2017年9月26日火曜日

ロハス製薬「ALFACE(オルフェス)」のCMが差別的なんだって!!



若い男が眉を整えるのはもうあたりまえのことになっている。なぜそんな面倒くさいことをするのか、といえばモテたいから、少しでもカッコよく見せたいからである。よござんしょか?



若い女の化粧についても同じくモテたいから、少しでもキレイに見せたいから、と基本を同じくして、さらにこちらにはマナーとか個性の表現、自信を得るために、などがより色濃く加わる。よござんしょか?



つまり美しさにはパートナーを獲得するための重要な道具、という大切な機能があって、たとえば雄鳥の色鮮やかな羽根、魚の婚姻色など人間以外の自然界にもよく見られるものである。地味よりもあでやか、醜いよりも美しいほうがよいのである。よござんしょか?



ところが醜いよりも美しいほうがいい、というこのあたり前の事実を異性を対象に口にするととたんにやっかいなことが起こる。差別というヤツだ。同性同士でブスだ美人だといいあっているぶんにはまだそうでもないけれども、ここに性差別といういいぶんが加わってくるとめんどうくさい。



たとえば男は女を外見で差別している!! それは女を下に見ているからだ!! とねじ込まれる。外見しかわからない、お話をしたこともない段階でそんなことをいわれてもしかたがないだろうと思うのだけれども、まるで血も涙もない人でなしのようにいわれる。



女を下に見るもなにも、こちらはドクソ豚オヤジとドブスカバ女が白昼堂々腕組んで公道を、しかも2本脚で歩いてんじゃねーよ!! という荒みきった気持で毎日を生きているのである。いちいち差別している余裕などないのである。そうだね、女は男を見た目では判断しないよね、判断は貯金通帳を見てからだよね、と毒づきたくもなる。



誰がなんといおうと地球は太陽の周りを回っているわけだし血の色は赤い。ブスはブスだし美人は美人だ。こんなとうぜんのことがときとしてタブーに感じられるほど、世のなか“差別”については過剰に敏感である。ポリティカルコレクトネス(political correctness)を気にするなら一切、公の場では美醜にはふれないほうがいい。



差別に対する過剰な反応の例を見てみよう。





◆『J-CASTニュース』2017年9月25日配信
【イケメンには笑顔、ブサイク男には怯える表情 新CMに「シンプルに差別だろ」】

《 ロハス製薬(東京・渋谷区)のスキンケア用シートマスク「ALFACE(オルフェス)」のCMが、インターネット上で物議を醸している。容姿の良し悪しだけで人を判断するかのような内容に、「差別的だ」との批判が寄せられているのだ。



問題のCMについて、ロハス製薬側は公式サイト上で「『キレイ』が巻き起こすコミカルなストーリー」と説明している。しかし、インターネット上では「無神経にも程がある」「すごい不快」など厳しい批判が相次ぎ、いわゆる「炎上騒ぎ」となっている。


「差別的」との批判が寄せられているのは、2017年9月15日からテレビ放映が始まった「オルフェス」の新CM。韓国の人気女性グループ「KARA」の中心メンバーだった歌手のク・ハラさん(26)が出演している。

 

CMは「チャンス編」「ピンチ編」「迷わせる編」の3種類がある。とくに問題視されているのは、チャンス編とピンチ編の対照的な内容だ。それぞれのストーリーを説明すると、次のようになる。

 

まず、どちらのCMも、道を歩いていた若い女性が買い物バッグから落としたリンゴを、たまたま居合わせた男性が拾うシーンから始まる。

 ただ、リンゴを拾うのは「チャンス編」では端正な顔立ちをしたイケメンで、「ピンチ編」ではぽっちゃりとした不細工キャラ風の雰囲気の男性になっている。リンゴを落としてしまうのも、チャンス編とピンチ編では別の女性だ。
チャンス編では、リンゴを拾ったイケメンに女性は満面の笑みを浮かべる。一方、ピンチ編では、リンゴを拾ってくれたぽっちゃり男性に対し、女性は嫌悪感たっぷりの表情を浮かべ、そのまま一歩二歩と後ずさる。



その後、いずれのCMでも、リンゴを落とした女性の後方からク・ハラさん演じる「美人」が登場。どちらの男性も、ク・ハラさんの美しさに見とれて思わず手にしたリンゴを差し出す。

