「朝日新聞デジタル」(2018年3月13日配信)によると、お笑いトリオ・我が家の谷田部俊(40)にとてもよく似ている安倍昭恵(55)が自身のFacebookへの投稿「野党のバカげた質問ばかり」に「いいね!」ボタンを押していたらしい。
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記事を読むと投稿には「与党とか野党とかそんなケチなことを言わず、これからは皆のために、物の本質を見た政策、制度をどんどん実現すべき」などとも書かれているというから、安倍昭恵が「野党のバカげた質問ばかり」にだけ反応したというわけでもなさそうだ。
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とはいえ安倍昭恵は2017年5月にも、夫のお友だちとしてつとに高名な元TBS記者・山口敬之(51)がFacebookで自身の「準強姦疑惑」について支離滅裂な抗弁をしていたときにも「いいね!」ボタンを押していたツワモノである。一概に朝日新聞の揚げ足取りと嗤う気分にもなれない。
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そうこうするうち、朝日新聞の3月13日付「天声人語」では「未曾有」という言葉にふりがなをつけていたことが拡散し、麻生太郎(77)へのあてこすりか? と一部で話題になった。麻生太郎、2008年の総理大臣時代に学習院大学での挨拶で「みぞうゆ」と読み間違えをやらかしていたのである。まあ細かい。こりゃああてこすりだわねえ。ネット上では朝日新聞は「隅々まで喧嘩していくスタイル」と評されているらしい。ウマいなあ。
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振り返ればあれは3月12日、って2日前、かねてからの見込み通り財務省が森友学園との国有地取引に関する決裁文書の書き換えがあったことを認める報告を与党幹部に行ったというニュースが流れた直後から、テレビの前にいても風圧を感じるくらいに一気に風向きが変わったのである。これが同じ国のテレビか? と疑いたくなるほど官邸方面へのソンタクが消えた。
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おかげで明けて13日の「モーニングショー」(テレビ朝日)から、これも安倍晋三(63)のお友だちのコメンテーター・田崎史郎(67)は針のムシロの晒し者になっていた。ソンタクの必要が消えているのでほかの出演者からのあたりのキツいこと。それにもめげず、しどろもどろながら安倍晋三を擁護しようとする強弁には、ポチとか忠犬とかと囃すだけではすまない、なにかもっと大切なものをガッツリ握られています、急所です感が取り憑いていたのである。
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そうそう。それで安倍昭恵の「いいね!」ボタンである。というか「いいね!」ボタンに限らずこの人にはいつも驚かされてきた。これまでは谷田部俊に似ているということもあってさほど興味もわかず、浮世離れしてあまりモノを考えるヒトではないのだろうなあ、というだけで片付けていたのである。
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それがこの期におよんで、なのである。夫の一大事、胸突き八丁の剣が峰に立つその足を抜けるほど引っ張ってしまうコレはいったいなんであるか? と考え込んでしまった。
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で、仮説として、“3つは入らない人”というのはどうであろう? と考えた。「いいね!」と「やだね!」しかなくて、そのほかの選択肢もその先のなりゆきもちっともアタマに入ってこない人。たいへん申しわけのないいいかたをすればワーキングメモリが2bitくらいの人。
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「居酒屋なんかやってみたらおもしろそうじゃないですか?」
「はい」
「用途を限って大麻を解禁してもいいと思うんですけどねえ」
「そうですね」
「真珠湾にいってみませんか?」
「いいですね」
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くらいの感じ。自分で考えるというメンドくさいことはしないし、安倍昭恵の行動はすべからく他人、外部からの働きかけをきっかけに発動するのである。なのでいつでも唐突でとって付けたような印象がある。たとえば並べられた2枚のカードの裏側にそれぞれなにが描いてあるのかを確かめようともせず、その表の柄だけでうち1枚を選んでいるようなものだ
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ご本人がいうように森永の娘であり首相の妻でもあるという立場は、そのようにその場限りの二者択一の達人にとっては実に快適であり、もちろん同時に危険でもある。さまざまなアプローチがのべつまくなしもち込まれて退屈しない代わりに名前を利用されてしまう恐れもある。
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うむ。たしかにこう考えればいちおうの説明はつく。しかし現実に二択しかない人物は、オトナは存在するのであろうか? なにかこれまでの「いいね!」的行動についてご本人が語っている資料はないものであろうか? 割と簡単に見つけたっす。
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◆『BLOGOS』2016年11月9日配信
【「日本の精神性が世界をリードしていかないと地球が終わる」 安倍昭恵氏インタビュー 】
かなりの長文なので抜粋してご紹介しよう。お話の全体の傾向は記事のタイトルと中身出しにもよく出ている。
「 日本の精神性が世界をリードしていかないと地球が終わる」
というタイトルは巧まずして安倍昭恵のスピリチュアル系宣言のようにも見えて、なかなかうまく付けたと思う。
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で、中見出しは以下の通り。
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「本当の私を見てください」
「高江(沖縄)には秘書にも首相にも相談せずに行った」
「VIP扱いで感覚がズレていく」
「『世界平和』を権力者にまかせておけない」
「何か“大きな力”に動かされている」
「『それもいいねぇー』でパールハーバーに」
「神道の中で使われる麻は「国産」であるべき」
「東京じゃなくて、地方がかっこいいって時代にしたい」
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とくに「何か“大きな力”に動かされている」というところ。スピリチュアル系、たとえば『創造する真空』のアーヴィン・ラズロ(85)とか龍村仁(77)の映画『地球交響曲(Gaia Symphony)』なんかが大のお気に入りな感じが伝わってくる。え? ニューエイジ? え? ニューサイエンス? そう。
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ではこのインタビューの中に2bitが証明できそうなところを探ってみよう。
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《 西田:まず、なぜぼくに興味をお持ちになられたのかということを伺いたいと思います。一般論として、総理夫人という立場の方は、あまり若手の研究者なんかに興味は持たないですよね。
安倍:「直感的にお会いしたいと思いました」っていうそれだけで。ほぼ直感で生きているので。
西田:「ほぼ」というのは、どういうことですか?
