田中真紀子(73)に「ひょっとこ!!」と罵倒された麻生太郎(76)である。麻生太郎は好きでもないし支持してもいないけれども、さすがに「ひょっとこ!!」はナイスすぎる。同情するフリをしつつ笑った。自身の引退時に放った「老婆の休日!!」とあわせて政治家・田中真紀子が残した偉大な足跡である。
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その麻生太郎の昨日の発言からはじめたい。
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【「ヒトラー、動機正しくても駄目」=麻生氏が再び問題発言】
麻生太郎副総理兼財務相は29日、自らが率いる自民党麻生派の研修会で行った講演で、「(政治は)結果が大事だ。何百万人殺したヒトラーは、やっぱりいくら動機が正しくても駄目だ」と述べた。ナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺の「動機は正しい」と擁護したとも受け取れる発言で、野党などから批判が上がりそうだ。
麻生氏の発言は、所属議員に政治家の心構えを説く中で出た。ヒトラーへの言及に続き、「国民に確たる結果を残して初めて名政治家だったと言われる。人がいいだけでやれるような職業じゃない」と語った。
麻生氏は2013年に講演で「ドイツのワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に変わっていた。誰も気が付かなかった。あの手口に学んだらどうかね」と発言して批判を浴び、撤回している。
(※「時事通信社」2017年8月29日配信)
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揚げ足を取りたがる野党——この場合はまだマスコミであるけれども、はさておき。麻生太郎、ここでいくつかたいへんに基本的かつ重要な話をしている。
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ひとつは「(政治は)結果が大事だ」といい、その「結果」とはすなわち人の命だといっていることである。これほど明快な尺度はない。日本は幸運なことにこれまで72年間、国際的な紛争・戦争には巻き込まれずにすんだけれども、では政治に殺された国民はいなかったかといえば決してそうではない。飢餓のために亡くなった方々もいるし、福祉の手から滑り落ちて自死に追い込まれた方々もいる。
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麻生太郎が政治家について「人がいいだけでやれるような職業じゃない」と語っているのは、そうした命の一つひとつに寄り添って、かつ全体を統治していくことの厳しさを語っている。もちろんその厳しさをいいわけに弱者、少数者を切り捨てることは絶対にあってはならないけれども、極限において政治的リアリティにくみしなければならない状況はある。
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そうした極限状況に陥らないように務めるのがだいいち。しかしもう一方で極限のなかで、イザというときにはその泥を被る覚悟がなければ政治家はやれない、ということである。と思う。覚悟を問うているのだ。と思う。
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人の生き方についても同じである。もっとも大切にしなければならないのは人の命である。誰のことも殺めず傷つけずにすんだ、ということがまずは人生において称賛されるべき結果だ。この結果を生み出すためには、どんな理由があっても殺したり傷つけたりしてはいけない。あたりまえだのう。
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たとえば家族を殺されても決してやり返してはいけない、ということである。麻生太郎もいっておる。「いくら動機が正しくても駄目」。臆病者、卑怯者、と罵られても耐えることだ。それよりはさっさと武器を掴んで飛んでいってバンバンバン!! 殺すか殺されるかのほうがずっとラクだしカッコよくも見えるかもしれない。しかし、どれだけ罵られてもバカにされてもやりかえすことはせず、悲しみに耐え、誇りをもってそこに立ち続けるべきだ。それが歴史をつくる。いつまでもお互いに仇討ちを繰り返していてもしかたがないでしょ!!
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殺す、というとふつうの私たちの生活のなかではずいぶん大袈裟なことになる。しかし単に「暴力」でも同じことだ。というか、生きる態度としてはここからはじまる。暴力に頼ってはいけない。トラブルや意見の食い違いがあっても暴力だけは絶対に回避しなければだめ。
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いったん暴力に頼ると、その自分の暴力から抜け出せなくなる。これは経験を踏まえて書くけれども、暴力はドラッグと同じだ。中毒性があり驚くほど素早く伝播する。いったん家庭にもち込まれた暴力は、たとえ途中で放棄されようとどこかにしぶとく住み着いて家族を侵食していく。人としての大切ななにかを失う(by「Momm!!」出演中の渡辺麻友)。
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麻生太郎の発言についていいたいことはこれだけである。終戦記念日からのオヤジラグ(lag=遅延、ずれ)である。(了)
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