◆『デイリー新潮』2017年9月6日配信
【慶応大教授が女子大生を「洗脳」不倫 “先生とだったら世界征服も”】
「洗脳」不倫とはまたダークな響き。まずはその記事のほうからご覧いただきたい。
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日本の“私学の雄”慶応義塾大学で、教授が女子学生と不倫していた。しかも、教授は立場を利用して一方的に学生を洗脳。それを大学は見て見ぬふりで……。
慶応大学2年生の斉藤菜穂さん(21)=仮名=に、アラビア語などの講義を担当する総合政策学部・奥田敦教授(57)が接近し始めたのは、昨年の秋だった。
「(奥田教授に)勉強に集中するように言われてサークルも辞め、帰宅も遅くなり、“研究室に泊まるから”と、帰らないことも増えました。ボーイフレンドとも別れ、冬休みも研究室に通うようになった。“思い出も捨てなきゃいけない”と、クローゼットからぬいぐるみを出して捨ててしまい、年が明けると“こんな自分にした親が悪い”と、私たちをなじるようになりました」
と、菜穂さんの異様な振る舞いを明かすのは、彼女の母親である。以来、菜穂さんは頻繁に外泊するようになり、2月下旬には妻子のある奥田教授と二人きりで沖縄に行くこともあったという。
“先生とだったら世界征服もできそう”“死ぬのが怖くなくなってきた”とのメモを残すようになり、人格まで変わり始めた菜穂さん。両親が探偵に調査を依頼すると、「研究室」と言っていた行先は奥田教授のマンションだったことが発覚する。ところが、大学は両親の再三の訴えにもかかわらず、事態を事実上、放置したままだった。
母親が相談したカウンセラーは、“菜穂さんは教授への全面的な依存症”と指摘。8月17日には、菜穂さんの両親、そして教授の妻が奥田教授のマンションに集まり、“奪還劇”が繰り広げられた。部屋では、菜穂さんが震えていたという。
奥田教授は過去にもゼミ生に同じことをしていた、と教授の妻は語る。
「奥田は彼女の家族も、うちの家族も壊している。何を考えているのか、さっぱりわかりません――」
「週刊新潮」の取材に対し、奥田教授は「ノーコメント」の一点張り。慶応義塾広報室は「大学としてできる限り真摯に対応をさせていただいておりますが、現在対応中の案件であり、これ以上の詳細は回答を控えさせていただきます」との回答だった。
— 略 —
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9月7日発売の本誌のほうから少し補足しておくと、菜穂さんの両親、教授の妻、さらにたぶん助っ人の男2人と『週刊新潮』の記者が奥田教授のマンションに突撃したとき、部屋では、菜穂さんがあらぬ姿で震えていたという。
結局この日、菜穂さんの両親たちは抵抗する奥田敦教授を撥ね除けて菜穂さんを奪還することに成功している。まあ、なにはともあれストーリーを知って写真を見れば白髪の悪魔めいた男からうら若い乙女を救出できてなによりである。
さて、この男・奥田敦がやったことは「洗脳」といえるのか? といえば「洗脳」ではない。「洗脳」(Brainwashing)とは「強制力を用いて、ある人の思想や主義を、根本的に変えさせること」(Wikipedia)であり、必ず監禁・幽閉など身体的な拘束がともなう。
またその過程においては電気ショックなどさまざまな拷問、薬物などの暴力が使用される。つまり「洗脳」とは一般にイメージされるものより実際はそうとう荒々しいものだ。奥田敦と菜穂さんとのあいだには、いまのところそうした事実があった形跡はないようである。
「洗脳」と混同されてよく用いられているものに「マインドコントロール」( Mind control)という言葉がある。「マインドコントロール」とは「 他人の思想や情報をコントロールし、個人が意思決定する際に、特定の結論へと誘導する技術を指す概念である」(Wikipedia)。
つまり洗脳が個人の思想や主義を根本的に変えさせることであるのに対して、マインドコントロールはただ特定の事柄に対する意思決定を方向付けるのに留まる。
「マインドコントロール」には理論的・学問的な根拠はなく、つまるところコマーシャルと同じ心理操作の手法とされている。この社会に生きていればみな、なにがしかの「マインドコントロール」に晒されているということがいえる。
では奥田敦がやったことはなんなのであろうか? 心理操作の手法を使って菜穂さんを精神的支配下に置き隷従させた、ということであろう。心理操作あるいは心理操作術については多くの情報が出回っているので、いまやそれほど特殊なものでもない。
特殊なものでもなくなるほどに一般化しているのは、それが実際に有効に働く場合が限られているからである。そもそもその手に乗らないことが多いし、たとえば新入社員研修でガンガンに絞られて目付きが変わっても1〜2週間も経てばすぐに元に戻る。
奥田敦の場合は以前にも同じことをしでかしているので、心理操作以外になにか特殊な能力をもっていそうにも見えるけれども、そうではない。教授と学生という菜穂さんとの関係、そして高校を卒業してまだまもない(奥田敦と知り合ったのは慶應大学に入学した年の秋)、菜穂さんの社会的経験値の低さ、つまり多様な価値観や考え方への対応力がまだ十分にできていない状態がそれを可能にしてしまった、それだけのことだと思う。奥田敦が人並み以上に助平で陰湿、そして常識知らずであることはいうまでもないけれども。
奥田敦が心理操作の手法を利用したことは、菜穂さんにサークルを辞めさせ、ボーイフレンドと別れさせ、“研究室に泊まるから”と帰宅させず、冬休みも研究室に通わせる、と自分以外の人間関係を遮断しようとしていることからもよく窺い知れる。
そんなわけであるから、教授と女子学生の恋愛沙汰みたいなことは掃いて捨てるほどある。たぶんどこの大学にもある。深刻な事態に立ち至った例も少なくない。古くは1973年に不倫関係にあった教え子を殺害して一家心中した立教大学の大場啓仁助教授の事件は有名だし、2015年には福井大学准教授の前園奉徳による教え子殺害事件が起きている。
同じ2015年にはこんなことまであった。55歳の大正大学の非常勤講師が女子学生に衣類を取り上げられた、と全裸で白昼のキャンパスを徘徊していたのである。これもことの起こりは2人のそもそもの関係性と女子学生の未熟さからきているものであろう。ミイラ取りがミイラ。
心理操作による心酔の状態が「先生とだったら世界征服もできそう」「死ぬのが怖くなくなってきた」というところまで亢進してしまうのもよくわかる。自分が新しく発見したドグマで世界を読み替える興奮と快感はたいへん激しい。たとえばいま上手くマルクスを売り出せばそうとうなブームになるような気もする。
要するに奥田敦がやったことはヤクザが女を口説くのにあちこち連れ歩き、それまでに見たこともない経験をさせ、いかに自分がスゴいかを吹き込むのと変わらないのである。「女っていうのはパッションなんだよ」と教えてもらったことがあるけれども、そのくらい一生懸命にヤクザ的価値体系を摺り込む。そしてそのうち何割かの女は家族さえ捨ててついていく。
これから高校を卒業するお嬢さん、お嬢さんのご家族、ここのところようく心に留めておいていただきたい。とくに独り暮らしをはじめるのならなおさらである。息子なら放っておけばよい。こんな心配をするなんて、ジジくさいのう。(了)
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