2016年の「今年の漢字」は「金」である。マジか? なにが「金」なのであろう? 発表した日本漢字能力検定協会はその理由にオリンピックの「金」メダルだの、政治と「金」だの、史上初のマイナス「金」利導入だの、果てはドナルド・トランプは「金」髪だのといろいろ挙げておられる。けれどもどれもこれもピンと来ない。とても「金」が2016年の日本を表しているとは思えない。
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だいたい1995年からはじまった「今年の漢字」に「金」が選ばれたのはこれで3度目である。22回のうち3回。ふうん、である。ちなみに前回の「金」はロンドンオリンピックが開催された2012年、前々回はシドニーオリンピックが開催された2000年であった。で、今年、2016年はリオデジャネイロオリピック。毎度のごとく3度も「金」を選ぶなど、そうとうアタマが悪そうである。
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それにしても、と思っていたら「 大阪のおばちゃん100人に聞いた『芸能界 今年の漢字』」というものが出てきた。関西ローカルの朝の情報番組『おはようコールABC』(朝日放送)によるアンケート結果である。『まいじつ』(2016年12月25日配信)からご紹介しよう。
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第1位:「倫」※不倫
第2位:「春」※文春砲
第3位:「散」※SMAP解散
第4位:「薬」※いわゆるクスリ
第5位:「泣」※高畑淳子、ショーンK
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芸能界に限っているとはいえ、たいへん具体的というか即物的である。芸能界重大ニュース・カテゴリー対抗ランキングとも受け取れる。なるほど個々の出来事ではなくこういうふうにまとめての総括のしかたもある。
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それにしてもいずれも「金」よりはましである。2016年がGolden Yearであったとは、とてもではないけれども思えない。拝金主義はびこる日本のぶざまなありようを露骨に示しているようで逆に気分が悪い。
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と、さんざんハードルを上げておいておずおずと差し出す私の対案は「壊」である。2016年はいろいろなものが壊れた。モラルが壊れ、良識が壊れ、常識も壊れ、国土が壊れた。
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まずは地震、噴火、台風、そしてここへきての大規模火災、さらに頻発する殺傷事件、イジメ、ハラスメント、公権の乱用。被害に遭われた方々に、そして私にも心からのお悔やみを申し述べたい。
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この壊れていくというイメージはおそらくもう伝わっているだろうと思うけれども、言葉にするのはなかなか難しい。山がただただグダグダとゆっくり裾野を延べ広げ、身を沈めていく、そんな感じである。どこまでも平らになり続ける地面。おお、「平成」とはこういう意味であったのか、である。で、ランドマークをすっかり失ってしまった我々はをどちらの方向を向いて歩いていけばいいのかさえわからない。
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まあしかし、悲劇と喜劇は背中合わせである。あなただって憂鬱な気分になりたくてこのブログを読んでいらっしゃるのではないと思う。というわけで松居一代(59)の登場である。
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私には大げさではなく名前を聞いただけで戦慄する芸能人が2人いた。以前にもこのコラムで何度か書いている。ひとりは眞鍋かをり(36)、もうひとりが松居一代である。
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なぜどうしてどのように恐いのかというと、艶っぽい意味では決してなく圧倒的な繁殖力の強さがテレビ画面からでもビッシビシッと伝わってくるのである。誤解されると困るけれども、あまりにも女が濃すぎるのである。そしてそれは母性でもなくてもっともっと下等な動物の本能な感じなのである。ああ、女というよりも人間の雌なのである。シドイ。
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眞鍋かをりと松居一代はただ繁殖、生息領域の拡大のためだけに生きていて、そしてそのためにはなにが犠牲になっても平気なのである。いや、もともと繁殖のためになにかが犠牲になるという概念がない。怪物である。イエローモンキーの吉井和哉(50)はご愁傷さまである。
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しかし「2人いた」と過去形で書いたのは、恐怖の対象でしかなかった松居一代がつい数ヵ月前からいい具合に壊れてきたからである。これまで自由への絶望的な戦いを強いられていた舟越英一郎(56)にようやく薄日が差し込んできた。喜ばしい。その壊れ方を『日刊サイゾー』(2016年12月25日配信)からご紹介しよう。
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《投資家としての一面も持つ彼女。15日放送のTBS系『櫻井・有吉 THE夜会』では、以前出演した際に自宅が「3億円」と伝えられたことに激怒し、「4.5億円」と訂正させたくだりが紹介された。
また、米次期大統領ドナルド・トランプ氏に関連する投資で100億円稼いだとウワサされていることに「話がでかすぎる」と困惑しつつも「半分とかですか?」と聞かれ「ガッチリ」と笑顔で応じた。
結果、翌日の一部スポーツ紙で「50億円大儲け」と報じられることになったが、松居はブログで「ガッチリって言っただけ」と反論。「50億だとは一言も発言してません」と否定した。
これだけではない。14日にはテレビ朝日の情報番組の司会を羽鳥慎一アナの司会進行ぶりに対し「真摯にお仕事をされるべきです」と注文をつけ、16日にはブログで「衝撃告白 天国の娘へ」のタイトルで、夫の船越英一郎と結婚2年目に妊娠したものの、流産したという過去を公表した。こうも話題を提供し続ける理由とは……?》