ここでのク・ハラさんの反応も、また対照的だ。イケメンに対しては、晴れやかな笑顔を浮かべて会釈。画面には「チャンスはいつでもやってくる」とのテロップが表示される。一方、ぽっちゃり男性のプレゼントに対しては怯えた表情を浮かべ、ク・ハラさんはそのまま足早で走り去る。そこで画面に、「キレイはピンチを招くこともある」とのテロップが現れるのだ。》



ほら、“差別”に過剰に敏感だとウッカリ騙される。さらに騙そうとしているこの記事も悪い。この記事には抜けているけれども、通りがかりのク・ハラはイケメンと“ぽっちゃり”の両方からともにちゃっかりリンゴを受け取ってしまうのである。差し出されただけでなく受け取る。ここは重要。



リンゴを落とした2人の女よりもク・ハラのほうが美人である。そういう設定になっている。2人の女のうち1人は猫背だしもう独りは口角が下がった性格の悪そうな顔をしている。



リンゴは性愛の象徴、とかそういうことはどうでもよくて、つまりこのCMで語られているのは女は醜男よりはイケメンのほうが好き、男もブスよりは美人が好き、という単純な真理である。いってみればこのCMのコンセプトは「人は見た目が100%」なのだ。



であるから男はブスの落したリンゴを目の前にいるその落とし主からくすねてでも美人に渡してしまうし、女は醜男にあからさまにイヤな顔をする。そして美人は他の女のものでも勝手に自分のものにして許される。この性愛おっと間違いた(by荒木経惟)、リンゴのやりとりはそのまま男女関係における美醜の力関係の厳しさを思わせる。



このCMは「人は見た目が100%」という元も子もない事実をギリギリまでストレートに描いている。しかし表現するにあたって性別や美醜による“差別”にまったく無自覚だったのでは決してない。反対に“差別”だと突っ込まれないよう、それぞれの役割の女や男に十二分に注意を払っているのである。それは差別された男も差別をし、差別した女も差別される、と描くことであった。



もし“差別”に対してまったく無自覚だったのであれば、わざわざこんな面倒くさいシークエンスはつくらない。“差別”にこだわらなければ美人とブスが1人づつ、あるいはイケメンと“ぽっちゃり”が1人づついれば事足りる。



しかしそうした努力が報われていないのは、このストーリーでは因果応報というご教訓めいたお話は伝えられたけれども“差別”そのものを否定したことにはなっていないからだ。むしろ追認する姿勢が見える。



引用に戻ろう。

《 このように、全く同じシチュエーションであっても、男性の外見によって女性側の反応が「正反対」になるCMの内容に対し、ツイッターやネット掲示板には、



「イケメン男性とそうじゃない男性に対する女性の態度が露骨すぎてみてられないんだけど、あれシンプルに差別だろ」


「男性に失礼すぎでは???? 男性からの好意を『ピンチ』と表現するのどうなの...」


「見た目の良し悪しで相手への対応を変えるの推奨してる感じで気持ち悪い」


「不細工は近寄るのも罪なんだと言うのを教えてくれる」



といった批判が殺到。実際、9月7日にYouTubeで公開された「ピンチ編」CMは、「高評価」が65件、「低評価」が1195件となっている(25日18時時点)。》



すべての登場人物のなかでいちばんキャラが立っているのは“ぽっちゃり”であるし、彼への同情が集まるのもムリはないかもしれない。因果応報という製作者側の控えめな意図はまったく伝わっていないようだ。そしてここから先、『J-CASTニュース』はこのCMに単純な“差別”のレッテルを貼りたいのだという意図を持っていることがあからさまになる。



《 また、どちらのバージョンのCMでも、リンゴを落とした女性の側に立って考えてみると「いたたまれない」との指摘も出ており、

「なぜリンゴを持ち主に返さない?所詮顔かよ!不快やわ」
「比べられる最初の女性がかわいそう」

といった批判も上がっている。



このように、男女どちらの側も「容姿だけ」で良し悪しが判断されるような内容をめぐっては、
「無神経にも程がある」「炎上しないほうがおかしいレベル」といった厳しい意見も相次いで寄せられている。

 

J-CASTニュースは9月25日、ロハス製薬に対し、(1)CMの制作意図について(2)ネット上の批判を受けての考え(3)今後、何らかの対応は検討しているか――の3点をメールで質問した。電話でも担当者に連絡を取ろうとしたが、不在とのことで同日18時までに回答は無かった。》





