2017年4月2日日曜日

こんなふうに世論はミスリードされる。現在進行形だよん



久しぶりにビビんばどん。世間と自分とのあまりの違いに驚いた。ビビらせてくれたのは『産經新聞』(2017年4月1日配信)の、「内閣府・社会世論調査」に関する記事だ。そこに報告されていたデータには思わず目を剥いた。まずはそのタイトルから。



[【内閣府・社会世論調査】「現在の社会に満足」過去最高の65.9% 「民意が国政に反映」34.6% 「国愛する気持ち強い」55.9%】]



「国愛する気持ち強い」の55.9%だけが自分の気持と重ね合わせて納得できる数字で、「現在の社会に満足」の65.9%はとうてい信じられぬ。しかも“過去最高”というのだからお口あんぐり、足元までフラフラする。「民意が国政に反映」34.6%というのもヘンだ。あんなことにもこんなことにも私は反対しているのに。



お断りしておくけれども私は愛国者である。しかしいわゆる右翼でも左翼でもない。愛国心とは政治的、宗教的イデオロギーとはまた別に存在するきわめて土着的なものだと思っている。であるからこの日本に対し、左翼的愛国心があっても右翼的愛国心があっても共産主義的愛国心があっても仏教的愛国心、神道的愛国心、キリスト教的愛国心があっても、それはまったくおかしくない。



愛国者である私の「日本」は、明治以降の近代日本というだけでなく、大和朝廷が誕生した古墳時代以降でもなく、先史時代まで遡る「日本」である。とはいえ天孫降臨という神話世界ではなく、ご先祖たちが槍だの石斧だのを振り回してイノシシだとかシカだとかを追いかけ回していたころからの「日本」である。明確な国土も国民もないのに「日本」、と遡ってしまう。



で、ゆくゆくはまたそういう時代になるのだろうと思うのである。世界政府が樹立されるのか人類が絶滅するのかはわからないけれども、究極的にはきっとそうなる。絶滅していなければなんとなく「日本」は受け継がれていくだろう。



こういうまったく非現実的なスパンで「日本」を見ている人間にとってはいまの「日本」もかりそめである。目の前にある道路も橋もビルディングも女も男も蜃気楼のようなものだ。絶対主義といわれればそうかもしれない。であるから自分がそこに存在しているからという理由だけでは肯定的な気持にはならないし、なんとか気持の折り合いを付けなければ、とも思わない。



そんなわけで私はこの社会に不満タラタラ、腹立ちムラムラおっと間違いた(by荒木経惟)、ムカムカなのである。そして《「現在の社会に満足」過去最高の65.9%》というタイトルにたいへんショックを受けたのである。おお、そんなことならこれからは身を潜めるようにして暮らして行かねばならぬ、と瞬間だけれども真剣に考えたのである。すでに暮らしぶりは身を潜めているに等しいのさえ忘れて。



さて、ではこの記事で紹介されていたデータを見やすく整理しておこう。これが掲載されたデータのすべてで、とうぜん反対意見の割合を知りたいと思っても出ていないものもある。それらはそのまま、記事の通りの扱いにしてある。



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◆現在の社会に全体として「満足している」:65.9%
 ※満足している点
  「良質な生活環境」43.2%
  「心身の健康が保たれる」27.0%
  「向上心、向学心を伸ばしやすい」17.8%
  「人と人が認め合い交流しやすい」17.1%
  「働きやすい環境」15.7% ほか

◆現在の社会に全体として「満足していない」:33.3%
※満足していない理由
  「経済的なゆとりと見通しが持てない」43.0%

◆民意が国の政策に「反映されている」:34.6%

◆日本が良い方向に向かっていると思う分野
  「医療・福祉」31.4%
  「科学技術」25.8%
  「治安」22.0%

◆日本が悪い方向に向かっていると思う分野
  「防衛」28.2%
  「外交」26.7%

◆国を愛する気持ちが他人と比べ「強い」:55.9%、

◆国を愛する気持ちが他人と比べ「弱い」:6%

◆国を愛する気持ちを育てる必要があるか
  「そう思う」:73.4%

◆日本人が「国民全体の利益」と「個人の利益」のどちらを大切にすべきか     
  「国民全体」49.3%、
  「個人」32.7%

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「内閣府・社会世論調査」そのものについての説明は以下の通り。



《調査は昭和44年から原則毎年実施。これまで20歳以上が対象だったが、選挙権年齢が昨夏の参院選から「18歳以上」に引き下げられたことを受け、今回から18歳以上とした。1万人に面接方式で実施し、5993人が回答した。》