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「こうも話題を提供し続ける理由とは」とはいうけれども、それは壊れてきたからなのである。この記事では“かつて松居を取材した男性記者”に「単に注目を浴びたいだけでしょう。」と語らせているけれども、この取り乱したようすは「ただ注目を浴びたいだけ」ではない。
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あ、この記事のタイトルは【3億円の自宅を、4.5億円に上方修正! だから松居一代は嫌われる……】である。ついでに先ほどの罵詈雑言、松居一代の怪物性について上沼恵美子が語っている部分があったのであわせてご紹介しておく。私のいっていることを女の立場から語っている。
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《“関西テレビ界の女帝”上沼恵美子は、レギュラー番組内で「松居一代さんという人は、私が言うのもなんですけど、女性が持っていなければいけない優しさとか、基本的に持っていないといかんものを全く持っていない方ですね。ちょっと感じ悪い方ですよね」とバッサリ。続けて「とってもバイタリティーのある前向きな女性で、たくましいのよ。でも、女から見たら、イヤらしい。実業家としては一流ですよ。すごいなぁと思うけども、ついていけない。言うたら、一緒に温泉には行きたないな。友達にはなりたないな」と、ぶった斬った。》
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男からすると恐怖、女からすると嫌悪、ということであろう。松居一代の「壊」については『Techinsight』(2016年12月25日配信 )も【松居一代、パジャマで法務局へ「生理が終わった女子は怖いもん無し」】という記事のなかで次のように書いている。
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《松居一代が12月24日のオフィシャルブログで告知した、「“ブログ開設1か月の感謝を込めて”の生電話」企画が終わった。彼女はこの準備のため22日には法務局で印鑑証明を発行してもらい、警察署の生活安全課へ相談に行き、新しい携帯電話を購入している。だがこの日は早朝からパソコンが故障し、大騒ぎしていた。投資家としての顔も持つ松居は、相場が動き出す前に何とかしたいと対応に追われていたのだ。それでも朝一番に法務局へ向かったが慌てていたため、何とパジャマ姿で車を走らせてきた。おまけに財布を忘れてきたため、法務局で知り合いになった一般女性にお金を借りるという始末である。》
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えっと、つまり22日は朝イチから法務局と警察の生活安全課で所用をすませ、新しい携帯電話を購入する予定であったのだけれども、朝からパソコンが故障していて大慌てになってしまった、ということなのであろう。“生電話企画”の実施は24日だったのであるからそんなにジタバタする必要はないように思われる。そして不思議なことに誰が撮ったのか髪振り乱し顔を歪めて突進する松居一代の正面からの写真がこの記事には添えられている。
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にもかかわらず、である。実際にブログで“生電話企画”の告知が行われたのは実施当日の24日、しかも開始約2時間前という滑り込みであったのである。なんとかならぬか、尋常ではない。『Techinsight』はこの点をフォローするつもりなのか記事の最後をこう締めくくっている。
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《松居は投資家、タレントそして主婦として「毎日生きるか死ぬかの忙しさで、必死に乗り切っている」とブログに綴っている。年末は特に忙しいのか、23日には4日ぶりにお風呂に入ることができたという。彼女は常々、100歳までパワフルに生き抜きたいと話している。松居は来年に還暦を迎えるが、「生理がおわった女子は怖いもんなしよ」と怪気炎を上げている。》
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4日も風呂に入らない松居一代には厳重なフタをしなければならぬ。要するに松居一代、「生きるか死ぬかの忙しさ」を勝手につくりあげている感じなのである。まあ、松居一代にしてみれば夫・舟越英一郎からは蛇蝎のごとく嫌われ、実業家として大勝負に出たアメリカでの通販事業もいまいち。アタマのネジが飛びそうな気持ちもわからないでもない。それにしても「生理がおわった女子」とは何者であろう? 許し難き語義矛盾である。
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うむ。そしてこれも何度も書いているのであるけれども、松居一代の「壊」は、59歳という年齢からもきている。人はだいたい60歳くらいでそれまでの自分のキャラクターを破綻させてしまう場合が多いのである。「いいひとキャラ60歳限界説」である。あれ? 別ないい方だったか、ちょっと忘れてしもうた。とにかく明石家さんま(61)もちょうどそれにさしかかっている。
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60歳までに死ねれば“いい人”で終われるのであるけれども、なにしろご長寿の時代である。いろいろな秘密やクセもバレる。自分をコントロールするチカラも弱くなる。で、早めに60歳からの別人格、コンセプトを考えておこう、というのがジジババに向けた私の主張である。
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あ、そうか。そうなのである。厳密にいえば2016年の「壊」とはまた別に60歳前後のジジババの「壊」が世の中を騒がせているのである。松居一代と明石家さんまには失礼なことをしてしもうた。でもまあ60歳を待たずして個人レベルの「壊」に行き当たってしまっている人間がどんどん増えているということはいえるであろう。なにしろ「今年の漢字」で「金」への投票は第1位、6655票もあったのである。
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うむ。みんな壊れていく。目を転じればもっともっと大きな、資本主義のドン詰まりの「壊」もあるかもしれない。そしてそれらすべての「壊」は2016年の終りに一丸となり、巨大な「壊」となってアヘアヘと私たちに襲いかかるのである。私たちはもうただバカのように笑いながら壊されてゆくのである。で、2020年になって、「今年の漢字」もまた「金」かよーとかなんとかブータレるわけである。(了)
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