2018年7月8日日曜日

松本智津夫の遺体を奪い合うなんて滑稽すぎやしないか?



7月6日に死刑執行された松本智津夫(享年63)の遺体あるいは遺骨・遺灰の行き先に注目が集まるなか、のっけに驚かされたのがコレ(↓)でした。





◆『共同通信』2018年7月7日午後9時43分配信
【遺体は四女にと松本元死刑囚】

《 オウム真理教の松本智津夫元死刑囚が6日の執行直前、東京拘置所職員に、自身の遺体を四女に引き渡すよう伝えていたことが7日、関係者への取材で分かった。》





松本智津夫ってまともな話ができたの? と思った方は多いはず。ワタクシもそう思いました。しかし考えてみればこれはたいへん矛盾した態度で、まともな話ができない人間が裁判を闘い、死刑判決を受け、さらに執行されるなどということはあり得ません。



これまでの裁判のなかで検察側は松本智津夫の沈黙や無関心、意味不明な発言などは詐病であり、訴訟能力はあると主張してきましたし、最高裁判所も2006年の特別抗告棄却において訴訟能力はあると認定しています。この見解に立てば、死刑の執行直前に東京拘置所職員に対して自身の遺体の取り扱いについて話をしてもまったくおかしくはありません。



ワタクシたち、いや少なくともワタクシが違和感を抱くのは、拘禁反応が慢性化している、とか、朦朧として現実と空想の区別もつかないような精神状態にある、というような先入観にいつのまにか囚われていたからです。松本智津夫の家族が語った接見時のようすなどからはそう窺えました。



実際に詐病であったのかなかったのかは別にして、松本智津夫は訴訟能力があるとして扱われ実際に刑が執行されたのですから、ふつうであればワタクシも自動的にその文脈に沿って受け止めるのが正常でしょう。



それを、あれ? まともな話ができたの? と驚き、そして松本智津夫の死刑そのものについてはとくに反発する気持もなかったことは、ワタクシのなかに強い処罰感情があったことを意味しています。ですからそこに限っては、ワタクシにとって松本智津夫の死刑執行は法の枠を逸脱した私刑に似たものでした。



人は自分で考えているより遥かに愚かで流されやすいということを改めて痛感させられました。



さて、遺体を四女(29)に渡す動きがある一方で、妻たちも引き渡しを要求しています。





◆『朝日新聞デジタル』2018年7月7日午後9時7分配信
【松本元代表の遺体、妻ら引き渡し要求 「遺骨は金庫に」】

《 死刑が執行されたオウム真理教の松本智津夫元代表(63)の妻らが7日、東京拘置所に安置されている遺体の引き渡しを求めて、上川陽子法相と同拘置所長あての要求書を提出した。

一審で、松本元代表の主任弁護人を務めた安田好弘弁護士が明らかにした。

要求書は妻のほか、6人の子どものうち長女と四女を除いた4人の連名という。6日に死刑が執行された松本元代表の遺体について「極秘の安置所に安置し、葬儀などの儀式はせずに弔い、遺骨は金庫に厳重に保管管理する」としている。また、拘置所側の担当者が「松本元代表が他の人を遺体の引き取り人に指定した」と説明しているとしたうえで、「精神状態からすればあり得ないと考えている」と反論している。

死刑囚の遺体の引き取り先は、死刑囚本人の意向などを踏まえて決められる。公安当局や警察当局は松本元死刑囚の遺体が、教団から派生・分裂した団体の信徒にとって、信仰対象になることを警戒している。》





この遺体や遺骨・遺灰へのこだわりがワタクシにはよく理解できません。公安や警察当局が新たな信仰の対象になることを憂い、家族も「極秘の安置所に安置し、葬儀などの儀式はせずに弔い、遺骨は金庫に厳重に保管管理する」と取り扱いに慎重を期す旨を表明していること自体も、たいへんバカバカしく映ります。



それよりも仮に松本智津夫が、遺体は四女に、といいおいたのが事実だとすれば、なぜ四女を選んだのでしょう? ということです。それはかつての教団から最も遠い存在だから、少なくとも松本智津夫にはそう見えたからだ、とワタクシは思います。



教えを受け継ぐアレフはもちろん、いくつかの分派も、さらに逆に厳しく批判する立場もまた心理的距離はたいへん近い関係にあるといえます。そうしたさまざまな思惑にもとづいて扱われることを松本智津夫は嫌ったのではないか、と。



四女については教団内部の権力闘争に嫌気がさしたとして16歳で家出をしたり、その後の2007年には教団から逃れたいといって江川紹子に後見人になってもらったものの、2008年には「宗教に戻ります」との伝言を残して失踪するなど、よくわからないことが多いです。発言に矛盾やウソも多い。



四女は松本智津夫の死刑執行を受けて以下のコメントを発表しています。





《 私の実父松本智津夫が多大な迷惑をおかけした被害者の方、ご遺族の方、信者のご家族、元信者の方、刑務官の方、そして世間の皆さまに改めて深くお詫び申し上げます。

死刑が執行されたことにより被害者の方、ご遺族の方が少しでも心安らかな日々を取り戻せることを心より祈っております。

松本死刑囚は一度の死刑では足りないほどの罪を重ねましたが、彼を知る人間の一人として今はその死を悼みたいと思います。

執行はされるべきものでしたが、ただひとつとても残念に思うのはかつての弟子であった元幹部まで6人も執行されたことです。宗教的な理由においても、責任の重さにおいても、今日の執行は教祖一人でないといけなかったと思います。洗脳されて事件に関与してしまった元幹部の執行の是非はもっと議論され熟慮のうえでないと社会に課題を残してしまうのではないかと心配です。

まだ信仰を続けている信者には、これ以上松本死刑囚の罪を増やさないようにどうか後追いなどしないで、早く夢から覚めてほしいと願っています。》

※『HUFFPOST』2018年7月7日午後1時29分配信【オウム事件・麻原彰晃死刑囚の四女が刑執行を受けてコメント掲載「今はその死を悼みたい」】





そうなのです。四女は早くから松本智津夫は処刑されてしかるべき、と発言していました。しかし総じて見ると四女の行動はもっとも現実的というか俗的です。ワタクシは松本智津夫はここに目をつけたのではないか、と考えています。もちろん推測にすぎませんけれど。



オウム真理教の教祖は、最後みずからが唱えた信仰とは関係の薄い、俗世での平穏な眠りを求めた、ということです。だがしかし、どうも四女には自分が教祖となって新しい宗教団体を興そうと考えていたフシが窺えます。松本智津夫は処刑されてしかるべきとしたのもそのためかもしれません。死後の安寧が保たれるかどうかはわかりません。



つまらん! つまらん! まーったくつまらん!!(by大滝秀治)。(了)






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