頑固なくらいに愚直で一生懸命な頑張り屋という、私とはほぼ正反対の資質をもつ方々をごくたまにお見受けする。そんな方々にはいつも、偉いなー立派だなーと感心しつつ、でもいつかキャパを超えてポッキリいくんだよなー、その前に向う岸までたどり着ければいいけどね、と斜に構えた心配もする。
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今回取り上げる春香クリスティーン(25)もそうだったといいたいわけである。ほかにわかりやすいところでは土屋太鳳(22)がいる。この方の場合はホントに老婆心ながら将来の鬱病さえ案じてしまう。
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私にとっての春香クリスティーンはたしか2011年12月の『ダウンタウンDX』(読売テレビ)である。このとき春香クリスティーンは外国語でやる日本のギャグというネタをやったのだけれども、これが激しく厳しくイタかったのである。
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モンゴル語でザブングルの「カッチンカッチンやぞ!!」をやるその変顔やしぐさがあまりに一生懸命というか必死で、見ているこちらが思わず顔を背けてしまった。もちろんスタジオも微妙な空気。つまりこれは自分で考え出した芸ではなく—— もしそうならテレビで披露する前に友人・知人などに試してNGだとわかるはず—— 事務所(株式会社ホリプロ)にいわれてやっていたことなのである。愚直に一生懸命、頑張って。
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その春香クリスティーンが11月19日、来年3月末での休業を発表した。やっぱりポッキリ折れちゃったのね、と思っていたら“勉学に専念”のためだという。ふむ。折れちゃいました〜、と正直に話すヤツもいないか。まあ、とりあえずは事務所発表コメントの全文も載っているので、まずはコレをご覧いただきたい。
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◆『AbemaTIMES』2017年11月24日配信
【モーリー氏、春香クリスティーンの勉学専念を応援 「選挙特番で一緒になった時感心した」】
《タレントの春香クリスティーンが、来年3月いっぱいで芸能活動を休止することを所属事務所が発表した。事務所からのFAXでは、次のように記されている。
「弊社所属のタレント春香クリスティーン(25)が来年3月末日をもって、タレント活動を休業し勉学に専念することをご報告申し上げます。
政治家好きを公言するなどバラエティ番組に出演し芸能活動をしてまいりましたが、仕事に没頭するあまり、自分のしたい勉強が思うように手につかず、5年間在学した上智大学も中退していました。
そしてここ数年、コメンテーターとして海外視点のコメントを求められることが多くなるにつれ、中途半端なコメントしか話せない自分に悩むようになったそうです。1年程前からは日本のことはもちろんですが、海外、特にヨーロッパの政治・経済・文化を学びたいとさらに強く思うようになり、今後は海外の大学進学を目指し、勉学に専念するという結論にいたりました。
応援してくださっている方々をはじめ、レギュラー番組、関係者の皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、今後とも、春香クリスティーンの応援の程、宜しくお願い申し上げます」
勉学を理由に芸能活動を休止する春香クリスティーンについて、共演歴があるレッド吉田とモーリー・ロバートソン氏は『けやき坂アベニュー』(AbemaTV)で見解を述べた。
「明るくて真面目な子。僕らからしたら全然良いコメントなのに、納得できなかったわけでしょ。すごいよね、向上心が」と話すレッド吉田。一方のモーリー氏は「選挙特番で一緒になったことがある。当時、日本の選挙に興味がなかったんですけど、春香さんがどんどん『小選挙区が~』『新潟何区は~』と話すから感心してしまって、『あとで教えて』と耳打ちした。そこまでわかっている彼女が、やっぱり芯から勉強し直したいと考えるのは非常に合理的。本当に知りたいということ。いわゆるタレント枠で、政治について瞬間的に見ている人の目線で反応できれば良いというニーズもあるんですけど、そこだけに定着してしまうと本人が持っている潜在能力を磨けない。自分を厳しくご覧になって決断されたんでしょうね」とエールを送った。》
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うむ、モーリー・ロバートソン(54)もレッド吉田(52)も春香クリスティーンの政治問題への関心、学びについて感心しているのである。その成果を実際に現地取材で証明してみせた番組がある。2016年3月21日、BS日テレで放送された『深層NEWS —「春香クリスティーンが密着 難民逃避行2千キロ! シリア混迷とEU分断」』である。
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春香クリスティーンが単独で取材を担当したこのレポートは紛争というものを市民の目から実によく捉えていて、ほんとうによかったし驚かされた。私がとやかくいうだけでなく、ジャーナリストたちのあいだでも高く評価されている。
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この番組については春香クリスティーン自身のレポートが『COURRiER Japon』に「春香クリスティーンが単独取材! 欧州難民ルート2000km」として集中連載でアップされているので、ぜひご一読いただきたいと思う。
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そんな春香クリスティーンがさらに学びたいというのであるからふつうならモーリー・ロバートソンのようにもろ手を挙げて送り出したいところである。だがしかし、次の記事をご覧いただきたい。前掲『AbemaTIMES』と同じ11月24日配信に配信されたものだ。