安倍:「深く考えないで」というか。何をするか考える時にも、「じゃぁ、これ!」みたいな感じで生きているので。「今回、なぜ西田さんに会いたいと思ったのか」を、理論的に説明しろと言われても、「全然わかんない」って感じなんですけれども。 》
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「西田」というのは今回のインタビュアー/対談相手を務めた社会学者・西田亮介(34)である。
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《 安倍:選挙の応援については、私も非常にジレンマはあります。「なぜ、全然知らない人の応援に行かなきゃいけないんだ」と主人(安倍晋三首相)に言うこともあるんだけれども(笑)。
西田:難しいですね。一般に、「総理夫人」という立場は、選挙で選ばれていないので、ある種の正当性を持っているという訳ではないことは間違いないでしょう。
なので、ある種の私人ではあるのですが、実質的には選挙の応援に入られることや、様々な形でパブリックな場へ出てこられて、活動もなさっている。それから外遊に同行される機会も多いでしょうし、海外からの来客がある場合もそうでしょう。
それが注目を集め、強い影響力をもっている現状を鑑みると、やはり、望もうと望むまいとある種の権力性を帯びるというところは、否めないのではないか、と思います。
安倍:ご指摘は、良く分かります。なので、むしろ率直にお聞きしたいことをどんどん聞いて欲しいです。一体どういうつもりで、私が活動しているのかということを、どんどん聞いてください。 》
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聞いてほしいと思うならさっさと喋れ、である。しかし具体的な話のきっかけはやっぱり誰かがつくってやらなければならないのである。手間がかかる。
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《 西田:“一般の人に混じって”という点は、重要視しているのでしょうか?高江にもプライベートで行かれたということですが。
安倍:その方が、「本当の姿が見える」と感じますよね。仰々しいのがあまり好きじゃないのもありますが。どこかに行く時は、そんな感じですね。あとなるべく普通でいたい。そうでないと、ものすごい特別になっちゃって。
海外に行って、飛行機を降りれば、そこに車が待っていて。パトカーと白バイが先頭で、もうノンストップでホテルまで、ビュッといけますね。飛行場の建物も通らずみたいな。
そればっかりだと、自分がおかしくなる。感覚がズレていっちゃって、最初の1年間はおかしかったですよ。
西田:第一次安倍内閣の時ですか?
安倍:普通に並んだりとかできなくなっちゃった。「なんで私がこんなところに並ばなきゃいけないの?」みたいな(笑)。イヤな感じになっていたので、今回も首相夫人の期間がちょっと長くなって、そういう風になりかけちゃって。
リハビリが必要な自分になりたくないので、可能な限り、個人でいけるところは個人で動いています。
西田:どうして、「普通でありたい」と思われるんですか?多くの人達はそうは考えないんじゃないですかね。
安倍:どうなんだろう。
西田:ぼくだったら、出来れば行列も並びたくないし。飛行機もなるべくアップグレードして、ささっと通りたいと思いますけど。
安倍:それが出来るから、逆に思っちゃうんですよね。
西田:そう聴くと、とても贅沢な悩みにも聞こえてきますね…。 》
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《 西田:NPOのリーダーなどとも会ったりされているんですよね?
