2017年8月2日水曜日

そろそろマジメに考えたい「テクノロジー依存症」について



「テクノロジー依存症」という言葉があることはもちろん知っていた。そして私はまったく無縁だと信じ込んでいたのであった。いちおう電波の飛んでくるところに住んではいるけれどもごく少数以外にはいないことになっているし、デジタル以外のテクノロジーの利用、たとえば電車に乗るのも週に1回程度だし、さらに、ことさらアナログを強調するわけでもないけれども、最近の憧れは算盤である。



そういえば算盤さえなしで指折り数えて計算はできないものか、密教の印の結びをヒントに数の表し方を試してみたこともあったっけ、なのである。ヒマなので。結果としては数量は「少し」「ほんの少し」「たくさん」「もっとたくさん」という把握のしかたでまあいっか、であった。しかしたぶん私の回りにはこのときの名残のヘンな結界がいくつも張り巡らされているはずなのである。



そんな私のパソコンが昨日、なんの前ぶれもなく壊れた。いくら電源のオン/オフを繰り返してもデスクトップ画面でフリーズしてしまう。「少し」「ほんの少し」で生きようとする人間であるからこうなるとまったくのお手上げである。プールに飛び込む直前。深夜のこととてパソコンショップの開店にはまだ時間がある。そうすると次に何をやるべきかの見当さえしばらくはつかなかったのである。



明るすぎる星空の画像を痺れたようにしばらくボーッと眺め、よく団扇であおいでやったじゃないか、などと胸のうちで語りかけ、それから、しかたがないのでなぜかギターを弾いて歌を唄ったのである。



ああ、いま思えばあれは通夜の景色であり、あの歌(「浪曲子守唄」ほか)が弔歌であったか。そうか、そうか。それでも、しかしそれでさえも!! 歌詞が表示できないパソコンなしの不便さががっしりのしかかってくる!! のである。



参りました、「テクノロジー依存症」に間違いございません、というか、「テクノロジー弱者、不適応者、不能者、士農工商穢多非人ときてさらにお犬さまをはさんで私でございます」とわれとわが身を責め続け、おっとこれほど取り乱すのであれば、これが禁断症状というものか!! と気が付いたのである。



依存には麻薬・覚醒剤や煙草、アルコールなどの薬物依存と、ギャンブルやショッピング、セックスなどの行動依存がある。行動依存の研究はまだ十分にはすすんでいなくて、なかでも新顔のテクノロジー依存にはさらに難しい問題がある。



パチンコ店やバーにいかない、酒を買わないようにする、ショッピングやセックスを我慢することはできるかもしれないけれども、ネットやSNSなどのテクノロジーを利用せずに仕事をし、生活をしていくのはもはや不可能だ、ということである。



私もこの原稿をまたパソコンを使って書いている。ブラウザの検索画面のほかに常時YouTubeが開き、それらを横目で見ながら、といういつものパターンが再開されている。そしてYouTubeくらいはオーディオからのBGMに置き換えようか、と考えたりしている。



しかしそんなことが焼け石に水なのもわかっている。であるから選択肢は2つ。それでもそうしてコツコツと抵抗し続けるか、あるいは人は誰でもなにがしかの行動依存を抱えている、そのうえもしテクノロジー依存症を抱えている人々が全体の大多数を占めるのであれば、それはもう「病」とはいえないであろう、と開き直るかである。



どちらをとるか? そらま、コツコツと抵抗を続けるしかない。自分の大切な時間をテクノロジーの中毒性、たとえばソーシャルゲームとか延々と続ける検索であるとか、いいね! の収集であるとか、ポルノであるとかに喰い潰されていま以上にバカにならないようにするためには抵抗し続けるしかない。



そしてもう少し本質的な、というかより原型的な行動に楽しみを見いだせるようにすることであろう。たとえばソーシャルゲームよりは格闘技のジムに通うとか、意味のない検索を続けるよりは読書をするとか。たぶん少しはアタマのなかがスッキリして、みなさんお好きなクリエイティブな状態になる。と私は思う。



またまたいつも大袈裟な、とおっしゃる方のためにIT産業のリーダー的立場の方々がテクノロジー依存について、とくにそれから自分の子どもたちを守るためにどのような態度をとっていたかを抜き書きしておこう。



『WIRED』(2017年7月27日配信【あなたを静かに蝕む「テクノロジー依存症」から抜け出すための処方箋】)からである。あ、残念ながらこの記事で「処方箋」は明確にされていない。



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◆ 2010年後半にスティーブ・ジョブズは、『New York Times』のジャーナリスト(当時)のニック・ビルトンに「自分の子どもたちはiPadを一度も使ったことがない」と語った。 「わたしたちは自分の子どもたちが家でテクノロジーを使う時間を制限しているのです」と語った

◆ 『WIRED』US版の元編集長クリス・アンダーソンは、自宅のあらゆるデヴァイスに厳しい制限を設けていた。「テクノロジーの危険性を自分の目で見てきたからです」。彼の5人の子どもたちは寝室でディスプレイを見ることは絶対に許されなかった

◆ Blogger、Twitter、Mediumの創設者であるエヴァン・ウィリアムスは、ふたりの幼い息子のために何百冊もの本を購入したが、iPadを与えることは拒否した

◆ アナリティクス企業の創設者であるレスリー・ゴールドは、子どもたちに厳しい「平日はディスプレイを見てはいけないルール」を課した。彼女は、学校でコンピューターが必要なときだけ態度を少し和らげた



ねえ、いまさらそんなことを聞かされてもねえ、である。けれどもこれからとるべき態度の参考にはなる。そしていまは選択肢にならなくても、思い切ってTwitter、Line、Facebook、Instagramから距離を置くという手段があることも忘れないでいただきたい。ものすごくラクだよん。



パソコンさえ動いてくれればいいんだもん。(了)






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