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◆『日刊サイゾー』2017年11月24日配信
【休業の春香クリスティーン“政治オタク”はビジネスキャラだった!?「勉強した形跡なく……」】
《 「国会議員リストなどを独自にまとめたオリジナル資料を持ち歩き、日本の歴代首相の写真を部屋の壁一面に張って暮らしている」という触れ込みで売っていたハーフタレントの春香クリスティーンが、来年3月末に芸能活動を休止すると発表した。海外の大学進学を目指し、勉学に専念するという。
「海外視点のコメントを求められることが多くなるにつれ、中途半端なコメントしか残せない自分に悩むようになった」というのが理由で、引退ではなく一時的な休業だというが、昨年3月にはタレント仕事を優先するあまり、上智大学を退学していた。今度は逆に学業優先でタレントをドロップアウトするわけだ。
春香は、日本人の父とスイス人の母を持つスイス生まれのハーフで、2008年に16歳で来日。「政治家の追っかけ」が趣味という“政治オタクキャラ”が受けて、情報番組などに引っ張りダコとなったが、仕事優先で大学を2年間休学した際、「大学は合計12年在籍できるらしいので、20年の東京五輪までには卒業する」と宣言していた。
しかし、実際には出席日数がまったく足りずに退学。タレントとしては『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)、『アッコにおまかせ!』『Nスタ』(共にTBS系)など多数の情報番組に出演していたが、実のところ「政治オタクとは名ばかりで知識が浅い」との悪評もあった。
春香と同席したことのある政治コメンテーターも「イギリスのEU離脱騒動のとき、意見を求められてしどろもどろになっておかしいと思っていたら、あとでディレクターが小声で『彼女、政治オタクはビジネス上のキャラですよ』と言っていた」という。
「確かに、政治資料を持ち歩いているという話なのに、番組出演時にテーブル上には台本以外、何もなかった。他の出演者はみんなノートやメモを並べている中で、ただのアイドルにしか見えなかったですよ。勉強した形跡のある発言もなかったし、誰でも思いつくようなことしか言ってなかった。4カ国語を話せるらしいですが、おそらく海外ニュースすら、ろくに読んでなかったのでは」(同)
実際、番組によっては司会者に振られたとき以外、ほとんど発言がなく、議論に加われない場面も多々あった。
「ただ、番組側も彼女を使って『グローバル目線はこうだ』と安く演出したい意図がミエミエで、所属事務所が無理に背伸びした仕事をさせている感じもしましたよ。本人も、それにギブアップしたのでは?」(同)
春香は、掃除ができない“汚部屋キャラ”や、トイレで寝る“不潔キャラ”、男性と交際したことがない“処女キャラ”でも売っていて、なりふり構わず売られていたようにも見える。そのせいか、テレビ番組内で、構成作家の山際良樹氏との交際を発表した際にも「ヤラセのビジネスカップルでは?」との声もあったほどで、実際に交際の様子がまったくないまま、5カ月で破局宣言している。
「そこまで仕事を選ばず、なんでも必死にこなしてきた女性タレントともいえますけど、彼女に報道番組は荷が重いでしょう。バラエティ番組だけにしておけばよかったんです。もっとも、春香さんよりもっと無知で、スタッフにコメントを用意させているようなコメンテーターもたくさんいるんですけどね」(同)
一説には「この休業は、将来の政治家転身を見据えたもの」ともいわれるが……。 》
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まあ、納得できるのはただ一点「そこまで仕事を選ばず、なんでも必死にこなしてきた女性タレント」という部分だといっていいくらいのシロモノだ。なぜこうも春香クリスティーンは激しくディスられなければならないのか? まだ休業までは4ヵ月もあるのに。
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誰のしわざかというのは、これはホリプロだろう。ホリプロ以外には春香クリスティーンのこれからについて利害関係で背反する可能性のあるところはない。面白半分にしては“ある政治コメンテーター”の“証言”があったりしてチカラが入り過ぎている。
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なにを目論んだのか、といえばこれもあからさまだ。春香クリスティーンの報道分野への進出潰し、である。
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「政治オタクとは名ばかりで知識が浅い」
「彼女、政治オタクはビジネス上のキャラですよ」
「おそらく海外ニュースすら、ろくに読んでなかったのでは」
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具体的にディスっているポイントはほとんどここ、政治・報道関連しかない。そう、そうなのよ。なぜなら春香クリスティーン側からいわせてもらえば、とりあえず事務所を円満退所する都合上、芸能活動の休止を発表したとはいえ、芸能と報道の分野はまた別であって、ここから復帰する可能性はまだ残されている。
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さらにテレビの報道番組が春香クリスティーンをレポーターあるいはコメンテーターとなどして採用した場合、いくら芸能大手のホリプロであるとしても手は出せない。春香クリスティーンはそのようにしてテレビ界に生き残るかもしれない。