最初からこうした一般の幅広い反応が前提にあれば、「イケメンには笑顔、ブサイク男には怯える表情 新CMに『シンプルに差別だろ』」というこの記事自体が成立しない。つまりここで付け足しのように語られているのは本論を語り終えたあとの例外事項、エクスキューズでしかない。



そしてわざわざ“差別”だと糾弾されていますけれど、の姿勢でロハス製薬に質問状を送りつけるのである。困ったヤツである。世間の“差別”に対する過剰な反応に媚びてこんなことをするのである。



で、これに乗っかるヤツまで出てくる。フィフィ(not欧陽菲菲)である。見ていただきたい。





◆『女性自身』2017年9月25日配信
【フィフィ「男は貶してOKという風潮」への持論展開に共感の声】

《買い物帰りの女性が紙袋からりんごを落とし、それを2人の男性が拾ってくれる。りんごを拾ってもらった女性は、爽やかなイケメン男性には笑顔で対応。しかし、もう1人のオタク風男性にはギョッとした表情を見せて逃げ出してしまう――。

化粧品会社「ALFACE」が発表したCMの内容に「男女が逆だったら大炎上するのは明白だ」との批判が殺到している。

これを受けて9月25日、タレントのフィフィ(41)がツイッター上で持論を展開した。

「まさに外見的な美しさを追求している化粧品会社なんでしょう。それなら遠慮せずブサメン女性が男に逃げられるってバージョンも公開して商品宣伝したらよかったのにね!」

1度のツイートでは気が済まなかったのか、再度“フィフィ節”を炸裂させた。

「男はいくらでも貶してOKっていう日本の風潮、これは実は女尊男卑で女が持ち上げられてるんじゃなくて、これで不満解消してくれるなら言わせとけって、つまり言ってもムダだと思われてるだけで、女性が自らの地位を下げてると思うのね。それに気づかず自らの言動を改もせず男尊女卑!って叫んでる印象」

彼女の鋭い指摘には、こんな共感の声が――。

「その通りだと思います」

「男と女はお互い役割も違うので男尊女敬をうとうております。お互い尊び敬いたいもんです」》





もう、地の文のCM内容説明からしてお粗末すぎる。説明からもフィフィの発言からもク・ハラの存在がズッコーンと抜けている。ク・ハラがズッコーンと抜けてしまえばCMの内容はまったく別物。ク・ハラがわざわざそこにいるから「男は貶してOK」だけの単純なお話にはなっていない、ここがポイントなんでしょ。わかってやってよ。



それを見逃す。ブスが落したリンゴを拾った男がそのリンゴを別の美人にわたしてしまってもあたりまえのこととして看過す。そのことのほうが「いくらでも貶してOK」よりもよっぽど差別的ではないか。



このCMを、ゲッ醜男だ!! とあからさまに態度で示しても男のほうはビクともしないくらい女を小バカにしているのだ、と読み取る前に、男はブスからリンゴまで取り上げるのか!! そしてそれを美人に与えるのか!! と憤るべきではないのか。



さらに「女性が自らの地位を下げてると思うのね」といういいかたも、誰に誰のことを語っているのかさったぱりわからないではないか。このCMの製作者は女なのであろうか? そんな情報はどこにもない。



最近フィフィのアタマにあるらしい「女尊男卑風潮に隠された男尊女卑」みたいなできあいを、パッと見でちょうどいいや、とペタペタ貼付けてもダメなのよ。タレントのコメントなんだからとにかく数撃たなきゃ、という気持はわかるけれども、もう少し時間を割いて実際のCMに当たり、考えてからにしてもらわにゃ。



「女尊男卑風潮に隠された男尊女卑」というのも、レディファーストすなわち女をペット扱い、というむかしからのいわれでしかないわけだし。



そんなフィフィが坂道の上で落したリンゴを拾ったら、おまえならどうする、ってか? うむ。誰か別の男に押し付ける。もしも齧ってみろといわれたら? そのときはその場で躊躇なく舌を噛み切る。たとえどんなに荒み切った毎日を送っていたとしても。血の色は赤い!!(了)




OCN モバイル ONE データ通信専用SIM 500kbpsコース


CMで話題のコスメやサプリがSALE中☆


【DHC】最大70%OFFのSALE開催中!





0 件のコメント:

コメントを投稿