2017年11月23日木曜日

中国の臓器移植ドナー用「脳死マシーン」って知ってる?



昨日から“頭部移植”がアタマについて離れない。それはまず自分のウッカリがあったからである。原稿をアップした直後に気づいたのだけれども、それは“頭部移植”といういい方である。



これは慣例的にこう呼ばれていてとりたてて問題というわけではないけれども、昨日ご紹介した記事の訳文のなかでは身体提供者を“ドナー”と呼んでいるのである。つまり移植されるのは頭部ではなく、頭部を除いたほかの全部のほうを頭部に移植する、という認識が日本以外ではっきりとあるということだ。気がつかなんだ。



しかしだからといってふだん“頭部移植”と表現する私たちはその言葉の通り首から下が主であって頭部が従、と考えているわけでもない。“頭部移植”なのであるからその逆でもない。これはたぶん日本人の死生観や生命感までよく表している事例であると思う。でも難しくて私のアタマでは軽々しく扱えそうにもないのでまた今度にしよう。



もうひとつの後悔は「頭部移植手術はカナヴェッロ医師の共同研究者・任暁平医師の医療チームとともに中国黒竜江省ハルビン医科大学で行われた。」という記述をたやすくスルーしてしまったことだ。



中国黒竜江省ハルビンといえば第2次世界対戦中、悪名高い731部隊(関東軍防疫給水部)の大規模な研究施設があり、悪魔的な人体実験が繰り返された場所である。このこと自体には鈍いアタマもすぐに反応したのだけれど、昨日の記事でここにふれてもゲスの勘ぐり、ただのイチャモンに過ぎなくなってしまうと思い見送ったのである。



もう少しゲスに徹して「共同研究者・任暁平医師の医療チーム」という文言とともにこだわっていれば、ご紹介した記事の後半にほのめかされている、権力者も含めた闇の臓器移植、臓器売買についてチェックしてみようか、という気分になったはずなのである。



つまり大げさにいえば国家の犯罪である。昨日ご紹介した中国での“頭部移植手術”に、ほんとうにそうした中国医療の闇の部分との接点はないのか? というとうぜんの疑問が起こると思うのだ。



今度またヒマがマシマシしたら調べよう、と思っていたら、昨日から巡回コースに入れた『大紀元』がやってくれた。





◆『大紀元』2017年11月22日配信
【中国臓器移植の闇 戦慄の「脳死マシーン」再現、中国の移植病院に潜入取材=韓国報道】

《 韓国の人気番組「調査報道セブン」は11月15日、中国臓器移植の闇を取り上げた48分間の番組『殺せば生きられる』を放送した。番組によると、過去20年間で毎年約1000人、総計2万人が移植目的で韓国から中国へ渡ったという。取材チームは、中国の臓器移植病院で潜入取材を敢行し、移植を希望する韓国人の患者が、中国で移植手術を受ける様子を伝えた。

中国衛生部(厚生省に相当)は、これまで移植用臓器は、死刑囚や自主的な提供者からのものと説明してきたが、年間少なくとも6.5万~10万件といわれる移植手術を賄うには数が合わない。国際的な調査では、良心の囚人を含む収容者たちが、強制的に臓器を摘出されているのではないかと指摘されている。

テレビ朝鮮が制作したこの番組は主に、臓器強制摘出問題の調査第一人者であるカナダの人権弁護士デービッド・マタス氏、同国元官僚デービッド・キルガー氏、在英米国人調査ジャーナリストのイーサン・ガットマン氏による著書「戦慄の臓器狩り/スローター」(2016)で報告された、臓器強制摘出の疑いがもたれている中国の移植病院で、現地取材を行った。

その結果、中国では臓器手術がいまでも医学倫理上ありえない待ち時間で行われてることがわかった。

取材チームは10月23日、韓国人含む外国人の移植希望者を受け入れていることで知られる、中国の天津第一中心医院の東方臓器移植センターを訪れた。同センターについて中国紙・影視図書週報は2006年3月、韓国人患者について「3年間で約3000人、又外国人患者も1000人以上受け入れている」と報じている。

中国のある移植病院で働く朝鮮族の看護師によると「昨日は腎臓移植3件、肝臓移植4件だった…(移植手術まで)早ければ2~7日、長くても1~1.5カ月」と述べた。

■「遺体焼却炉」ボイラーを備えた病院 高い煙突は撤去

遼寧省の別の病院も訪れた。瀋陽市の蘇家屯血栓病中西医結合医療センターだ。臓器摘出後の犠牲者を焼却処分するボイラー施設があったとされるが、高い煙突は、撤去されていた。

同病院に勤めていた移植医の妻アニーさん(事務職)は、2006年、米国での大紀元主催の記者会見で、大北刑務所、馬三家教養院など刑務所から移送された法輪功学習者が、同病院で実験台となっていたと明かした。「毎日、身元の分からない学習者たちが何百人も運ばれてきた」「中国共産党は法輪功学習者に『殺しても構わぬ』という政策を実施していた」「法輪功学習者の命は何の値打ちもなく、研修医の練習台になっていた(略)病院内の仲間内では、ボイラー室は死体焼却炉と呼ばれていた」

取材を受けた中国移植ツアー参加者である韓国人患者の多くは、医師の勧めで臓器移植を受けていた。ある患者は、医師から「移植すれば、こちらでちゃんと世話してあげるから」と話していたという。

