そういえば小学校3年生のとき、いち早くエロに目覚めた男の子が女の子を追いかけ回したことがあった。スカートをめくったり胸に軽くさわったりする程度のことだったのだけれども、そんなことで休み時間にキャーキャーワーワー騒いでいても薮内クンは叱られなかったから、のんびりした時代である。いまなら完全にお縄頂戴、公開処刑のうえ監獄島送りであろう。
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で、女の子たちはとうぜん、薮内クンてやーねー、いきなりさわってくるのよー、あら由美ちゃんもー、そうなのよねー、やーねーエッチー、私もやられたのよー、あらー私もよー、琴美ちゃんもーとなって、最終的にはほぼクラス全員の女の子たちが被害を申告する事態になったのであった。
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ことここへ至ってようやく担任教師は薮内クンを職員室に呼んで厳重注意したわけである。ところが、もうみなさんお気づきであろう。実際に薮内クンに追いかけられスカートをめくられたりしたのはクラスの女子約20人のうち4人だけだったのである。4人だってギリギリレベルだろー、と薮内クンご本人がうそぶいていた。
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つまり、まあムリしてでも可愛いというかちょっかいを出したい範疇に入れられるのは約20人中の4人、つまり2割まで。そしてこの2割を動かせばその他大勢もウソまでついてつられて動く、ということを私はこのとき知ったのである。ほかに意味はない。まったくない。
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この2割というのは、経済において、全体の数値の大部分は全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという80:20の法則、ばらつきの法則、つまり「パレートの法則」にも合致している。また、どんな集団でも2割の落ちこぼれがいるということもよくいわれる。あと、なんだっけ? ああ、「やりすぎ都市伝説」(テレビ東京)で紹介されていた78:22の法則というのもこれであろう。
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見栄と見映えという問題でいえば、最近こんな話題があった。
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◆『日刊サイゾー』2017年10月11日配信
【浜崎あゆみ、ざわちんは戦々恐々!? “修整写真”規制法がフランスで施行、世界に波及か】
《 商業写真のモデルの体型をフォトショップなどの画像加工ソフトを用いて修整した場合、「photographie retouchee(修整された写真)」というラベルを表示することを義務付ける法律が、フランスで施行された。
この法律は今月1日から施行され、違反した場合は最大約500万円、もしくは広告制作費の30%が罰則金として課せられるという。
これを受け、写真提供サービス大手のGetty Imagesも、モデルのプロポーションが修整された写真を取り扱わないことを発表。このルールも、今月1日から適用されている。なお、髪の色を変えたり、肌のシミ消し、鼻の形を変えたりすることなどは、罰則対象とはならないようだ。
ファッションの本場・フランスでは、以前から加工されたモデルの写真が問題視されており、特に若い女性に対し、現実離れした細いプロポーションを“理想体型”であるとイメージしないよう呼びかけていた。今回の法律に伴い、あえて加工前の全身写真をインスタグラムに投稿するモデルの動きも見られ、そこには「そのままの体に誇りを持って」などといったメッセージが添えられている。
「世界各国に事務所を持つGetty Imagesがルールに盛り込んだことで、ほかの国に波及する可能性も。そのうち、過剰な修整写真が“古臭いもの”となる日がやってくるのでは?」(芸能記者)
ネット上では、日本人の間でも「日本でもこのルールを定めてほしい」「過剰なダイエットの防止になっていいのでは?」と賛同する声が相次いでいる。だが一方で、「日本で導入されたら、とんでもないことになりそう」「浜崎あゆみや、ざわちんは生きていけないんじゃ?」といった声も。
「かつて、『週刊プレイボーイ』(集英社)のカメラマンが撮影したと思しき、AKB48人気メンバーたちの修整前の水着写真が数多く流出する騒ぎがありましたが、実際、ビジュアルを売りにしているタレントの写真は、ほぼ全てに修整が施されている。現在、レタッチ作業の担当者は、余分な肉を削る作業などに時間をかけていますが、もし、フランスのような法律が日本で施行されたら、脂肪吸引や豊胸手術などの施術を受けるタレントが激増するかもしれませんね」(同)
修整写真で溢れかえっている日本の芸能界。しかし、日本でも「修整済み」マークが義務付けられる日は、そう遠くはないかもしれない。》
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英語でいうと「retouched photo」か。たしかに衣類の販促用モデル写真にレタッチをかけられてはたまらない。しかし実際には実物よりも細く見せていた、などとという話はそこら中にゴロゴロ転がっている。
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購入後いざ着てみて、おかしいなー、やっぱりモデルが着るのと自分が着るのとでは違って見えるのかなー、と感じた方々、きっと大勢いらっしゃるであろう。実際に修正写真にだまされたのか、それともただ自惚れが強いだけなのかの判別は難しいところではあるけれども。
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前掲の記事では、もし日本でも「修正写真」などの表示を義務付ける法律ができたら浜崎あゆみや、ざわちんは生きていけない、とか大がかりな整形手術を受けるタレントが激増するかもしれないとかいう心配をしている。けれどもこれでは泥縄であるし、もちろんお話として順番が逆である。
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フランスでは子どもや若者が現実離れしたボディイメージに振り回されないよう、まず極端に痩せているモデルたちの活動を禁止する法律が2017年5月6日、施行された。
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BMIなど具体的な下限数値は設定されていないけれども、この法律によってモデルたちは肥満度を示す体格指数(BMI)が低すぎずかつ健康体であることを証明する医師の診断書の提出を義務付けられた。
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これに違反した場合は、そのモデルを起用する事務所の雇用主などに最高7万5000ユーロ(約930万円)の罰金および最長6ヵ月の禁固刑が科せられる。かなり厳しい。日本のそこらの零細モデルプロなどこれだけで父さん、おっと間違いた(by荒木経惟)倒産である。
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で、こうして足もとを固めたうえで次に2017年10月から「修正写真」の表示を義務付ける法律が施行されたわけだ。これらの背景には現在60万人もが摂食障害を患っているというフランスの深刻な問題がある。ファッションを中心に世界に冠たる文化国家として立つ戦略、そしてその哲学、矜持もあるであろう。
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日本の場合、ファッションはほぼ見栄と見映えでしかない。だからみな同じ方向、同じ傾向に染まりたがる。個性とか美の多様性とかなんとかいっても、それはせいぜい、ただ人の趣味にとやかく口を出すな、という範囲のことである。しかもそれさえもなかなか実現されない。そもそも多様性に応える商品が市場にない。
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なのでアパレルのみなさんにはもう少し頑張っていただいて自動採寸から〜のオンデマンド製造を強化していただければと思う。その意味でもスタートトゥディが送料だけで —— とうぜん200円 —— 配布している全身採寸用
ボディスーツ「ZOZOSUIT」のインパクトは大きい。見栄と見映えだけからの脱却が自分のこととしてボチボチ考えられはじめるのは、オンデマンド製造が高度に実現されてしばらく経ってからのことであろう。
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もとい。でもって日本にも「修正写真」表示を義務付ける法律ができたら浜崎あゆみや、ざわちんは生きていけない、とか大がかりな整形手術を受けるタレントが続出する、とかいう想像は楽しいけれども、残念ながらご心配は無用である。日本でこの手の法律は絶対に施行されることはない。
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なぜなら日本にはお見合い写真というものがあるからである。ああ、あれは商用とはいわないか。
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そうそう、私は自分の遺影用にデカ目のプリクラデータを用意してある。おかげで早く死にたくなって困る。そうか、私の見栄と見映えとはこういうことなのか。(了)
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