2017年11月24日金曜日

年寄りいじめのネガティブキャンペーンは止めてよ〜〜〜ん



ジジババによる暴力事件が激増している、というニュースをときおり見かける。でもってその理由をしきりに生活の孤立だの脳機能の低下だの個人的な状況に帰したがる。



たしかに2016年版『犯罪白書』を見れば65歳以上の高齢者の「暴行」による検挙者数は20年前に比較して49倍である(1995〜2015)。ただ実数で見ると77人から3808人への増加。急増といえば急増だけれども、まだまだ社会の安寧を乱すというにはほど遠い。



しかもこの20年のあいだに65歳人口は1.8倍に増えている。団塊の世代の皆さまのおかげ。これを勘案すると増加率は27.2倍だ。さらにこの20年間のジジババの体力向上はめざましい。平均寿命、健康寿命ともに3年は延びている。曲がりなりにも暴力沙汰に参入できる期間がそれだけ増えているわけだ。で、なんだかんだでざっくり「暴行」による65歳以上の検挙者数は20年前に比較して実質25倍になった、ということにしておこう。



もう一度2016年版『犯罪白書』に戻ろう。「暴行」以外の項目での粗暴犯65歳以上検挙状況を見ると、この20年間で「殺人」が約2.5倍、「強盗」が約8倍、「傷害」が約9倍に増えている。実質で見ればそれぞれ横ばい、4倍、4.5倍な感じである。「殺人」や「傷害」に到らない、いってみれば非力な犯罪が増えている。



しかしたかだか3808人のおかげで最近の年寄りは乱暴で、といわれるのは日々わがもの顔で街をいく若い連中に弾き飛ばされるようにして暮らしているジジババにとってはえらい迷惑であろう。飛ばされないか。



なので、もうひとつ別のデータも示しておこう。2017年版『犯罪白書』の概要によると、65歳以上の刑法犯の総検挙人数は4万7632人で、そのうち3万4429人、72.3%が「窃盗」つまり万引きによるものだということである。



万引きがこれほど多い理由には生活の厳しさが大きいのであろうけれども、孤立だの脳機能の低下だの個人的な状況をウンヌンするにしても、もう少しこちらのほうにも焦点を当てていただきたいものである。“粗暴なジジババ”と“手クセの悪いジジババ”とではずいぶんイメージが違う。世間のイメージが異なればとうぜんやらかした罪に対する見方も変わってくる。たとえばコレである。





◆『産経新聞』2017年11月22日配信
【80歳男、万引き呼び止めた高校生のすねや腕噛む 西成署が逮捕】

《 ドラッグストアで万引した後、犯行を目撃して呼び止めた男子高校生の腕などにかみついて負傷させたとして、大阪府警西成署は22日、強盗致傷容疑で、自称大阪市西成区山王の無職、松本茂容疑者(80)を現行犯逮捕した。

同署によると、容疑を認め「生活に困っていた」と供述しているという。

逮捕容疑は22日午後4時15分ごろ、同区梅南の「ダイコクドラッグ花園町駅前店」で、ガスボンベやゴミ袋(計約3千円相当)を万引して店外に出た後、犯行を目撃して呼び止めた府内の公立高校に通う男子生徒(16)のすねや腕を噛み、軽傷を負わせたとしている。

同署によると、男子生徒は同店前を通りかかった際、万引して店外に出る松本容疑者を発見。松本容疑者が自転車で逃走しようとしたため、腕をつかむなどして呼び止め、取り押さえた。その後、通行人の通報で駆け付けた署員に引き渡したという。》





これを、脚のスネに噛みつくだなんてなんと恐ろしいゾンビジジイ!! と見るか、可哀想に自転車を引き倒されたんだなー、それでも捕まるのはイヤだからしがみついて噛みついたんだよなー、と見るか。ジジイをゾンビ化・バケモノ化するよりはずっとずっと甘っちょろい同情のほうがいい。と私は思う。



そうなのである。高齢者をゾンビ化・バケモノ化してはいけないのである。そこからジジババへの偏見や無関心が高まり、現代の姥捨、棄民がはじまるのである。“金のない老後は地獄”という一般の風潮にして、すでにそのことをよく物語っている。



そして実質の棄民を行政サイドから強力に推進していくための制度が親切ごかしの成年後見制度なのである。そんなものはわしが絶対に許さん!! (by小林よしのり)



私はジジババの味方である。ジジババのためならやさしい、ものわかりのいい男になれるのである。ほんとうである。な〜んにも企んではおらぬ。(了)



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