うむ。付け加えておくと今回の平成28年度の調査期間は平成29年1月19日~2月5日であった。森友学園問題がはじめて朝日新聞に取り上げられたのは2月9日だったので、その直前。とうぜんそれの影響はない。逆に「外交」や「防衛」の項目ではアメリカでのトランプ大統領選出の影響が大きかっただろうと思う。



で、まあ、今回の調査結果に納得できない私はどこかに「現在の社会に全体として『満足している』65.9%」という結果に導くカラクリがあるのではないか、と鵜の目鷹の目になってしまうのである。



まず面接方式という調査方法である。ピンポーンと調査員がやってくるアレなわけである。調査員はだいたい調査会社に雇われたアルバイトで、1日1万2000円程度の報酬らしい、とこれはネット情報。で、1万人を対象にして面接方式で実施し、あらかじめ協力依頼ハガキを送っていたにもかかわらず、有効回答が得られたのは全体の約60%の5993人である。



この5993人のうち「現在の社会に全体として『満足している』」と回答したのが65.9%であるから、実数に計算し直すと3949人。つまり調査対象1万人に対して「満足している」と答えた人は3949人である。有効回答を示さなかった(1万人−5993人=4004人)がどう思っているのかはわからない。



この面接方式だとかなりプレッシャーがかかるだろうなあ、とも勘繰る。調査員のオジサンだかオバサンだかを目の前にして、現在の社会に全体として「満足していない」と答えるよりも「満足している」と答えるほうが、ずっとラクだと思うのである。「満足していない」と答えればまたその理由を聞かれるし。共同住宅の玄関先でなら隣近所の耳もあるだろう。「満足している」と答えておいたほうがブ・ナ・ン。



おっと発見!! 「内閣府・社会世論調査」では面接方式と同時に郵送調査も行われているのである。今回の平成28年度分の報告は見つけられなかったけれども、ざっくり見たところ平成25年度分の調査結果(平成26年2月5日~3月5日に実施)があった。そこにちょうど面接方式と郵送調査の比較が出ていたので見てみよう。出典は【平成25年度 調査研究 社会意識に関する世論調査(郵送調査) 報告書 】(内閣府大臣官房政府広報室 (世論調査担当) である。
※調査対象:3000(人)、有効回答数:2326(人)、全体の約75%



◆現在の社会に全体として満足していますか。それとも、満足していませんか。(○は1つ)

 「やや満足している」 面接方式53.1% → 郵送調査45.4%
 「あまり満足していない」  面接方式31.8% → 郵送調査39.2%



7ポイント以上の差が出ている。どちらがより実態を反映しているかといえば、私はやはり郵送調査のほうをとる。それにしてもこれもまた中途半端である。どうしてこういうわからないまとめをするのか。まず郵送調査の回答の結果全体を知りたい。あーメンドくさい。



●郵送調査
「満足している4.9%」+「やや満足している45.4%」=50.4%
「満足していない8.1%」+「あまり満足していない39.2%」=47.3%
無回答2.3%

郵送調査の結果「満足している派50.4%、満足していない派47.3%」であれば、不平不満タラタラ分子の私でも呑み込める。



●これが面接方式だとこうなる
「満足している7.7%」+「やや満足している53.1%」=60.8%
「満足していない6.9%」+「あまり満足していない31.8%」=38.7%
無回答2.3%



引用した『産經新聞』の記事のタイトルにある「『現在の社会に満足』過去最高の65.9%」、実施時期は違うけれども、この65.9%という数字は今回の調査結果から肯定的評価が最大・最高になる切り取り方をした結果であることが推察できる。



まとめよう。それはまず面接方式だけの結果であること、そして回答選択肢にあるはずの「満足している」と「やや満足している」の割合が示されていないことである。2つを乱暴にまとめて「現在の社会に満足」にしてしまっている。



再び平成25年度分の調査結果を例に示すと「満足している7.7%」、「やや満足している53.1%」なのである。ほとんどが「やや満足」。「『現在の社会に満足』過去最高の65.9%」という威勢のいい表現とはだいぶイメージが異なる。



まあ、ただいまの日本国国民としてはいざしらず、私としては世間との感覚のズレがそれほどでもなくてよかったのである。頼むからエイプリルフールだったといってくれ、にならなくて。ほんとうに、あー、よかったよかった。あさまけた。(了)


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