軽い冗談にいちいち真顔で反応されるのは辛い。その場をなごませるためによかれと思った戯言も、「バカじゃないの」のひとことで無惨に踏みにじられる。赤い一輪のバラのごとく。冷えた仲とはそういうものである。ハイキンも凍る。あ、背筋か。どうやらここにもそういう目に遭わされている人がいる。
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◆『週刊女性PRIME』2018年11月1日配信
【「竹内涼真、じゃなかった甘利明です」映画祭でのダダ滑り&お粗末スピーチの全容】
《 10月25日に開幕した第31回東京国際映画祭。その初日にレッドカーペットイベントが開催されたが、
「その後の報道はごくごく微々たるもの。国際と名の付く映画祭にしてはお粗末です」
と、映画サイト記者はばっさり。お粗末ぶりを象徴するのがプレスルームだという。
「六本木ヒルズの49階にプレスルームがあるのですが、狭い会議室を仕立てたもので、30人も入ればぎゅうぎゅう詰めという代物。欧米の記者は実に少なく、日本とアジアの記者がほどんと。国際映画祭というよりはアジア映画祭という趣ですね」
と皮肉る。
それでもオープニングのレッドカーペットには多くのメディアが集結した。映画製作者や関係者が次々にあいさつに立ったが、失笑を買ったあいさつがあったという。
「あれが政治家のあいさつ? と、バカ丸出しでした。自慢がどれだけ嫌われるかという、見本のようなあいさつでしたね」
と民放報道局記者もあきれ顔だ。
長期政権真っ只中の安倍首相。その盟友、お友だちとして大活躍中の甘利明衆議院議員が登場したのだが、そのあいさつが噴飯ものだったという。
冒頭から、似ても似つかない芸能人の名前を出しダダ滑り。そして「レッドカーペットを歩ける」という光栄を感謝するどころか「歩かさられるのか」とイヤイヤ感を出す。
また「当事者」というところを「張本人」といったり、映画関連の法律を「チーム甘利」が作ったと自慢したり、鼻につかないところのない、お見事なあいさつだったという。
せっかくなので、録音を入手し、全編文字起こしでお伝えしたい。
「こんばんは、竹内涼真、じゃなかった甘利明です。
私が毎年、なんで、各映画会社の社長と一緒に、このレッドカーペットを歩かさられるか、というと、この東京国際映画祭を作った張本人だからであります。
私が経済産業大臣のときに、今の形を作らせていただきました。以来、ずっとお付き合いをいたしております。
それから、みなさん方が映画館に行くと、映画盗撮防止法、出ますよね、カメラかぶった変なのが出てきて、映画の盗撮は10年以下の懲役、または1000万円以下の罰金です。
あれ議員立法です。我々のチーム、“チーム甘利”が作った、議員立法で映画盗撮を止めました。ほぼ100%止まりました。
ですから、この映画祭も我々の威信をかけて日本の文化を国内外に発信するために、その障害となっているものを取り去っていくために日々、努力している、それだけをお伝えしたいと思います。」
選挙の際に政治家が、「あの橋は私が架けました」「私がこの道路を敷きました」なとど自慢をするのは昔からのこと。
「ただ、そのいい方に品性がないと、単なる自慢話になる。今の時代、自慢はウザがられるだけです。
もっと映画祭をたたえたり、立ち上げた際の苦労話を盛り込んだり、盗撮を防ぐためにこんな議論をした、などと振り返ればいいのですが、見事に上っ面の自慢話だけ。心から失笑しましたよ」(前出・民放報道局記者)
ハロウィーンほどの注目も動員もない、国際映画祭だ。》
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たしかに尻切れトンボの感じはする。この先に東京国際映画祭を少しもち上げておけばよかったのである。しかし実際はそのトンボの尻を「それだけをお伝えしたいと思っています」といきなり正々堂々、真っ向から斬り捨てた感じがあって、イラッとさせてしまったのもわかる。
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それもジョークなのかもしれないけれども、だとすれば出てきただけでみんなが喜ぶ、絵になる、たとえばビートたけし規模の大物だけが使える手だろう。ただ頭が上に伸びているというだけではダメなのである。「ビートたけし規模」なかなかナイスなフレーズである。
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ただ、この甘利明(69)の場合は後日、本人のいないところで改めて罵倒されているのだからまだいい。問題はリアルにジャストインタイム方式で面罵された場合にどう対応するか、だ。ワタクシの場合いつなんどきそういう危機に陥らないとも限らない。
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ま、失神するくらいしかない。その場にいたたまれなくなったら失神したふりをするにかぎる。お笑い的にいえば二段落ちということになる。二段落ちなら秋元康(60)配下の者どもにさんざん使われてきた「気絶」や「過呼吸」のほうがおもしろいのかもしれないけれども、ここで前田敦子(27)の真似なんかをして2度滑りするともう高飛びでもしないかぎり生きてゆけない。
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ちなみに「失神」と「気絶」がどう違うのかといえば、「失神」は昇天、エクスタシーであり、「気絶」は闇落ち、ブラックアウトである。と思う。いずれも耐え難い刺激に曝されたときに意識を閉じてしまう自己防衛だ。
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ちょうど『Techinsight』2018年10月29日配信分に【<海外発!Breaking News>ミスコン優勝者、名前を読み上げられた瞬間にステージで失神(ミャンマー)】という記事があり、それには動画も添付されていた。見てみると棒倒しに倒れるのではなくストンと腰から落ちてそれから横たわっている。なるほどこれである。これだと頭を激しく打つ心配もない。股間を覗かれる危険も少ない。よろしいですか。腰から落ちる、横に崩れる。
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これからの季節、忘年会・新年会・クリスマスパーティなどでバカを要求される機会も多いであろう。ぜひ、これを心の支えとして思い切りよく勇敢なギャグをかましていただきたい。ご健闘を祈る。(了)
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