ハゲとか臭いとか汚いとかすぐ勘違いするとか自己アピールがキツいとか、「おじさん」たちはしばしば嘲笑のマトでございます。かくいうワタクシも「おじさん」ですけれども、こういう「おじさん」イジメの風潮はなかなかナイス、よいものなのではないか、と思っております。
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社会的強者はほとんど「おじさん」だからであります。少なくとも「おばさん」をイジメるよりずっとよくはありませんか? たいした実力もないくせにふだんから威張り腐っているそのツケなのですから、お支払いいただかなければなりません。
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昨日もこんな記事がありました。
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◆『日刊サイゾー』2018年7月3日配信
【加齢臭の純愛は気持ち悪いだけ……増殖する「純愛勘違いおじさん」の腐臭】
《 「自分も二十代の若者だと勘違いしちゃう教員は、ざらにいますよ」
そう話すのは、都内有名大学の大学院生。
これまで、美術館で解説を始めるおじさん、仕事で空港に立ち寄るたびにSNSに写真を投稿するおじさんなど、何かと過剰な自意識をひけらかし、嘲笑される「○○おじさん」が、話題になってきた。
そんな中、本サイトの取材班が新たに発見したのが「純愛思い込みおじさん」という存在だ。
先日から、文芸評論家・渡部直己の名前がメディアで取り沙汰されるようになった。渡部といえば、文芸評論家としての実績もさることながら、同じく文芸評論家のすが(糸へんに圭)秀実との共著『それでも作家になりたい人のためのブックガイド』(太田出版)でも知られる人物。
そんな人物が、2008年から教鞭を執っていた早稲田大学文化構想学部の大学院生だった女性から「性的なハラスメントを受けた」として、大学側に苦情申立書を提出されていたことが明らかになったのだ。
各紙の報道によれば渡部は、高田馬場のカフェなどに大学院生だった女性を呼び出し「俺の女になれ」などと迫ったとされている。
渡部は、すでに報道されている内容をおおむね事実であると認めて「過度な求愛だった」と反省の態度を示している。
「大学教員は、その職業柄ゆえに若者と接する機会が多いんです。そこで、得てして自分も若者と同じ気分になってしまうものなんです。本来は、親子ほど年齢が離れているのに、脳内では学年が違う先輩と後輩程度に勘違いしてしまうわけです。おそらく、女性は指導教員としての渡部に信頼を寄せていたのでしょう。その師弟愛を、渡部は恋愛感情と勘違いしてしまったことが、手に取るようにわかりますよ」(都内の大学教員)
仕事の都合で周囲が、自分よりも若い年齢の男女ばかりになってしまう。その結果「自分も、ここにいる女性たちと恋愛の可能性がある」という勘違いに陥ってしまうのは、大学教員に限った話ではない。
「ウチの部署は、比較的年齢が若めで同僚同士でも、よく飲みに行って仕事の相談をしたりして、何かと距離感が近いんです。当然、中年の上司も誘うんですが……仲良くしすぎると、勘違いしちゃうから気をつけないとねと、女子社員同士でよく話し合っています」(都内の会社員)
とりわけ危険なのが、おじさん上司に相談をした時だという。
「そうした相談を持ちかけられる=自分を信頼している=すなわち恋愛感情、と勘違いするおじさんは多いですよ」(同)
「だいたい『自分は妻子もいるから、彼女の愛には応えることが』なんて、言い出したりするんです。加齢臭するおじさんの語る恋愛なんて、気持ち悪い……」(別の大手企業社員)
相談を求愛行動と“誤読”し、あまつさえ青春系純愛とまで勘違いしてしまう、ギャルゲー的な思考。そんな「純愛勘違いおじさん」には、格段の注意が必要だ。》
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これを書いているのが女か男かはっきりしませんけれども、たしかにおっしゃる通り。ちょっとスキを見せるとすぐ図に乗るし、乗ってくれた挙げ句に重い。いろんな意味で。しかもそんな「おじさん」の90%以上は結局は家庭に帰る。
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まあまあ、別に不倫に限らなくても「おじさん」の行動パターンというのはだいたいそんなものです。決して決して決してネバネバネバエバNEVER!!(by未唯)大きく踏み外すことはありません。せいぜい妻や子どもに愛想を尽かされて出ていかれるくらい。
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で、ここでちょっと疑問になってくるのは、「『純愛勘違いおじさん』には、格段の注意が必要だ。」といっているあなた、その勘違いを利用したことはありませんか? ということです。そんな恋愛とか不倫とかまではいかない、だいそれたことではなくて、「あっこのオヤジ私に気があるな」ということを察知して上手く立ち回ったりしたことありませんか? あるでしょ? それが「おじさん」の利用価値、存在理由ですから。
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でも、でもですよ。それはやっぱり「おじさん」にしてみればダブルスタンダードなんじゃないんですか? と、片方でさんざバカにしておいてもう片方では調子を合わせてなんやかや。自分に有利なはからいみたいなものを期待する。
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ああ、調子を合わせておかないと生きていけない。そうでしょうねえ。会社なんか組織はまだまだ男ものfor MEN・「おじさん」社会ですからねえ。「おじさん」イジメは弱者のガス抜き憂さ晴らしみたいなところもあるのでしょう。
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そうしますとともかく「おじさん」としては、この「おじさん」ハラスメントに対しては自己防衛するしかない、ということになります。そのほうがいいです。これでまた「おじさん」嘲笑い禁止みたいなことになったら息苦しくて暑苦しくて仕方がありません。