患者たちは帰国後、臓器移植経験者たちで、同じ悩みや感情を分かち合う定期会合チームを作った。しかし、臓器が誰のものか、どこから来たのかはいまだに知らない。

 (〜 後掲 〜) 》





731部隊と直接の関係はないけれども、もしこれが事実だとすれば、闇の臓器売買・移植どころか、違法かつきわめて非倫理的な臓器の略奪・移植が、中国では行政ぐるみでビジネスとして行われていることになる。恐ろしい。



ただここでふれられている、法輪功学習者が毎日何百人も運ばれてきて実験台、練習台にされたという証言は、記事全体から少し浮いている。これだけで違法な臓器移植が行われていることの根拠にはならない。『大紀元』は反中共メディアなので、記事にもときどきこうしたほつれが見える。



“頭部移植”のドナー確保に関連するほんとうに衝撃的な記述はこのあとに続く。





《 (〜 前掲 〜)

■戦慄の脳死マシーン 重慶発

死体からの臓器提供の「死」には2種類あり、心停止か、脳死状態だ。心臓が動かず、急速にその機能が衰えてやがて身体が冷たくなる心停止よりも、血流が流れ身体が温かい脳死状態のほうが、臓器移植の条件としては適切となる。

セブン取材班は、中国で脳死研究をしていた重慶警察学院付属病院の心理学研究センターを訪問した。取材に応じた研究員は、脳死状態にさせる機械を紹介した。「脳死マシーン」と呼ばれるその機械は、横たわる人物の頭部に金属球を強く打撃させ、その衝撃波が頭蓋骨を超え脳に伝達、脳幹を停止させ、瞬く間に脳死状態にするという。番組で研究員は、実験は死体が使われていると語った。

「死体を使っている」というのは果たして本当だろうか。この研究員は、権力闘争により命の危険を感じ重慶米国領事館に逃げ込んだ公安部長で、法医学士の王立軍と共に仕事していた人物だという。

王立軍は、臓器移植プロジェクトで成果を上げ、重慶トップ(当時)の薄熙来の右腕とよばれるまで出世した。王立軍は2006年、共産党の科学技術研究基金の受賞スピーチで、数千人もの収容者の人体で実験を繰り返し、臓器摘出と移植技術を磨いたと述べている。警察あがりの王立軍は「(囚人を)処刑した後、その身体から臓器が複数の身体に移植されていくのを見て大いに感激した」と、臓器摘出をして収容者を殺害するのを、まるで悪人を退治しているかのように語った。

 〈— 略 —〉 》





そらあんた、脳死状態にするキカイ「脳死マシーン」の実験を死体でやってなんの意味があるの? である。で、このCG模型で再現されたという「脳死マシーン」というのがひどくエグくてヤバい。マシーンというのもおこがましい、ひどく単純素朴な道具なのである。



まず本体部分は仰向けに寝かせた犠牲者の頭部を上から額を抑えて固定する万力のような部分、それとコメカミを突く3〜4cmの鉄球が先端についた鉄棒とそれをスライドさせるためのガイドというか支持台からなっている。それが70〜80cm×30cmくらいの大きさの板の上にセットされている。



使用するにはこれをストレッチャーかベッドの上に仰向けに寝かせた犠牲者の頭の下に差し入れ固定し、真横からコメカミをビリヤードの要領で突くのである。動力はすべて手動、人力である。素朴だがムダがない。こんな簡単な道具で脳死状態にさせられるというのがたいへん怖い。



こんな「脳死マシーン」がおおっぴらに用いられているくらいなら、そして行政や軍まで加担しているのなら、いかなる臓器のドナーもお望み通りに調達できるわけである。今回、イタリア人医師セルジオ・カナヴェッロと共同研究者・任暁平医師の医療チームが行った頭部移植手術のドナーも、もしかしたらそうした犠牲者のひとりなのかもしれない、という疑いもとうぜん湧いてくる。そっくりそのままではないにしてもかなりそれに近いことが行われたのではないか、と私は思う。



医師の科学的な探究心、功名心を国や資本が利用するとき、往々にして恐ろしい実験が行われる。731部隊ももちろんそうだけれども、19世紀後半から20世紀はじめにかけてアメリカでは何件もの本人には伏せたままのでワクチン接種実験が行われていたし、1940年代にはグアテマラで当局とアメリカ政府合同による性感染症の実験まで行われている。



こうした実例はほんとうに枚挙にいとまがない。そして犠牲者たちのほとんどは経済的に貧しく教育機会も十分に得られない人々である。と、そんなことを考えていると、セルジオ・カナヴェッロと任暁平の医療チームの今回の“頭部移植手術”は、ほんとうに際どいところを縫うようにして成立していることが実感される。



医学はめまぐるしく進歩している。またそれを待ちのぞむ方々の切実な願いもよく理解できる。私自身も病を得ればそうなるであろう。しかし同時にメシが喉を通らなくなったら、静かーにひとり死んでいくつもりで私はいる。そこまで生きてこられたのなら、私自身としてそれ以上なにを望むことがある? と思うのだ。あ、はい。やっぱしイザとなったらわかりませんです。はい。(了)



OCN モバイル ONE データ通信専用SIM 500kbpsコース


CMで話題のコスメやサプリがSALE中☆


【DHC】最大70%OFFのSALE開催中!





0 件のコメント:

コメントを投稿