようなウソをつかなければならなかったのか? 問題である。フライングになるのを怖れたのである。残すは7日放送分の1回のみとはいえ、スポンサーには7日発表ということで了承を取り付けてある。それを自ら崩すわけにはいかない。
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これはいってみれば「定例社長会見」に先立つこと約1ヵ月(11月3日)『めちゃ×2イケてるッ!』の打ち切りについてTweetしたたむけんの一件、つまり「たむけんの教訓」である。
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フハハ「たむけんの教訓」。なーんとなくフジテレビらしくて妙におかしい。うむ。こういう自分たちのドタバタをそのまま放送してしまったほうがドラマなんかで苦労するよりも、ずっと視聴率は取れるであろう。番組制作上の不祥事がやたら多いし、暴力社員はいるし。ネタにはこと欠かぬ。フジテレビ、日本初のドタバタ天然キャラTV局に振り切れれば案外活路が開けてくる、と私は思う。
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「定例社長会見」からのこの約1週間、ネットニュースもドタバタしていておかしかった。とくになぜ“みなおか”が継続になったのか? については、関東のお笑い系事務所が結託して要請したとするものから、誰もとんねるずに“引導”を渡す役割を引き受けたくないので棚上げになっている、説まで出てきた。これでは千三つ屋と嘲笑われてもしかたがない。
(「リアルライブ」2017年12月7日配信【『みなおか』が終わらない理由は芸能事務所の要請?】および「女性自身」2017年12月4日配信【フジがとんねるずの「みなおか」終了報道を否定した裏事情】)
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たしかにとんねるずの番組がなくなってしまえば、テレビで関東のお笑いが育つ土壌はほとんどなくなってしまう。しかし育ってから出てきてくれればいいだけのお話、とこれまた私は思う。格闘技の誰だったかもいっていたけれども、そういう“育成”に付き合っているヒマはないのだ。
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自主ライブなど若手が地道に育っていく場所を潰してきたのはほかならぬテレビである。ここのところよーく反省しないと前にすすめない、とまたまた私は思う。
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ダウンタウンはいまのところまだ健在である。ここで一段落迎えそうなナインティナイン & とんねるずとどこで差がついたのかといえば、まずアタマに浮かぶのはナインティナイン & とんねるずの閉鎖的な、タコ壷化したやりかたである。
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両コンビともお笑いバラエティ以外のジャンルへの進出にはそれほど積極的には見えないし、他番組へのゲスト出演も少ない。ダウンタウンはゲスト出演こそ少ないけれども情報番組などに幅広く進出している。
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いってみればナインティナイン & とんねるずは自分のテリトリーを決めてそこからは出ない籠城作戦をとっていたわけである。居心地はいいだろうけれどもこれでは尻すぼみは目に見えている。“籠城”は敗者がとる最後の戦略でしょ。
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今年5月、2001年からフジテレビの会長を務めてきた日枝久(79)がようやく退任して、これで遅まきながらフジテレビの抜本改革スタートか、と噂されてきたことが少しだけ現実になった。よかったよかった。これからもドタバタ天然キャラTV局をめざしていっそう精進していただきたいものである。
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私が『とんねるずのみなさんのおかげでした』で最後に笑ったのはいつのことだったか、思い出そうとしたけれどもどうしても思い出せない。あれ? 最後に見たのがいつだったかも憶えていない。すまんの。(了)
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