安倍:そうですね。でも今はごちゃごちゃで、自分でも何してるのか、よくわかっていなくて。でも「神様に動かされてる」と思っているので、ちゃんと、色んなもののつじつまがあって、「あ、こういうことだったんだ!」ってなる時がくると思うんです。
自分ではよくわからないんだけど、動いていると「あ、こっちの方向へ向かっていってたんだ」みたいな、そんな感じなんですね。
西田:宗教をお持ちなんですか?
安倍:キリスト教の学校で育ったんですけど、今は別にキリスト教というわけじゃなくて、どちらかというと神道です。アメノウズメから取った「UZU」という名前の飲食店を神田でやっているんですけど、渦を起こしていきたいという思いがあるんですよね。
西田:我々が日常生活を送る中で、なかなか「神様が」という言葉は出て来ないと思うんですよ。たとえば、ぼくは、無宗教・無信心なので、日常に「祈る」という行為が入ってくることはまずありません。キリスト教にせよ、神道にせよ、そういう「何か大きな力によって」という考えがあるものなのでしょうか。
安倍:人間の力というのは、もう本当に小さなもので。
西田:えぇ、まさに。
安倍:私は、大きな自然の一部であって、“動かされてる感”がすごくあるんですよね。主人もよく言うのですが、総理大臣は努力でなれるものではなくて。政治家の中で努力してる人はいっぱいいますし、他を蹴落としても、ポストを掴もうという人達もたくさんいますから。
そこで総理大臣になるっていうのは、“何か持ってる”“何か別の力”だと思うんですよ。「神」という言い方をしなくてもいいんだけど、なんかこう、“大いなる力”が働いていると私は思っていて。その力にある意味流されてるというか、乗っかっているのかなと、私は感じます。
西田:“大いなる力”に流されて、様々な方にお会いになっていると。 》
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“大いなる力”に流されて思いつきで行動している安倍昭恵に対して「宗教をお持ちなんですか?」とはずいぶんイノセントな質問である。安倍昭恵としては自分がなにをやっているのかよくわからないけれども、たぶんそれはいいことなのだろうとなんとなく思っている、というだけのことだ。
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《 谷崎:パールハーバーは、折り鶴の流れからだったんですか?首相夫人が、パールハーバーに行くということは、歴史的に見ても凄まじいことじゃないですか。
安倍:あれはね、最初は飲んでいる席で出た話しだったんです。今、海洋関係に関心があって、やっぱり海だと思って。それで今年8月、アメリカと一緒に、海洋環境フォーラムを開催したんですよ。それで「ハワイ行くんだ」って話をしていたら、「ハワイに行くんだったら、パールハーバー行けば?」と言われて。「それもいいねぇー」って。そんなノリですね。
谷崎:そんなに大きな政治的なイシューにはならなかったですけれども。
安倍:でもすごくハワイでも喜んでいただいて。
「公的に」という話もあったんだけど、そこは公人として行きたくないので、一般の人達と一緒に船に乗っていきました。ただ花だけは供えさせて下さいと。
谷崎:どんな思いでそこへ?
安倍:よくわからずに行ったんですよ。「パールハーバー行ったら?」「それもいいね」ぐらいだったので。もちろん、パールハーバーでどういうことがあったっていうのは、分かってはいたけれども。でも私がそこに行くことで、どんな感じなのかなって思ったんですが。
私が非常に感じたのは、アメリカにとって真珠湾攻撃は屈辱だったんだなと。
谷崎:ハワイは聖地でもありますからね。
安倍:そうですね。あそこは聖地なんですよ。ハワイのあそこを攻撃した日本は悪いかもしれないけど。本土からやってきて、あそこを乗っ取っちゃった人達もいるわけで。そもそものハワイに戻してあげましょうよって感覚になりました。自然の神様がそっちを望んでいるんじゃないかなって。 》
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まだ半分くらいまでのところだけれどもこのくらいにしておく。やはり安倍昭恵は2bit、アタマに3つは入らない人なのらしい。あ、ここで出てきた「谷崎」とは「昭恵氏と親交の深い構成作家の谷崎テトラ」と記事にはあるけれども、Wikipediaでは小説家、構成作家、音楽家と紹介されている。取り巻きの一人なのであろう。53歳。
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それにしても安倍昭恵の意表を衝く言動の秘密はこんなに単純なことなのであろうか? にわかには信じ難い気がするけれども、社会的ヒエラルキーにあぐらをかく上流階級のお戯れごとと捉えればそうかなあ、あり得るかなあという気もしてくる。階級社会が定常期みたいなところに入ってしばらくするとこういう現象が起きてくるのだ。きっと。
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そしてお戯れごとの姿勢は安倍昭恵本人よりも、こんなふうに安倍昭恵の行動を放置して黙認する安倍晋三のほうにこそいっそう鮮明に現れているように思う。今回の「いいね!」もスルーされてしまうのであろう。どいつもこいつも世間をバカにしている。
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おもしろいけど。(了)
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