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さて、どのように自己防衛をするか。これはダブルスタンダードを見抜く、これしかありません。あいつオレの前では愛想がいいけれど、笑いながらいつもちょっと息を詰めている感じがする、とか、寄ってくる前に深呼吸する、とか、話が終わったら必ずいったん席を外す、とか、「おじさん」ハラスメントのしるしを敏感に鋭くキャッチすることです。
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一度でも、少しでもそんなようすが見えたら、以後は油断せず、いっさい甘い顔を見せてはいけません。しゔい「おじさん」をめざしましょう。しぶい、ではなく「う」にテンテンのしゔい。
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もうひとつ、これも同じように大切なことは、自分がどう思われているかを正確に把握することです。自己採点というものはなにかにつけて甘くなりがちですし、とくに「おじさん」は自己を過大評価しがちなので、具体的には最初の見積もりの2割くらいに考えておくことです。2割引ではなくて、8割引いて残りの2割。できますか? しかしこのくらいへりくだっておかないと「おじさん」でいることはたいへん危険なのです。
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でもって、世間のダブルスタンダードに気がつかない、また認めない、さらに自分自身の評判・評価が見えていない。これっていわゆる無差別殺人なんかに走ってしまう心理にたいへん近いものだと思うのです。ワタクシは。唐突で恐縮でございます。
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裏切られた、誰も認めてくれない。なにがどうしたといちいち説明するのもたいへんなくらい細かなそうした不満がチリチリと降り積もって、もともと達者ではないクチの回転をさらに悪くする、クチごもる、となって、ついにテメーらみんな滅びろ!! (それともこちらが滅びるか)となります。
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実際のところ、ことはこれほど単純ではないでしょうけれども、ここをご説明しはじめると長くなりますので、それはまた別の機会に。
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自分の感情や気持を言葉で説明できれば暴力には走りません。そして言葉で説明するためには、相手のことをある程度は見切って、そしてその相手に自分がどう映っているかをよく知るべし、です。いえいえそんなにたいへんなことではなく、みなさんいつも人と一緒にいるときには無意識にやっていることです。ハゲに面と向かってハゲとはいわないでしょ? 若い女に向って化粧品の話はしないでしょ?
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こんな、いわれてみれば簡単なことがなかなかできないのでございます。とくに若いうちは。でも、若いうちは、といっているいまが華でそのうち「おじさん」も続々凶行に走るようになるのかもしれません。そうなるでしょうね。
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「おじさん」にご忠告しておきますけれども、世の中ダブルスタンダードなんてあたりまえ、というのはしっかり理解されていますよね。ダブルなんてまだしも、トリプル、クアッドもあたりまえ。もちろん人もですよ。是認する、これをよしとするということではなくて、そういう状況があることを理解しておかないとヤバヤバですからひとつよろしくお願いいたします。
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それと、誰も認めてくれない!! という前に、どうしたら他人さまに自分の話を聞いてもらえるのか考えましょう。たぶん小さなことで変りますから。たとえば自分は「おじさん」ではなくて「おぢさん」あるいは「をぢさん」だと考えてみるとか。『テレビ寺子屋』(テレビ静岡)じゃありませんけど。あ、「おじちん」は却下。
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ワタクシですか? ワタクシはスーツを着て歩いている男は全員——たとえそれがリクルートスーツであろうと、年上に見えてしまうという一種のクセといいましょうか病みたいなものがありまして、ですからこそ人さまと同じ顔をしていてはいけない、ご一緒のお仲間なんてそんなことは滅相もございません、と、とどなたに対しても一線を引いております。
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いえほんとのお話です。これまでに1年、もありませんでしたけれどもスーツ着用で仕事をしたことがあります。しかし、あるときふと今度はスーツを着ないと怖くて人さまの前に出られない自分になっているのに気がつきまして、以来スーツ着用は一切止めました。スーツに自分を乗っ取られるようで怖かったのです。でもって、いつまでも何者でもない、ニュートラルでいたいというのが願いであります。
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したがいまして、加齢臭には気をつかいますねえ。ハゲはほぼ全開の丸刈りです。どなたもスキを見せてくれませんので「純愛勘違いおじさん」の可能性はゼロです。ゼロ。ゼロにはなにを掛けてもゼロ。ゼロは「おじさんの数字」です。
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R.I.P.桂歌丸(了)
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