いまさらではあるけれども、滝沢カレン（25）の言葉づかい・文章がおもしろいと注目されているらしい。あの破壊的な日本語はほんとうに天然なのかそれとも意図的なのか? という議論がある。私が思うにその両方、割合でいうと天然３：仕込み７くらいの感じであろうか。
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会話、文章、句など、言葉の使用形態すべてトータルして天然３：仕込み７である。実際的にフリートーク（会話）の場面ではあらかじめ準備するにしても限度があるし、文章や句については逆に時間をかけて工夫したり、場合によっては誰かの手を借りることもできる。
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滝沢カレンのかつての文章はごくふつうである。おそらく現在のイメージとはそぐわないために過去のブログは削除されてしまっているけれども、その断片をネット上で見ることができる。
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《 2011年3月27日
質問に答えますパート3！！！
一番のワードローブは？——— モードカジュアルかなぁ♪
サッカー興味ある？——— 詳しくないけど、みんなで観るのが好きー♪
今を楽しんでますか？——— この状況で全てが楽しいとは思えないけど…でも自分なりに精一杯今を楽しめるようにって考えてるよ(^_^)
どうやったらスタイルよくなる？——— わたしが知りたいです…でも毎日半身浴＋マッサージ＋ストレッチの3点セットは欠かさずやってるよ～♪
元気をもらえる歌は？——— なんだろなぁ(*^^*)基本的に洋楽のアップテンポな曲は元気がでる♪邦楽だと、Greeeenさんとかファンモンさんとかの詩から元気もらうかも(*^o^*)
どうやって今の事務所に入ったの？——— 渋谷でスカウトされて入ったょ♪
モットーは？——— たくさんある。。笑でも感謝の気持ちを忘れないことかなぁ。
オススメの肌手入れは？——— わたしもニキビが一回できるとなかなか治らない体質なんです(>_<)それで皮膚科でオススメされたのは、顔は絶対冷水で洗うってこと、乾燥があまりにも気になるなら保湿たっぷりの石鹸に変えるといいみたい♪でもおかげで、わたしも肌が綺麗になってきましたぁ(^_^)個人差はあると思いますが(>_<)
春休みの予定は？——— プライベートでの予定はまだなーんにもないです(T_T)
お休みの日はなにしてるの？——— 買い物とか友達とご飯行ったり、寝てたり(笑)DVD見たり、してるかなぁ♪
以上ー♪ みんなの順番に答えるから待っててね～(>_<人) 》
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逆にあまりにひどい文章なのでスタッフが代筆した、ということも可能性として考えられなくはないけれども、2011年といえば『SEVENTEEN』を卒業して４月から『JJ』の専属モデルとなった年である。そこまで面倒見をよくしてもらってはいないであろう。現キャラクターでの売り出しのきっかけを掴んだのは2015年6月2日放送の「踊る!さんま御殿!!」（日本テレビ）であった。
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でもって滝沢カレンの奇妙な言葉づかいの原因は
《母がロシア語通訳をしていたことから周囲に片言の日本語を話す外国人が多い環境で育ったことに加えて、「そのしゃべり方だと、女優どころかテレビにも出してもらえないよ」と事務所スタッフから話し方を注意され、19歳の時にアナウンサー学校に1年ほど通って尊敬語、謙譲語などを詰め込まれたことで、独特な言語感覚を身につけることになったという。メディア研究家の衣輪晋一は、「“いい意味で”テンパった、たどたどしい言動がウリ」であり、「実は語彙が豊富」ながら「難しい言い回しや知的な言葉、丁寧な言葉を使おうとして、こんがらがっている印象」であると分析している。》
（Wikipedia）
ということになっている。
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でもってカラクリがあると知ってもなお面白いのが滝沢カレンの言葉なのである。まず文章から見てみよう。特徴的なのは、意味的にはとっちらかりつつも構文構造としてはほとんど踏み外していない、むしろしっかりしているというところだ。つまり基本において明晰なのである。なので読める。
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しっかりした構文構造のうえにさまざまないい間違いや勘違いの言葉がかぶさって笑いを誘う。いい間違いや勘違いは大きく飛躍することは少なく、並行的にブレるといった感じだ。
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それがときとして批評精神までも含んだ暗喩のように見えてくるのである。ほぼノーベル文学賞受賞者ボブ・ディラン並である。いやまじめに、J-POPだのJ-ROCKだのの作詞を手がけていらっしゃる方はぜひこれを参考にするといい。と思う。絵文字が化けていたらご容赦。
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《 みなさん、こんにちは🌞 みなさん相当、昨日は荒れてしまい...🌪 大丈夫でしたか？
私はにょじつにニュースを信じ、出たがりな自分にムチを当て家にいることにして大正解でした⭕️
みなさんも何もないことを祈ります🙏🏻✨ 私が住む東京では、さすが台風一過という言葉を空が知るかのようにとんでもなく突き抜けの空で、奥行きさえも感じてしまいます😕
こりゃ雲も行く場をなくしたんだか、邪魔っ子は退散だ🤔☁️と振り戻すようです😅
そこまでは私たちは考えることでなくて、
