ドープ(dope)といえばヤクである。ヒップホップ系の方々のあいだでは「カッコいい」「最高」という意味もある、と「英語部マガジン」に書いてあった。「dope」の語源には2つの説がある。
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1)南アフリカの原住民が儀式舞踊を演じる際に飲用していたとされる「dop」というアルコール飲料
2)オランダ語で「濃いディッピングソース」を意味する「doop」
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うむ。doppuriの「dop」ではないわけだ。でもって今回は大きな国際大会のたびに問題になるそのドーピング(doping)の世界を覗いてみたいと思う。
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覗いた途端に目が合ってしまうのがロシアである。“ロシアはドーピング大国”という芳しからぬ評判が、この私の空白の多いアタマにも摺り込まれておる。
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「1968年から2017年までに、ロシア人アスリートから剥奪されたオリンピックメダル数は50にのぼる。その数には、ソチオリンピック(2014)でロシアが獲得したメダル総数33個のうち剥奪された13個も含まれている」
※『INSIGHT』2018年1月23日配信【冬季五輪からのロシアの締め出しで、「ドーピング問題」は一掃できるのか】
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まあ、なにぶんこんな実績があるのであるから、不名誉ないわれ方もいたしかたがない。とくにここ2年あまりのロシアは絶えずドーピングに関する問題を起こしてきた。『Number Web』(2017年11月12日配信)【今も続くロシアとドーピング問題。平昌五輪出場への“折衷案”とは。】から見てみよう。
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「(ドーピング違反によって)2015年11月、国際陸上競技連盟がロシア陸上競技連盟を資格停止処分とし、リオデジャネイロ五輪(2016)にも陸上で出場できたのは個人資格で認められた1名のみという事態となった。また、リオ・パラリンピックではロシアそのものの参加が認められなかった。
ことは夏季五輪だけにとどまらなかった。2016年、世界反ドーピング機関(WADA)が、2014年のソチ五輪でのドーピング疑惑の浮上によりロシアの調査に乗り出すと発表。2016年5月には、ロシアのドーピング検査所の元所長が、ソチ五輪で組織的な不正が行なわれていたことを証言し、7月にはWADAが、国家の指示のもと、組織的に行なっていたと結論付けた」
こうした結果、平昌オリンピックへの参加は認められなかった。
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スポーツにおけるドーピングの歴史は長い。1865年のアムステルダム運河水泳競技での覚醒剤の使用を皮切りに、1886年にはボルドー〜パリ間600kmの自転車競技において、イギリス人選手が興奮剤(トリメチル)使用による最初の死亡事故を起こしている。“近代スポーツ初の死者”なのだそうだ。
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かつてアマチュア規定が厳しく、共産圏などで国家丸抱えで育成されるスポーツ選手を「ステートアマ」と呼んでいた時代があった。このあたりの事情はいまもあまり変らないか。
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で、これはドーピングというのか、1960年代の東ドイツでは競泳選手の浮力を増そうと空気浣腸までしたという噂が伝わっている。いや推進力ではなく浮力よ浮力。水中での体のバランスが取れず却下されたというけれども、そこまで、である。背泳ぎでもダメだったのであろうか? いやいや笑いごとではなく腸が破裂したという事件も起きたくらい真剣だったのだ。
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もしオリンピックで金メダルでも取ればおおいに国威発揚、国家の宣伝になるし国内政治にも利用できる、選手には物質的に豊かな生活が保障される。であるからエアエネマ(air enema=空気浣腸)以外にもありとあらゆる無茶が試されていたらしい。世界の変態さんが喜びそうである。
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それにしても思いつきで書いてしまったエアエネマってホントであろうか? われながら。ああWikipediaにもそう書いてあった。よかったす。ついでに浣腸プレイはklismaphilia(クリスマフィリア)なのだそうだ。
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オリンピックで正式にドーピング検査が行われるようになったのは1968年のグルノーブル冬季オリンピックとメキシコオリンピック(同年)からである。1960年のローマオリンピックで興奮剤(覚醒剤)を使用したデンマークの自転車ロードレース選手が急死したのがきっかけであった。どうしても誰かが死なないとモノゴトが前にすすまないというのも悲しいのう。