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それが気に食わないポリプロがまた陰湿な手段で芽を摘みにきているのである。と、思う。これはだから結局、いま問題になっているプロダクションのタレント潰し、独立していく者を“干す”私刑にほかならない。念には念を入れているのね、ホリプロ。楽屋に挨拶にきた春香クリスティーンをハグした、なんていっている和田アキ子もいい気なものである(「J-CASTニュース」2017年11月19日【春香クリスティーンが涙ぐんだ アッコからの「休業」への一言】)。
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では春香クリスティーンとホリプロはどこで衝突したのか? ああん、だんだんメンドくさくなってきたよう。考えられる要因を列挙してみよう。
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(1)春香クリスティーンが独立したがった
(2)春香クリスティーンが芸能活動にイヤ気がさした
(3)春香クリスティーンの発言に重大な政治的NGがあった
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私の知るところ(3)はない。(1)のひき金になるのは待遇への不満、結婚などだけれども、こうした場合、少しはタレント側のジタバタがオモテに出るものである。社長の顔面を思いっきり引っ叩くまではいかないにしろ。いくら愚直で一生懸命な頑張り屋でもそうなる。必ず周囲に相談相手がいるからだ。
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そんなわけで(2)の「芸能活動にイヤ気がさした」に私は1票である。前掲『AbemaTIMES』の記事中にあった事務所のコメントに「 1年程前からは日本のことはもちろんですが、海外、特にヨーロッパの政治・経済・文化を学びたいとさらに強く思うようになり」という下りがある。1年ほど前になにがあったのか? たぶんコレだ。
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◆『アサ芸plus』2016年6月30日配信
【思想犯扱いされた春香クリスティーンが号泣!フジのやり過ぎドッキリに批判殺到】
《 6月28日、「人気芸能人にイタズラ!仰天ハプニング100連発」(フジテレビ系)というドッキリ番組が放送された。その中でタレント・春香クリスティーンに仕掛けられたドッキリが物議を醸している。
「この番組は、様々な芸能人に100発のドッキリを仕掛けるという内容です。今回、ターゲットの1人である春香は、街中で突然、ひったくり犯に間違えられ、パトカーに連行。後部座席に座らせられた後、両サイドの偽男性警官から、威圧的な事情聴取を受けるというドッキリを仕掛けられました」(テレビ誌記者)
春香といえば、国会議事堂前で議員を出待ちするほどの「政治オタク」として知られている。
そのため、この番組のドッキリで、偽警官からバッグの中身を調べられると、大量の新聞が発見されるというシーンがあった。しかしそこからの内容に対し、視聴者から批判の声が上がっているという。
「仕掛け人の男性警官が、春香の所持する新聞を発見すると、『なにしようとしてるの?』『政治的なことやってるんじゃないの? 本当のこと言いなさい!』と思想犯扱いをして強い口調で彼女を恫喝しました。あまりの恐怖に春香は声を出して号泣し、ドッキリは終了したのですが、このようなドッキリ番組において、ターゲットを反政府的な活動を行う犯人に仕立て上げるなど前代未聞です。そのため、番組を見た視聴者からは『かわいそうでまったく笑えない』『明らかにやり過ぎ』『政治への興味を問い詰めるドッキリなんてどうかしてる』と批判の声が殺到しました」(前出・テレビ誌記者)
各局が定期的に放送しているドッキリ番組。しかし今回は、国家権力を偽って、政治的興味を持つ女性タレントを号泣させたことで、やり過ぎという声が視聴者から上がってしまったようだ。》
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これねえ、一生懸命勉強している政治を揚げ足にとられたんじゃふつうアタマにくると思うのである。そのうえはるばる日本くんだりまでやってきて芸能界入りして、みなが目を背けるほど顔を崩しながらモンゴル語で「カッチンカッチンやぞ!!」をやってからこのかた、このかたこのかたこのかたガマンにガマンにガマンを重ねてきていたのである。
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おそらく事務所には『深層NEWS —「春香クリスティーンが密着 難民逃避行2千キロ! シリア混迷とEU分断」』のような仕事をもっとやりたいという要望を出していたはずである。本人の志向がそうなのであるから。だがしかし、やってきたのはまるで政治犯扱いの“イタズラ!仰天ハプニング”である。キレてあたりまえ。ポッキリ上等!! だと私は思う。
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マネージャーが悪いのかなにかは知らぬが、ホリプロは素晴しい才能を逃した。それはもちろん視聴する我々にとっても損失だ。いったいどうしてくれるんだよ。
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そういえば最近結婚した元ミス・ユニバース・ジャパンの知花くらら(テンカラット・35)も活躍の場が与えられず残念であった。元ミスインター・ナショナルの吉松育美(30)にいたっては芸能事務所・ケイダッシュ幹部の谷口元一からさんざんストーカー行為を受けた挙げ句に実質干されている。
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まったくもって、芸能界を仕切っている方々のアタマの悪さにはこちらの頭が下がる。春香クリスティーン、早く帰ってこいよー!! まだいなくなってないけどよー。(了)
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