2017年8月5日土曜日

不倫が面倒くさくないのは、それが病気だからであーる



8月3日夜に行われた斉藤由貴(50)の“不倫釈明会見”を翌日のワイドショーで見た。斉藤由貴は、いい加減で自己中心的でそこそこ反社会的な、要するにわりかしロックな感じの人であった。少なくとも自称ロッカーの夏木マリ(65)よりはよほどロックである。



夏木マリがロックぶると必ずテレサ野田 → 西園寺たまき(60)を思い出す。藤田敏八監督の『八月の濡れた砂』(1971)で衝撃のデビューを果たしたもののその後パッとせず、ある日突然、西園寺たまきに改名したと思ったら「ロックンロール最高!!」みたいなことを叫んで全然ロックっぽくない曲を歌っていた。そんなものでしょ、夏木マリも。



もちろんロックにしろジャズにしろ演歌にしろ童謡にしろ出入りは自由なはずであるから人それぞれお好きなようにその冠を戴けばいいのである。いいのではあるけれども、ロックの場合なら“まつろわぬ人”あるいは“懲りない人”でなければ私は認めないのである。斉藤和義(51)でギリギリである。



そんな、人には厳しく自分には甘〜い私が斉藤由貴の会見を見て考えたことは、どうしてみんな不倫してしまうのだろう? というまったく凡庸な疑問であった。



この手の調査ではもっとも信頼している相模ゴム工業(株)のアンケート「日本のセックス」によると、男26.9%、女16.3%、全体では21.3%が特定・不特定の相手と浮気・不倫をしているそうである。

※ 「日本のセックス」:47都道府県の20代〜60代男女1万4100名(1都道府県300名、性年代別均等割付)を対象に2013年1月調査



21.3%、5人に1人、多いのか少ないのか。おのれの生活歴ならびに環境が問われる微妙なところである。うむ。私はこれは少ないと思う。妥当なセンは4人に1人、25%。2組のカップルがいたとすると、そのうち誰か1人は浮気・不倫をしている状況。どや、考え方によっては地獄だけれどもええ感じやないか?



さらにボーッとしていると、こうして同時に2つを得ようとする態度が目立つようになってきたのは、なにも結婚や恋愛に限っての話ではない、という思いにいたったのである。



たとえば企業の副業解禁の動きである。全体ではまだわずか3.8%(経済産業省)に過ぎないけれども、副業を認めているなかには日産、富士通、花王、ロート製薬、リクルート、サイボウズなど、有力・有名企業の名前もある。また、シンクタンクMDDの調査結果(2015)によれば勤務者の14%が副業をしているというデータもあるらしい。



なぜ副業、仕事の掛けもちをするかといえば、もっと収入が欲しいということと同時に、収入がひとつの企業からの給料だけでは心細い、不安だ、という心理が働いているからだと思うのである。突然の倒産やリストラが誰にとっても他人事ではない時代でごわす。それもとうぜん。



で、次に思い当たったのが、蓮舫の二重国籍問題である。蓮舫けしからん!! さっさとすっきり説明しろ!! などと怒りつつ、心の底では少し羨ましかったのである。衝撃の告白である。でも、だってもし日本が潰れたらどうすんのよ? である。先の副業のときと同じ考え、リスクヘッジである。こんな日本になるとはゆめゆめ思わなかったけれども。



だがしかし出生による国籍取得のチャンスを逃してしまえば、日本で二重国籍者になるには結婚か養子縁組か、なんらかの戸籍変更が必要になるのである。それは手続きが、ではなく人間関係が面倒くさい。



とはいえどこかの外国にも生活の基盤があるといいなあ、という夢は確実に日増しに大きくなる。そこには日本人社会があれはばもっといいなあ。松居一代(60)とか濱松恵(34)とか、将来的に日本で暮らすつもりはない、と公言する人がふつうに現れはじめたのも最近の傾向だと思う。危機感が蔓延しているのよ、もう。



さらに「ダブりたい気持」は、こうしたリスクヘッジからだけのものではないようである。「ダブって一人前」というのは私の“高校の先輩同級生”あるいは“教室付き生徒”の負け惜しみであるけれども、たしかにひとつだけでは、片方だけでは、という気持はある。



片方。この世の中ではなにごとにも裏がある、とずうっと教えられてきて、あるときからはそんな「裏」を示唆する「オトナの事情」が大手を振ってまかり通るようになっているのである。バカ正直にオモテだけしっかりやっていれば大丈夫、というわけにはいかない、と思うのがふつうなのである。



ウラとオモテ、両方に精通してそれで一人前。清濁あわせ呑む、酸いも甘いも噛み分ける、本音と建前といういいかたがあるように、こうした心性はむかしからのものである。それが最近はますますあからさまになっているのである。



ひとつだけでは心もとないので行う意図的なリスクヘッジと、表裏で一体というむかしからの感覚が生み出すダブルな生き方、なのである。



かくして私たちは二重規範(Double standard)、二重拘束(double bind)で生きるのがますますあたりまえになっている。ある部分は多重規範、多重拘束でもあろう。



でもって、すべての規範は相対化されてしまう。そして目の前の現実はますます危うくはかなく、かりそめに感じられてしまう。絶対に死守しなければならないこと、“唯一無二”はなくなり、いつも交換可能ななにかが準備されている、あるいは準備しておきたくなる。極論すれば現実を信用しないのである。



目の前のシンプルな現実がしあわせを担保してくれるようには思えないから、みんな、いろんなことをダブりたいのである。「ダブりたい症候群」とでもいえる状態に陥っているのである。仕事も家庭も人生も。



ほら、ここから浮気・不倫はすぐ目と鼻の先ではないか。本妻とのほかにもう1回、愛人とハワイでウエディングを挙げた国会議員まで誕生しているではないか。なんと盛大なダブりであろう。



日本に蔓延する「ダブりたい症候群」。拡散希望である。反省のために。(了)





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