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さてさて、もっと最近はどんなかなー、というとこんな感じである。ちょっと旧いか。でもよくまとまっているので。
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◆『アサ芸プラス』2012年7月30日配信
【五輪戦士の「黒メダル」25年史(5) 88年ソウル「男子100メートル」金メダル剥奪 ベン・ジョンソンも堕ちた「ドーピング」誘惑 「現在は違法スレスレの体内物質摂取が主流だ」】
《 大記録達成の感動もむなしく、ドーピング(禁止薬物使用)で失格となるケースがあとを絶たない。IOCは厳しい態度で撲滅に乗り出しているが、違反選手の手口も巧妙化している。
禁止薬物の検出で、過去最大級の衝撃といえば、88年のソウルで100メートルを制した、ベン・ジョンソン(50)だろう。9秒79の世界新記録で優勝したが、筋肉増強剤を使用していたことが発覚。金メダルを剝奪され、記録も抹消された。
2000年のシドニーで、女子100メートルなど5個の金メダルを獲得したマリオン・ジョーンズ(36)も、のちに長年のステロイド使用を認め、メダルを剝奪されている。
メダルは剝奪されていないが、陸上女子のフローレンス・ジョイナーや中国陸上の馬軍団など、驚異的な世界記録はステロイドによるものではないかとの疑惑は今も付きまとっている。
とりわけジョイナーの場合、IOCがドーピング検査を厳格化し、抜き打ち検査を行うことを通達するや引退。10年後に38歳という若さで急死し、疑惑は深まる形となった。
「江崎グリコ」でスポーツサプリメントの開発に携わり、トップアスリートのコンディショニング指導も行っている桑原弘樹氏が、現在もはびこるドーピング問題の実情を解説する。
「副作用が大きく、発覚しやすいステロイドはすでに時代遅れです。今はもっと巧妙になっていて、もともと体内に存在する物質などを取り入れるのが主流になっています」
桑原氏によると、持久力を高める体内物質やヒト成長ホルモンの注入、さらには遺伝子治療技術の発展により、遺伝子ドーピングのようなものまで開発されているというのだ。
体内物質をいち早く、巧妙な手口で取り入れたのが、アテネの男子100メートルで金メダルを獲った、ジャスティン・ガトリン(30)。ガトリンが使ったのは、テストステロン。もともと男性の体内にもあるため、ドーピングしたものかどうか区別がつきにくい。
「検査では、同じく体内にあるエピテストステロンとの比率が6倍以上になると、ドーピング陽性と判断される。そのためガトリンは、エピテストステロンも肌から塗り込んで摂取した。比率を6倍以内に収め、ドーピング違反を免れ続けたのです」(スポーツライター)
大胆にも、検査官立ち会いの尿検体を他人のものとすり替えたのが、アテネのハンマー投げで優勝したアドリアン・アヌシュ(39)。
「アヌシュは、細いカテーテルを使って他人の尿を尿道から自分の膀胱に注入し、ドーピング逃れをしようとしたようです。ところが、これが発覚して失格となり、室伏広治選手が金メダルに繰り上がりました」(前出・スポーツライター)
過去の五輪において、日本人選手がドーピングで失格したことがないのは救いである。》
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だろうなあ、遺伝子ドーピング。遺伝子注入で育ったスーパーマンがすでにオリンピックで活躍している可能性もまったくない、わけではないのである。公式試合300連勝!! 霊長類(not 人類)最強の男・アレクサンドルカレリン(レスリング、50)、陸上短距離のウサインボルト(31)など、さぞかし狙われていることであろう。吉田沙保里(35)と谷亮子(42)も。
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ちなみに アレクサンドルカレリンによればレスリングに強くなる秘訣は「読書」だそうである。カッコええ。
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スポーツの世界も黒毛和牛のようにDNAをたどれば、種目ごとに兵庫県香美町小代地区の「田尻号」にいきつく、というようなことになるのかもしれない。いやマジでどうするんだろう? 遺伝子ドーピング。
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さてさて競技もたけなわの平昌オリンピックではございますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか? 私は趣味は多々ありますが、その中でも、絵を描くことと音楽は幼い頃より親しんでまいりました。休日にはピアノで好きなジャズを弾いております。また、身体を動かすことも好きで、四季折々のスポーツを楽しむこともあります(by小室圭)。(了)
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