久々の太陽の入場にありがたさを感じなきゃなりません🌞 風は相変わらずの喧嘩腰ですが、構ってることにまた風もやりがいを感じてしまってはどっこいどっこいになってしまうので、ここは息を飲み、、、無視です✋🏻 今日は朝から✨JJ✨(さん)の撮影です💓
撮影場に行くと、なんとも堂々な風貌で私たちを取りまこむ熊のぬいぐるみに会いました❣️🐻(ᵔᴥᵔ) 熊もまさか作り手にこんな顔つきで止められるとは思ってないんでしょう...😂 半開きで止まった口が本物の熊の威力さを全く排除されてしまい....相当現実とは違った熊だと思ってください🐻
熊の大きさにまんまとラッキーだというくらいに、隣で写真を撮る私は熊の手下ですね😂💕✨ そんな熊に気を持ってかれる場合じゃなく、、
本日10/23は我らが✨JJ✨の発売日ですよ❣️❣️❣️わかってますよね⁉️✨ JJを長年背負ってくれた、愛され大好きなオーちゃんが、、卒業します💖❤️💖❤️💖😢 なんと、私が初めての海外ロケ撮影もオーちゃんがいてくれた為に、ありえないくらい楽しかたったです💓😢💓😢 私の血は繋がってないお姉さんみたいなオーちゃんでこれからも何があってもずっと大好きです☺️❤️ オーちゃん💓
たくさんの優しさ、強さ、美しさ、素晴らしさをありがとう😚💓💕💖 というJJを必ず探して、なんとかしてください❣️🙏🏻✨✨ .》
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最終段は“オーちゃん”への敬愛の念がブレーキになったのかほぼまっとうな文章のままである。ずいぶんと詩的に感じるのは以下の部分である。
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《 私が住む東京では、さすが台風一過という言葉を空が知るかのようにとんでもなく突き抜けの空で、奥行きさえも感じてしまいます
こりゃ雲も行く場をなくしたんだか、邪魔っ子は退散だと振り戻すようです
そこまでは私たちは考えることでなくて、 久々の太陽の入場にありがたさを感じなきゃなりません 》
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ボブ・ディランでしょ? スターダストプロモーションはなかなかの才能を見つけ出したものである。
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次に句を見てみよう。ニックネームである。四字成句をつくり、そのなかにひねりを利かせるというのはたいへん高度な抽象概念の操作である。内容的にもあだ名付け分野の先駆者・有吉広行の遥か上をいっている。とりあえず順不同、集められるだけ並べてみた。
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◆ 渡部建「芸風過多」
◆ 宮迫博之「男前意識」
◆ 福士蒼汰「青春役者」
◆ 遠藤憲一「存在強烈」
◆ 東野幸治「薄情大王」
◆ IKKO 「美容怪獣」
◆ 東幹久 「何故色黒」
◆ 笑福亭鶴瓶「快楽名人」
◆ 中居正広「支配抜群」
◆ 今田耕司「独身番長」
◆ 藤本敏史「突如顔面」
◆ 鈴木あきえ「万年笑顔」
◆ 山崎弘也「大声芸人」
◆ 近藤春菜「大幅出演」
◆ 小沢一敬「親友徳井」
◆ 徳井義実「変態教祖」
◆ 福田充徳「全部普通」
◆ 綾瀬はるか「美白無敵」
◆ サンシャイン池崎「小声希望」
◆ 久本雅美「無駄美人」
◆ 今田耕司「独身番長」
◆ 内村光良「平和代表」
◆ 土田晃之「初代冷徹」
◆ 宮川大輔「絶叫一筋」
◆ 堂本光一「感情不明」
◆ 遠藤憲一「存在強烈」
◆ 徳島えりか「疲労丸見え」
◆ 関口メンディー「生涯踊子」
◆ 尾上松也「単独行動」
◆ 近藤春菜「大幅出演」
◆ 大野智「海釣地蔵」
◆ 櫻井翔「服装迷走 」
◆ 相葉雅紀「馬鹿脱皮 」
◆ 二宮和也「趣味在宅」
◆ 松本潤「俺松本潤」
◆ ハンバーグ「茶系団子」
◆ パフェ「細長窮屈」
◆ 美味しい「脳内破滅」
◆ 多くの食材を使用したパフェ「過剰演出」
◆ シャーベット「冷凍歯茎」
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こうして見ると、なーんだ、そのまんま!! でおもしろくもなんともないものも多いのう。そして全体的にかなりなオヤジ臭さが漂う。そもそも創作４文字熟語でいいあらわすというところがオヤジである。写真や絵などに勝手に４文字の創作熟語をあてたり成句をもじったりする遊びはむかしむかしのバラエティ番組にさんざんあったような気がするし、1990年からは住友生命が公募による「創作四字熟語」のコンクールを行っている。
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そんななかで「嵐」の５人についてはとくにチカラが入ったようだ。つまり助っ人オヤジの手になるものだということがもっとも明瞭に出てしまっている。たとえば大野智の「海釣地蔵」。これは釣果がゼロのことを“ボウズ”と呼ぶことを知っているとさらに面白さが増す。とはいえ大野智が釣り好きだとは知っていても25歳の滝沢カレンに“海釣”が浮かぶかどうか、からの疑問がある。
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二宮和也の「趣味在宅」は「在宅趣味」の順序を入れ替えるという小ワザが効いている。これもオヤジのしわざっぽい。あと、関口メンディー「生涯踊子」、 堂本光一「感情不明」、 東幹久「何故色黒」などは人物批評が効いていておもしろい。
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これからも滝沢カレンとその一味は楽しませてくれると思うけれども、いつまで続くことやらの心配はある。手間のたいへんさを考えれば、小倉優子のコリン星ほどのしぶとさは期待すべくもない。滝沢カレンが、“だいぶ言葉が釈放されました”、と語る日は近い。（了）
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