今後30年以内に80%以上の確率で震度6超の大地震が起こる、といわれても、核攻撃で沈めてやる!! とプロレス技(Atomic Bombs Away=原爆落し!!)みたいな文句で脅されても、ただなんとなくぼんやり平然としている。未来を諦めてしまっているからであろうか?
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そんなことはないのよ。いい古されて陳腐だけれども、明日もまた今日と同じ一日がやってくるに違いない、と日常に安住しているだけなのよ。で、このふてぶてしさ厚かましさを支えているものはなんだろう? と考えると、結局、70年にわたる戦後レジーム、中抜けはあれど60年間の自民党政治だったりする。大きく歴史を一貫するものとして天皇制もある。
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戦前回帰、国民軽視、資本の走狗、日本死ね!! とさんざんにコキ下ろしつつ、同時に心の奥にはなにを壊してもこの国は絶対に沈まないだろうという信仰に似た思い込みがある。違いまっか?
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隣国・中国や北朝鮮の脅威が増しても、次の神風はどんなっかなー、と夢想に耽る。経済がいいだけ凹んでも、もうすぐ半島で動乱 → 神武景気パートツーだべ、とたなぼた待ちの神頼み。どうしても神風、どうしても神国日本なのである。
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しかしながらそのようにして神に頼り切り惰眠を貪っているあいだに、驚くなかれ肝心の日本の神々は着々と佇まいを変えていたのである。
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◆『NEWSポストセブン』2017年9月6日配信
【神社本庁から有力神社が続々離脱、改憲賛同署名集まらぬ状況】
◆『文春オンライン』2017年9月13日配信
【神社本庁で内紛 内部告発の部長を懲戒解雇】
『NEWSポストセブン』の記事によると東京・富岡八幡宮はすでに神社本庁からの離脱を正式表明。八幡宮の総本社、大分・宇佐神宮でも離脱の動きがあるらしい。
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「神社本庁からの離脱の動きは年々加速している。2005年からの10年間で214もの神社が離脱し、中には石川県の気多大社(2005年)、京都府の梨木神社(2013年)などの有力神社も含まれる」なのである。(本文より)
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神社本庁が統括している全国の神社は約8万といわれているからそのうちの200や300、と思いがちであるけれども、約8万の多くは神主が副業で生計を立てているような零細神社である。記事にあるような有力神社の離脱が続けば、神社本庁は一気にパワーダウンしてしまう。
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神社本庁がパワーダウンするとなにがどうなるのか、というお話の前に神道の基本について押さえておこう。といってもWikipediaからコピペするだけ。
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「神道(しんとう)は、日本の宗教。山や川などの自然や自然現象、また神話に残る祖霊たる神、怨念を残して死んだ者などを敬い、それらに八百万の神を見いだす多神教。自然と神とは一体的に認識され、神と人間とを取り結ぶ具体的作法が祭祀であり、その祭祀を行う場所が神社であり、聖域とされた」
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「八百万の神」は“やおよろずのかみ”と読む。山川や草木ばかりではなく古い道具などに宿ることもある。どんなものにも神が宿っているので、日ごろから万物に感謝し、ムダにしたり乱暴に扱ったりしてはいけないという、まことに穏やかで平和的な宗教である。本来は。
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神道の信仰にはいろいろなカタチがある。神社をもたないものもあるけれども、「神社を中心に、氏子・崇敬者などによる組織によっておこなわれる祭祀儀礼をその中心とする信仰形態」(Wikipedia)が神社神道であり、その最大のものが包括宗教法人・神社本庁である。
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神社本庁の総信者数は7700万人を超える。ことになっている(「宗教年鑑」平成28年版・文化庁)。日本最大の宗教法人である。これでも10年ほど前までは信者数1億数百万人といっていたのであるから、ずいぶん控えめになったものだ。
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すでにご承知の通り、神社本庁は戦前・戦中の国家神道の流れを汲んでいる。国家の支援を受けて神国日本、万世一系、臣民は天皇の赤子などというファンタジーを流布し、海外出兵の精神的バックボーンとなってきた。
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私の実家も神道である。どこの氏子でもなく身内に不幸があったときくらいにしか実際の縁はないけれども、たぶん信者世帯にはカウントされているのである。私にとって神道がもっとも役立つのは、宗教への勧誘を受けたときで、「神道なので」とひとこというと、どういうわけかおみなさま踵を返して去っていかれる。
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では神社本庁が寂れていくと世のなか的にどうなるのかというと、『NEWSポストセブン』は以下のように書いている。
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「神社本庁の求心力が低下すると、影響を受けるのが安倍政権の進める改憲の動きだ。神社本庁はかねて憲法改正を推進しており、2016年には改憲を目指す団体とともに全国の傘下神社の境内で約700万もの改憲賛成の署名を集めた。
『神社本庁の政治団体、神道政治連盟の国会議員懇談会現会長は安倍首相。首相にとって神社本庁は改憲への動きを草の根で広げる重要な支持基盤なんです。ところが、氏子や参拝者が多く金銭的に余裕のある神社ほど、神社本庁の管理から離れようとする傾向が出てきた。このまま有力神社の離脱が相次げば、安倍首相の改憲を後押しするパワーも弱まってしまう』(専門紙記者)」
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『文春オンライン』のほうはこうだ。
「神社本庁は、神道政治連盟(神政連)を実動部隊として『日本会議』『美しい日本の憲法をつくる国民の会』などの安倍政権を支持する保守系の団体の活動を支えており、政治への影響も注目される」
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神社本庁は保守派の政治勢力と結託しているのであって、とくに安倍晋三だけと、というわけではない。そして保守派イデオローグの一角を確実に支えてきた神社本庁がいま静かに、なし崩し的に衰退の途をたどっているというのは、日本のなにからなにまでがパワーダウンしているようで、いささかショッキングである。
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しかも不動産売却を巡る問題を内部告発していた部長の懲戒解雇からの内紛(「文春オンライン」)、それから各神社の人事に対する干渉などが原因(「NEWSポストセブン」)だというのである。いってみればたいへん俗なのである。
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こちらの日本は気づかれぬうちに確実に死に向っている。(了)
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